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植村直己冒険館(兵庫県日高町)訪問記,南極,北極,グリーンランド,犬ぞり,五大陸最高峰登頂,エベレスト,グランドジョラス,小西政継,

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植村直己冒険館
〒669-5391 兵庫県豊岡市日高町伊府785
℡0796-44-1515

 「いつかは行きたい」と思う場所はいくつもあります。実際に行けることの方が少ないのはしかたがないが、近くまで来たのに寄らなかったと後で後悔したくない。
ということで、丹後半島ドライブの後、城崎温泉経由で豊岡市までかなり遠い寄道。暗くなるまでになんとか日高町へ到着。
 すでに、何回も紹介しているが、私のブログは自分の記録を残しておく為に始めたのがきっかけ。よって、情報ブログでも思想をアピールするものでもない。あくまで「個人の覚書」
新店情報とかやっていると勘違いして、新店ばかり追っかけている時がある。いかんと思いつつ、ナビの新店マークが溜まってくると、その方面へ遠征に出かけたくなる。
そのついでに神社仏閣や記念館など、あるいは景勝地を訪ねているが、感動ホルモン豊富な食彩賓館でも、この植村直己氏ゆかりの品々を見た時はtwitterでもつぶやいた通り、「感無量」。
言葉が出てこない。

若い頃、植村直己氏の活躍が報道されても、感心はするが感動はしなかった。30歳頃、突然、山(といっても見るだけ)に凝りだして、山関係の本を探していた時に氏の著作に出会う。もちろん全著作を読む。
氏の著作を読んで、実際、北極やアラスカ、あるいは登山などを志す人も少なくないが、私も御多分にもれず、山や自然に興味を持つように。
さらに、氏の著作に登場する小西政継氏の本も読むにつれて、実際に本に登場する現地を見たくなる。
例えば「穂高 滝谷の岩場」と出てくると実際、奥穂高岳~北穂高岳稜線から滝谷側を覗いてみたり、小西氏のマッターホルン北壁にあこがれて、新婚旅行をツェルマットにしたりと。
↓ 1989年11月撮影。マッターホルン東壁。


↓マッターホルンと小西政継氏著書(2019年6月撮影)

もっとも、高所恐怖症と怖がりなので、岸壁登攀や冬の山へは行くことはありませんでした。もっぱら「眺める」専門。
 話を元に戻します。
この冒険館に保存されている装備の中では、新聞・雑誌・テレビ等で見て、記憶に残っている北極行のものよりも、1969~70年JACのエベレスト南壁(南西壁)の装備やグランドジョラス北壁の装備など、小西氏と行動を共にしてきたものが食彩賓館的には関心。
↓ グランドジョラス方面(2019年7月撮影)

↓ グランドジョラスを背景に小西政継氏著書と記念撮影(2019年7月撮影)

 

また、最後になってしまったマッキンリーの装備は関心・感動よりも遺品を見ているようで少し辛くなってしまった。そう。冒険館の展示品は私にすると「記念品」ではなく「遺品」。
新婚旅行の帰りにアラスカ上空(当時は直行便はなく北回りでアンカレッジ経由)で「マッキンリー上空」とアナウンスがあった時に、窓から見える白い山々へ合掌して冥福を祈ったことを思い出した。

 閉館時間も迫ってきたので、いくつか家族への土産を含めて記念グッズを購入。一番の記念品は展示物を図入りで紹介した無償パンフレット。これは良く出来ています。ありがとうございました。
外に出ると天井壁面に植村さんの往時の写真をいくつか飾ってあった。アマゾンのイカダ下りの時のもの、エベレスト登頂時のもの、その中に小西氏とのツーショットもあった。
暗くなると写真が電飾で浮かび上がるとか。しばらく写真の前で佇む。

【4/25追記】
司馬遼太郎記念館訪問時に感動した時とどう違うのか少し考えてみた。
司馬遼太郎氏の場合、「人物(良く知らない)」よりも「著作」に薫陶を受け、一度、どんな場所(“存在していた”の意)なのか、好奇心もあって訪問。
植村直己氏の場合は「生き方」が食彩賓館の琴線にふれ、私には真似のできない根気良さと執念で自身の目標を達成してゆく姿に感動。高所登山などの「山行」よりも、北極行やグリーンランドなどの犬ぞりでの「冒険」の方に氏の本来の持ち味が出されていたと思っている。
毎日、ある一点を目指して、犬橇を走らせ・押し・引っ張る。日々は単調だが、スリリングな作業の連続ながら、延々と単調だが危険な日課(“生きる”“進む”)を繰り返すことによって、ようやく目標地に到着。ところが、その目的地は次の目標への出発点。
“冒険行”にしか存在を感じ出せなくなると、さらに困難な目標を設定。困難さゆえ、高額になる費用を勧進(使い方間違ってますが、あえて使用)するために、代理店を通じての宣伝。失敗の、敗退の許されない冒険行。「自分の満足(日々の“生きる”“進む”充実感と到着時の達成感)」と「周囲の期待」のズレ。
勝手に妄想しながら、自分なりにそういった行動(困難な課題に対して継続的に挑戦)をする人のことを考えてみた。

 食彩賓館の住居には狭い庭がある。昭和の時代に購入した建売住宅の庭なので、さして広くもなく、庭の手入れも数ヶ月に一回程度。さらに10年近く前に建替えをしてからは、より「猫の額」。
それでも、初夏から晩秋にかけては家の周囲の草取りが数回必要。さすがに前庭は目に付くたびにせっせと作業しているので、雑草もポツポツ。だか、裏庭は、それこそ数ヶ月に一度の手入れなので、夏の時期は相当ひどい状態になっている。
だんだん、見苦しくなってくる「猫の額」を見ていて、「それじゃあ 来週末にやるか」と決心。
決心してから軍手の予備がないことに気づき、ホームセンターで調達。クローゼットの奥から作業着やら帽子を取り出し、納屋から草取り道具も準備。ついでに庭木もやるかとなると高枝鋏やら剪定鋏も準備。虻蚊避けの帽子ネットも車のトランクから取り出す。
道具と器具備品がそろったところで、開始。数メートル先の隣家との境界線まで、目の前の雑草を抜いていく。汗が吹き出る。日頃は机に座りっぱなしなので、しゃがんだスタイルに慣れていない。翌日以降の筋肉痛を覚悟。
だんだん、蹲踞の姿勢から、片膝、両膝となって、時々、休憩がてら手足を屈伸しながらも前へ進む。突然、蚊に混じって、庭の花に集う熊蜂が襲うが、事前準備の賜物、防御ネットが役に立つ。
さすがに1時間経過すると、水分補給が必要になる。家人にあらかじめ、「○時になったらお茶を持ってきて」と依頼済み。お茶を飲みながら後ろを振り返ると、除草した面積よりも、予定する面積の方がまだ多い。
午後からは用事があるので、なんとか午前中、早い時間に目的地である「隣家の境界線」まで前進したい。ひたすら、除草作業に没頭。汗が頬を伝い、全身から汗が噴出す。
予定する面積が半分を過ぎると、肉体的な疲労は積もるが気分もだんだん楽になり、作業も順調に進む。なんとか、隣家の境界線まで到着。後ろを振り返るときれいに除草された庭が広がる。

 想像だが、冒険家や探検家は「目的地に達すること」「目的地で発見したこと」よりも、到着までの過程に、(我々の想像以上に)より充実を感じるのではないか。到着した達成感と他者からの栄誉よりも。
さらに、彼の人々はその過程が、除草された庭のようにくっきりと「見える・観得る・視える」のではないかと思う。その「見える過程」は実行した本人にしかわからない。
ところが、そのうち、スポンサーや応援?する人々から「達成すること」が求められ、自身も「達成すること」が義務となる。以前は「そんなことできやしないよ」と言われていたのが、何時の間にか「あなただったらできるだろう」に変わる。
そうなると、目的地に到達した後を振り返っても以前のような「跡」が見えなくなるのではないだろうか。見えるのは「次の目標・課題・他者からの期待」。
栄光の後にあるものは苦悶。
だが、植村直己氏はそういう苦悶を乗り越え、次々と新しい冒険を達成していく。

 そこ(苦悶する姿を真摯に朴訥と語る)に惹かれる。決して、「卑下も自慢の内」(これ食彩賓館が良くやってしまいます)ではない。

若い頃、苦悶していた時代に、夜中目覚めて、眠れない時は枕元に置いた植村直己氏や小西政継氏の本を読んだ。
植村氏は挫折したり、苦悶する姿を語りながらも、目標・目的に向かって突き進んでいく。成功してもそれを自慢することはない。
小西氏は世間からの評価(学歴や登山歴)をバネとして自身、及び率いる集団を「世界レベル」へと飛躍させようとする。成功した時も失敗した時も冷静に事実を分析している。ただ、「世界レベル」を目指さない他者に厳しい。部下に対する厳しさと優しさ、そして信頼。氏の著作は気持ちを高揚させてくれる。
「奮励努力せよ」と自分に言い聞かせた。

そういったことがあったから植村直己冒険館で 感無量 した次第。

拙い長文失礼しました。

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●パンフレット

・道の駅で見つけたパンフ
 

以下、勝手にスキャン(一応、文字とかは読めないように配慮。写真は若干、マスクしてあます)

 

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