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JAながみね ファーマーズマーケットとりたて広場(和歌山県海南市)で昔の市場のセリのことを思い出した

JAながみね ファーマーズマーケットとりたて広場
〒642-0023和歌山県海南市重根418
℡073-487-0900
敷地面積 8,407㎡  建物面積 967㎡
売場面積 602㎡  駐車場 180台

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産直市場よってって貴志川店~貴志駅~オークワ海南野上店と訪問し、和歌山最後の目的地である紀三井寺へ向かう。
途中、道路左側に予定していなかったJAの直売所が目に入る。

 ありがちな直売所ではあるが、売場も広く、商品も豊富に揃っている。
出荷の多い白菜の価格とサイズ、重量などをざっと確認していて思ったのだが、実に価格の付けかたがウマイ。各農家が自分の白菜が売れ残らないように、他の農家の商品と価格を見ながら売価を付けている。絶妙ですな。こういう芸当ができないと「規格外野菜販売」も成功しない。スーパーの青果担当者は直売所の売価の付け方を素直に見習うべきだ。
やっぱ商品を知っている人(農家)は違うなあ。
昔の産地市場はこんな感じだったんです。
市場の地場物置場にはバラの野菜がズラっと並んでいる。
出荷者ごとに大~小の順番に整列して、これまたほぼ決まった単位で並ぶ野菜のうち、各八百屋さんは自店の顧客に合う等級・規格・価格のものをセリで買う。自店と同じようなタイプの商品を購入する人と腹の探り合いをしながら、セリ人の合図と同時に、ヤリをつく(買いたい値段を符丁で言ったり、指でサインを送る)。他よりも高いとセリ落とせるが、高すぎてもいけない。しかも、自分の出した価格が他と大きく違うと非常に恥ずかしい。バイヤーとしての「見る目」が養われる。さらにセリ人との駆け引きもある。一発なのか、セリ上げるタイプか。
尚且つ、買えなければ当日自店(企業の場合は各店)で販売するものがない。必死ですよ。
余談になるが、マグロを競っている築地市場の観光客問題が話題になったことがあるが、あんなの(セリを見物する)は本当に問題外。どんなに神経すり減らしているか、少しだけわかっているので、本当にセリに参加している人達に同情しています。

 そうやって培われた能力も、企業が大きくなるにつけ、早朝出勤の労働問題もあるし、市場で競ってから納品されるのでは朝の開店に間に合わないとか、ましてやセリ負けて商品がないなんてスーパーマーケットとして許されることではない。
ということで、セリではなく、相対で取引され、価格も事前にほぼ決まっていて、自然災害や特別な事情がない限り、発注した商品がほぼきちんと納品されるようになった。当然、市場へ行って買参帽子かぶって自分でヤリを突くバイヤーも減ってくる。今はどうやって“目効き”能力を養っているのだろうか。産地や市場で「見るだけ」と、「セリで買う」のでは緊張感が違う。はたして昔のような“目利き人”は今、スーパーマーケットに何人くらいいるのだろうか。
目利き人がいない店で「規格外野菜」や鮮魚の「魚船一船買い」などはたして機能するのだろうか。
 市場についても、産地へ行って契約栽培する企業も増えてきて、農家さんも近所の直売所に出荷する人が増えている。ますます青果市場は厳しい。
テレビの“激安スーパーの裏側紹介”とかで市場へ行って余ったモノを仲買から安く買っているのを放映しているのを見るたびにちょっと嫌な気持ちになるのは食彩賓館だけでしょうか。昔はヤリの突き方や買い方まで、自社だけでなく、他社の古株から厳しく指導されたものです。「買い叩く」なんて許してもらえなかった。
でも、市場へ行ったから“目利き人”になれるかというと、そうでもない(笑)。青果の道も奥が深い。
 いつものように余談が過ぎました。

 この前に訪問した「よってって貴志川店」でアレコレ購入したので買物は少ないが、面白い商品が沢山ありました。ただし、よってって貴志川店ほど加工食品は充実していない印象。

店外で全農ミートフーズが設置した焼き鳥やコロッケなどの販売小屋を見る。
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●購入商品
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・生姜 丸しぼりジンジャーエール

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~JAわかやまと和歌山商工会議所との農商工連携で開発された商品です。(中略)存じですか?最近話題の生姜について。
生姜【ショウガ科ショウガ属】 
 英語 ginger
 学名 Zingiber officinale
 学名のZingiberとは、サンスクリット語で「角の形」を意味する
Singaveraに由来。一般的に生姜(ショウガ)には、ビタミンA・B群
・C、カリウム、カルシウム、鉄、辛味成分のジンギロール、ジンゲ
ロン、ショウガオールなどが栄養素として含まれています。

 商品概要
 1.商品名     生姜丸しぼり Wakayama GingerAle
 2.発売日     平成22年5月1日(土)
 3.発売地域    全 国
 4.名 称      炭酸飲料
 5.容 量      250ml
 6.価 格      希望小売価格 180 円(税込)

 ~ 以上、「生姜丸しぼりHP」及びニュースリリースより抜粋。
 和歌山県の新生姜栽培面積は全国2位(HPより)とかで、大産地なのに認知されていないというのが開発理由の一つ。爽やかな飲み口だが、爽やか以上のものを感じるには食彩賓館の能力が不足している。開発とか売り出しにお金かかっているんだろうなあという印象だけは感じた。
ところで抜粋コメントの一部で使われている「ご存知ですか?」の使い方が前後の文脈から唐突に出てくるのが面白い。JA和歌山のAコープはいろいろ販売についてある方からご指導を受けているそうです。(現在もそうなのかは不明)

元気で酢(JA紀北かわかみ)
核無(たねなし)柿を原料として、水を加えずに醸造した柿酢を4%使用。たしかAコープかつらぎ店で見たと記憶している。で、何がすばらしいかというと、FOODEX JAPAN 2010での「米国人ジャーナリストが選ぶ日本食品10選」の第四位に選ばれていること。8名の米国人有識者(フードジャーナリスト、料理学校関係者等)が「新規性、話題性、米国人の味覚にあっているか、米国の食事に取り入れやすいか、品質、原料、工程において日本製のよさを感じるものであるか」について出品された39品目から評価したもの。(ちなみに1位は同じJA紀北かわかみのあんぽ柿)。受賞理由というかコメントがなかなか面白いのだが、ここでは触れない。他県他産地の柿酢ドリンクもいくつか試したことがあるが、この柿酢はコクがあって且つ飲みやすい。飲みやすい理由は梅果汁をブレンドしているためだが、柿と梅の組み合わせが面白い。

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●和歌山県の直売所(道の駅含む)
・2009/5/8ファーマーズマーケット紀菜館(和歌山県田辺市)
・2009/5/10とれとれ市場南紀白浜と中辺路
・2009/5/11和歌山県上富田(和歌山)
・2009/8/3ファーマーズマーケット紀ノ川ふうの丘(和歌山)
・2009/8/5 JA紀の里ファーマーズマーケットめっけもん広場
・2009/8/23コーナン産直館(和歌山県上富田町)
・2009/11/21業務スーパー新宮店、よってって市場併設
・2010/02/02エバーグリーン宮街道店産直広場てんこもり
・2010/10/12JA紀の里めっけもん広場10周年(和歌山県)
・2010/10/09四郷串柿の里 ふれあい販売所(和歌山県)

・産直市場よってって貴志川店(和歌山県紀の川市)