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サンディ石橋店(11月オープン・大阪府)でディスカウント推考したが挫折

サンディ石橋店
大阪府池田市石橋1-21-2
℡072-763-0145
開店日 2010/11/25
訪問日 2010/12/18
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 サンディ社のホームページに「サンディは選び抜いた商品のさらなるディスカウントに挑戦します」とある。さらに「トップメーカー・トップブランド商品をどこよりも“お安く”常にディスカウント価格で販売することに挑戦し続けています」と付け加えられている。

 食彩賓館は業界用語の知識が乏しいだけでなく、勉強さえきちんとしていません。なので、難しい言葉が出てくると自己流の解釈をしています。でも指摘を受けて他者の考えが正しいと思えば、すぐに考え方を変えてしまうのも食彩賓館流。柔軟に対応しています([E:happy01])
流通業界は他の業界に比べてコトバの定義があいまい。その曖昧さを是正するために故渥美俊一氏及び彼(“彼”と及びするほど食彩賓館は偉くないのだが)の周りの研究者が用語集を発行し、コトバの統一を図ろうとした。にもかかわらず、未だ「業態」と「フォーマットや価格政策」を一緒にしたり、よくわからない横文字を使って、無学な食彩賓館を惑わそうとするセンセイが多くて困っている。知らない言葉をいちいちグーグル大先生にお伺いを立てるのが面倒だ。
食彩賓館の会社では流通系横文字専門用語を使うと上司からこっぴどく叱られました。なので、マーケティング用語などの専門用語をひけらかす人の文章を読んだり見たりすると叱りたくなります。
「オマエは難しい言葉を知っていることを自慢したいのか。それとも相手の無教養を笑いたいのか。相手にわかる言葉を使わんかいっ」
決して、「オマエの勉強が足りない」などとは答えないように([E:catface])
冗談はさておき、そういった横文字系流通用語を外部の人に対する文章として書いているのを見かけると、日本語の文章能力がないセンセイなのだと思っています。日本語とカタカナ文字のどちらが多いかを数えたいくらいにカタカナ専門用語が多い文章を見ると、そのセンセイの将来を心配してしまいましたよ。と、一般人は受け止めているのでこころして使ってくれいっ。[E:smile]

 またまた閑話休題

 「ディスカウント」の話。渥美俊一先生の「ディスカウンティング」の話は以前、書きました。ここでは食彩賓館的「ディスカウント」の話。
デレビのバラエティで使われる流通語は誰でも知っているものを使います。例えば“激安”。
チラシ関係の仕事を経験したことがある人は良くご存知の通り、広告には法律で禁止された用語の他に業界内で自主規制している用語や社内で自主的に使わないようにしている言葉があります。例えば一部の不動産業界や新聞社の広告規制の中に“激安”という言葉が禁止用語となっています。マスコミでも一般的になった“激安”を自主規制してもしょうがないと思うかも知れませんが、流通業界以外で“激安”という言葉を使うケースはあまりないようです。
“激安”は何よりもどのくらい安いのか良くわかりません。当然、“驚安”もそうです。
「日本一」や「世界一」と表現する場合は具体的な根拠がないとダメなことはどなたもご存知なのに、さらに曖昧な「激安」「超鮮度」が一般的になってきていることに超驚く([E:wink])
でも良いこともあります。
「ディスカウントストアって何?」と子供から聞かれたら、「激安店のことだよ」で通じる([E:catface])
とまあ、何の話だったかわからなくなるくらい脱線。
 
 ディスカウントに限らず、価格を決めることは難しい。30年ほど前の青果売場の話だが、当時は本部からの売価指定はなく、各店の担当者が好き勝手に売価をつけていた。ドミナント出店をしている地区であってもお構いなし。「(同じ会社で、店によって)あっちが高い、こっちが安い」と客から指摘を受けても平気という状況。
当時、入社3年目の食彩賓館は精肉売場から青果売場へ異動したばかりで、野菜の荷出しとかトラックからの積み下ろしなどの雑用中心の仕事だった。
ある時、野菜を仕切っていた同僚が突然の配置代えで異動してしまい、若い食彩賓館が発注・売価設定を担当することになった。旗艦店だったので、当初は商品部のバイヤーがやってきてはいろいろと指導してくれたが、そうそうかまっていられないとみえて、最後は「適当に売価つけとけ」と([E:bearing])。今から思うと何ともいいかげんなバイヤーだったが、そんな指導だった。部門新人がいきなり月商3,000万円の野菜の発注をまかされるのだから、いい時代というか、いいかげんな会社というか([E:gawk])。
品質の見極めとか相場状況とかわからないので、全部一律値入。キャベツなんか相場が高くても平気で380円とかの値段をつけていた。喜んだのはご近所の八百屋さんの大将と女将さん。毎朝、価格調査にやってくるのだが、私の顔を見ると満面の笑みを浮かべてこう言う。
「○○さんが担当になってから野菜の品質がよくなったねぇ。経験少ないのに立派なもんだ」。もちろんお世辞とかいうものではなく、後で知るのだが、完全にバカにされていたのです。何しろ、私のつける価格は主力商品でも高値入。しかも産地も等級も最上級品。近所の八百屋さんは、そこそこの商品を市場で仕入れてきて、当店より5円~10円ほど安くつけるだけでよい。大儲けしていると知ったのは市場に行った時に、出入していた仲卸さんから教えてもらった。
「あいつになってから商売やりやすくなった。全品、値入が一緒なんだよ」と笑いものにされていた。
悔しいやらなんやらで、なんとかしなきゃということで、市場に毎朝出かけるように。セリを横から見て、誰が何を買うのか見ていた。食彩賓館と同じ商品を仕入れた人の店を見に行って、どの程度の売価をつけるのかを調べた。食彩賓館が設定した値入の半分程度で売価をつけていた。逆に、品質に比べて安かったり、うまく安く競り落とした商品の値入はとんでもなく高い値入で売価を付けていた。それでも食彩賓館の店と同等か、中には安いものもあった。
ショックだった。近所の八百屋さんに誉められてちょっといい気になっていた。八百屋さんも生活のために必死になって商売している。食うか食われるか。それに対して食彩賓館は経験少ないのに発注・値入担当に抜擢されていい気になっていた。
 朝、早起きして市場へ行き、店には8時に戻ってくる。1日働いて、22時まで売場作り。家に帰ってからレイアウト計画と発注計画。休みの日は近所の店を回った。
市場に行くと、価格のからくりを知ることができた。同日の、同じ産地・規格等級商品でも価格が違う事を知った。同じ商品を納めているのに、企業間で卸価格が違うことも知った。産地・等級を変えなくても安くなる方法も知った。
努力の甲斐があって、売上も利益もうなぎ上り。前年比130%を達成した時は「オレは天才だ」と思った。近所の八百屋さんも以前のように満面の笑みで話しかけてこなくなった。
社会人になって初めて知った。「相手の誉め言葉は信用してはいけない。誉めてくる人よりも厳しいことを言ってくれる人を信用すること」悲しい教訓です。
 後日談。
 食彩賓館もバイヤーになって、いっぱしになってくると、他企業の若いスーパーの担当をつかまえては仲良くなっていろいろと値入のクセや仕入のことを聞き出そうとした。愛知の激安店で有名になった某企業もそう。
「君に変わってからおたくの店、良くなったねぇ」と満面の笑みを浮かべて。

 「オレは天才だ」と自惚れた売上も一年経過したら前年を達成できなくなりました。実は台風やらなにやらで相場が高かったのです。青果担当ならご存知のように相場高の時は売上絶好調([E:bleah])。翌年以降、自分は凡人だったと思い知りました。
で、せっせと通った市場も無理がたたって、とうとう倒れてしまった。死ぬかと思ったものすごい腹痛と下痢。体調が弱っていた時に大腸菌群の多い食べ物を摂ってしまったようです。当時はウィルス検査なんてなかったから「食当たりですね」で終わり。実は、この後も食中毒でもっと死ぬような目にあうのですが、以来、衛生にはウルサイウルサイ([E:confident])
 そういった(衛生の話しではなく、価格の話)仕入と値入の経験が今の自分の財産になっています。
だから、簡単に「ディスカウントとは」なんて講釈を垂れることはできません。
売価は生き物です。価格の高い安いはお客さんが決めます。
だから、店が「激安」なんて言っちゃあイカンと思うのです。
じゃあ、ディスカウントはいいのかって?
日本語にしたら「割引。・値引きしました」ってことだから別にいいのっ。
↑ 食彩賓館流のディスカウント論は持っているのだが、今回はこのあたりで。
おあとの記事がよろしいようで。
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  ところで、石橋店のことは?
 忘れてました。こじんまりとしているが鮮魚、精肉もあるタイプのサンディ。
グロサリーの箱陳列を見ていて思ったのは、結構、ダンボール箱をカットするだけでも時間かかりそうだなあということ。
箱のまま、あるいは配送形態のまま売場に持っていくと、そのまま販売できるという状態になるのはまだまだ先だろうなあ。

買物していないので食彩賓館的印象は割愛。
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●サンディに関する食彩賓館記事
・2009/4/30サンディ小倉店と宇治平等院(京都)
・2009/11/12マルハチ、エープライス、サンディ(兵庫県尼崎)
・2010/1/7意外だったサンディ醍醐店(京都市