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土用の丑のうなぎ焼き場について考えた(岐阜県のいくつかのスーパーを訪問をして)

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本日2本目の記事
一本目は
【神社仏閣・一之宮】都波岐神社・奈加等神社(三重県鈴鹿市)


本日は4本の記事を予定

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 いつも「安全が」とか「安心が」とか、いろいろと文句ばっかり言っているので、食彩賓館はスーパーマーケットの敵だと思ってらっしゃる方も多いと思います(笑)
食彩賓館は保健所の要望に答えられない会社が「衛生に配慮」とか「高質」とか表示するのが気に食わないだけで、特に潔癖症だったり、保健所へのチクリが趣味だったりするわけではありません。
いろいろと高質な商品や品質にこだわった取組をやってらっしゃるのに、売場や作業場はまったく(食彩賓館から見て)衛生に配慮していない“自称高質スーパー”が好きではないだけです。
もっとも、長年、地元の方から支持され続けている規模の小さな店舗が、冷蔵品や冷凍品を常温で突き出し販売していたり、適正表示(義務のあるなしは問わず)しなくても、良いとは言わないまでも、長年の慣習はすぐには変えられない。そのような店の指導は関係官庁がしっかりとチェックすれば良いだけであって、食彩賓館がいちいち目くじらたてて強弁することはないと思っています。気に入らなければ買わなければ良いだけ([E:happy01])。業界内で模範となるべき企業・店舗が「衛生的にどうなんだろうか」と思うようなコトをやっているのが嫌なんです。

 さて、そんな前振りの後に続く、今回のテーマは「うなぎの焼き場」について。

 店舗の作業場は出店時に売場と作業場をきちんと区分けて、保健所のチェックを受けて営業許可が出されます。この時、保健所のいろいろなご指導があるのですが、食彩賓館はすべて受け入れる姿勢をずっととっておりました。
ここ数年、全国各地の店舗を訪問する機会が増え、保健所の指導に従わなくて、営業許可ギリギリの基準に沿った売場が増えてきたという印象を受けています。特に某社の店舗がそのような売場作りで成功をおさめている為、保健所の指導は単なる営業活動を阻害するだけの保健所衛生担当者の希望程度にしか思わない人が増えているのではと危惧しております。
今回は逆に、「うなぎの焼き場の保健所の営業許可の内容は本当に正しいのか」という疑問について書きたいと思います。

 まず、営業許可については地元の保健所の意向が反映され、統一的ではないこともあるということをあらかじめお断りしておきます(それもおかしな話だが)。実情は地元の保健所に御伺いするのがイチバンですが、業務を邪魔しないためにも、直接、そういった仕事(衛生関係)に関わっていない食彩賓館がいろいろと電話で聞くのはマズイ。ということで、過去、直接、携わっていた時の営業許可の条件です。

 スーパーマーケットが土用の丑の日のうなぎを通常の作業場を使わず、作業場外で焼くのは電気やガスを火力として使わずに「炭」を使うからも理由の一つ。それと、演出も。
昔は保健所の営業許可なぞ取らず、堂々[E:confident]とバックヤードや店頭でU字溝などを使って、炭をおこし、串を打ったうなぎをU字溝の上に置いて、今で言う”ライブ販売”してました(今でも作業場外で実演調理販売している“ゲリラ販売”を見ると、この時の無許可作業を連想してしまう。せっかく衛生に配慮するようになってきたのに昔に逆戻りの印象)。
うなぎが夏場の商品から年間商材になってからは、炭を使う設備を焼き場内に設置するケースもありましたが、通常はともかく、土用の丑など、大量に焼く場合は別の作業場を設置している店がほとんどだと思います。
その場合、保健所の許可の条件としては
①最低、三方向(天井、左右、後側)を囲う
②水場を設置する
そして、許可を受けた場所に③営業許可証を掲示
 が、あります。
祭りの時の露天商や屋台などを思い浮かべていただければ良いでしょう。百貨店の物産展も調理や料理をするブースと、ただ完成品を販売するブースが違うのもこういった営業許可の事情があるからです。
保健所の許可を取るのは大変ですが、とってしまえば事故を起こさない限り大丈夫。ほとんどチェックにきません(素人のチェックマン・ウーマンに委託して保健所はやっていると言ってますが([E:wink]))。申請許可の後、タレコミがない限り、定期点検以外ではほとんど現れることはありません。
なので、皆さんどうしているかというと、暑いので三方向の被いを取っ払います。

大量にうなぎを調理し、且つ、衛生事故の発生を極端に恐れる心配性の多い企業はうなぎの時期になると簡易の作業小屋をレンタルで借りたり、設置したりしますが、ほとんどの企業はテントを使ったり、木材を四方に立て、天井と周囲をビニールで囲っただけの超簡易設備で保健所の許可を受けようとします。
中には、絶対に保健所の許可を受けていないだろうと思われる店頭”ゲリラ販売”うなぎ焼き場もありますが、経営者がある意味、強い信念があるから(衛生事故なんぞ過去~未来永劫発生しない or 発生しても乗り切る自信がある)なのか、単に申請費用や設備に金をかけることができないのか、なんらかの事情があるのだと思います。
せっかく、営業許可をとっても多くのスーパーマーケットは被いを取っ払って、ほぼフルオープンで営業しています。さすがに炎天下で作業するスーパーは少ないですが、それに近いスーパーなら結構多くあります。
何故なのか知りたければ、うなぎの焼き場で1時間働くとよくわかります。三方向の被いなんかしていたら・・・・([E:coldsweats01])

 昔はうなぎを開くことから始めて、それに串を打ち、生から作業場で焼いていました。今でも、提供数量の少ない鰻屋さんの中には活かしこみしたうなぎを当日にさばいて、注文を受けてから焼く店も残っていますが、そういった店はスーパーでは少数です。(某日本型スーパーストアの食品売場で、子供用プールに入った活うなぎを仕切りのない売場内で開き作業して、さらにこれまた仕切りのない売場で炭焼きしながらライブ販売する店を見たことがある。当然違反行為[E:shock])
食彩賓館が鮮魚売場にいた頃はすでに開いた状態でうなぎが売場に入荷していました。ただし、串打ちは前日、夜遅くまでかかって作業し、翌日も早くから出勤して準備。寝不足の上、高温の作業場でうなぎを焼いたことがある人ならわかると思いますが、はたして、狭いスペースの中で三方向に被いを掛けた状態で炭焼きうなぎの作業が可能でしょうか。
中にはそういった状態で大汗をかいて作業している店も当然あります。でもほとんどはフルオープンにして作業しています。
実際に作業したことのある食彩賓館は「しかたない」と思ってしまいますが、保健所の担当者が見たら許してくれないだろうし、実際に食中毒事故(最近では百貨店の老舗のうなぎ店で発生した事例があります)が発生したら、お客さんに多大なご迷惑がかかる。
 さて、どうしたら良いのか。許認可を甘くするのか、あるいは高価格な設備をわずか数日のために用意するのか。
どちらも事情があるので、できないとしたらどうしたら良いのか。

 今回は、そういった視点で岐阜県のスーパーを40店ほど二日間かけて回りました。
うなぎ焼き小屋を設置していたのは20店ほどで、そのうち、営業許可証を掲示して、しかも三方向に被いをつけて店外で営業していたのは1店だけでした。
あとの店舗はフルオープンキッチンで作業or営業。

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 保健所のルールの見直しよりも、店外の簡易作業場でうなぎを焼く作業を見直した方が良いのかもしれません。さばいて串を打ったうなぎを長時間常温で放置していたり、使った串を駐車場の地面にこすりつけて洗って、そのまま再利用していたりと、見ていて「そりゃないよ」と思ってしまうこともしばしば。
でもこれで事故が起きないんだから、来年も同じ方法で作業するんでしょうね。

 保健所関係者の方、よいご意見はないでしょうか。現実的で消費者も店舗も保健所もwin-winな方法があれば教えてください。(ホントに教えてくれなくてもいいですよ([E:coldsweats01]))

 ところで、焼き方の違いもいろいろありました。「炭焼き」という表示ながら、あらかじめ白焼きしたうなぎを仕入れて、タレをつけて炭で炙っている店もあれば、串を打たずに網で焼いている店もあったりと、当初の目的を忘れて、各店のうなぎ焼き風景を見学させていただき、楽しい休日を過ごせました。
で、食彩賓館はうなぎの生の状態から焼く過程まで確認できる店じゃないと買えないなという印象を持ちました。どう選ぶかは、消費者自身の見極めが必要なようです。悲しいけど。

 最後に結論。
比較するのはおかしいが、女川原発の設計者の方が少し心配性だったおかげで、想定場所よりもわずか数メートルほど高い位置に建設したことが功を奏したことは記憶に新しい。
食彩賓館の周囲の諸先輩方のうち、何人かが心配性で、「保健所の指導は厳しく、難しいこともあるが従うべきだ」という判断をされてきたことが、今までもそしてこれからも衛生事故をできるだけ発生させないようにしていると今でも思っています。
保健所の指導が守れないなら、潔く、店外でうなぎを焼くことは止めたほうが良いと思います。保健所の担当者の方も自分で作業せよとは言わないが、もっと現実に即して判断し、「これは皆さん 守ってくれる」という確信のもと、ルールを作り、そして厳しく運営をチェックしていただきたいと思います。せめて、土用の丑の日くらい、平日だったら地元のスーパーでも回ってみたらどうかなと余計なことまで言ってしまう[E:think]
私の職場でルールが守られなかった時は、ルールが何故守られなかったについて、「ルールを守らなかったのか」「もともと守れないルールなのか」「ルールを守らせなかった」のかが徹底的に議論されます。
その時、上に立つ者は「ルールを守るように指導していましたが部下が守ってくれませんでした」なんて口が裂けても言えないのです。「ルール」というのはそれほど大切で大事なんです。
私は指導していたんですが・・・なんて言う言い訳をしなくても済むように、関係公的機関だけでなく、スーパーマーケット側も心配性でいて欲しいと思います。

最後に余計な一言。
保健所の言い付けどおり実施していて衛生事故が発生したら保健所の人は味方になってくれるのかなあ。ノロウィルスなんかの微妙な判断の時だったら「あそこはいつもきちんと指導を守ってくれているから、食物が原因ではなく、ただの感染症」と判断してくれるのなら嬉しいが。
●ルール通り
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●あらまっ
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●食彩賓館のうなぎに関する記事
・2008/07/15うなぎの季節(関東・関西の違い等)
・2008/07/21活かしこみ
・2009/10/31日本料理あつた蓬莱軒本店
・2009/11/02いば昇 本店 櫃まぶし

 


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