四郷串柿の里 ふれあい販売所(和歌山県伊都郡)で池エビの柿の葉寿司を食べて、郷土料理を想う
四郷 串柿の里 ふれあい販売所
和歌山県伊都郡かつらぎ町滝大石4の2
℡0736-25-××××
(代表者個人電話のため伏字にしました)
【営業時間】午前8時~午後5時 (土・日曜日のみ営業)
訪問日 2010/10/02
「煮込みこんにゃくや旬の野菜を使った日替り定食を300円」という案内を以前、どこかで読んだ記憶がある。
今回はAコープかつらぎ店へ寄道したので、国道480号線を通って和歌山から大阪へ向かうルートを採用。すでに何回か通過しているルートとはいえ、特に大阪府側の道路は、対抗車とすれ違えない狭道が続く、なかなかの難所。その難所に向かう途中、紀ノ川沿いの国道24号線から少し奥に入った場所にある。
掘っ立て小屋のような小さな直売所だが、なかなか良い雰囲気。
出荷量日本一を誇る(らしい)串柿のシーズンにはまだ早いので商品は少ないが、お値打ちな定食(価格を確認するのを忘れました。まだ300円かどうか不明です)のごはんは「むかご」入り。どうしょうかと迷っていたら、面白い商品を発見。普通の柿の葉寿司だが、中身が「地元産池エビ」。エビは食べるのも飼うのも好き(笑)。池エビはヤマトヌマエビの親戚だろうか。スジエビ、それともテナガエビだろうか。写真を良く見るとテナガエビのようにも見えるが。
あの「美味しんぼ」の原作者 雁屋哲氏の郷土料理取材(日本全県味巡り)の時にも、この池エビを使った柿の葉寿司を紹介したらしい。(2008年11月13日)
「池エビ」は皮も硬くなく、桜えびのような食感ではない。柔らかさを感じるが、煮詰めた醤油とみりんの味の方が強くて、エビの味の違いがよくわからない。
たまたま通りかかり、なんとなく立ち寄った直売所で思わぬ珍しくて且つ美味しい買物ができた。
これが食彩賓館の旅の目的。
食彩賓館にとって郷土料理とは、現地で古来から作られている方法で料理したものであって欲しい。さすがに原料は昔の通りとはいかないまでも、郷土料理をアレンジした商品の場合はきちんと表示しなくちゃいけないと思う。
以前、ある地方百貨店の物産展で脂の乗ったサンマを使ったサンマ寿司を食べたことがある。紀州地方のサンマは東北方面から延々と泳いで辿り着いた脂の落ちた熊野灘のサンマを使う。
また、寿司飯にいろいろな具材を混ぜて食べやすくしたものも見たことがある。
そういうのはきちんと「インスパイア系」と名乗らなくちゃイカンと思う。アレンジが悪いのではない。アレンジしたものを郷土料理と同じ「紀州のサンマ寿司」と表示するのはイカンと言っています。(悲しいことに、最近は北海道で収穫されたものを冷凍保存して、対応せざるをえない状況とも聞いているが)
紀州人にとってサンマ寿司は、冠婚葬祭・正月と、“ハレ”でも“ケ”でも出てくる大事な料理です。マネするなら、歴史と風土に敬意を払って「モデリング商品」を作っていただきたい。
育った土地の歴史と風土を大切にしたい、してほしい。遠く古里を離れて暮らしていると、特にそういった想いが強くなるようです。
秋から冬にかけて熊野市の七里御浜でのサンマ丸干し風景を見る機会が多い。この風景を大事にしたいと思って、郷土料理については、できるだけ食彩賓館記事に記録として残したいと思っています。
食彩賓館は高価なもの、手に入りにくいもの、珍種が好きなのではなく、普通に地元の人が普段食するものが好きなんです。
追伸
めはり寿司はすっぱいと感じるほど良く浸かった高菜を使い、俵型に握ったのが本物と思い込んでいます。中に具材を入れる場合は高菜の刻んだものまでは許す([E:happy01])。
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●郷土料理に関する食彩賓館記事
・2007/12/22このわたとくちこ20061130