gtag('config', ''); 浜名湖 うなぎ処 勝​美でシラスの不漁を嘆​くとともに、活かしこ​みの設備とかを確認さ​せていただく | 食彩品館.jp

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浜名湖 うなぎ処 勝​美でシラスの不漁を嘆​くとともに、活かしこ​みの設備とかを確認さ​せていただく

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うなぎの稚魚シラスの不漁がここのところ続いています。今年はさらに不漁が予測されていて、今のうち、どっかで食べておかないと、“いわゆる”国産鰻は高値で高嶺の花ということになりそう。
ということで三ケ日に用事ついでに昼食。予定していた店が14時までの営業ということで、こちらの店で食事することに。
到着は14時10分、客は私一人。

浜名湖 うなぎ処 勝美
三ケ日インター店
静岡県浜松市北区三ケ日町都筑1313-660
℡053-526-1035
営業時間:午前11時~午後7時(年中無休)
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HPより抜粋
~注文を頂いてから、さばきそのまま直火で一気に焼き上げてお客様にお出ししますので、身もふっくら、味もコクがあります。地下104mの地下水で泥臭さを抜き、余分な脂も抜くことによりうなぎの身もしまり、自家製のタレで、手早く直火で焼き上げることにより『パリッ!フワッ!』のうなぎの醍醐味を味わっていただけます。~

 私は普段、鰻を食べません。理由は以前の記事に書いたので割愛しますが、簡単に説明すると「若い頃、修行で鮮魚売場にいた時の苦い思い出」があるからです。
例外として、こういった鰻屋さんの焼きたてうなぎは食べる気になれます。
何が違うのか。
タレの味(長年の継ぎ足しで馴染んだタレのことです。加工食品として販売されているタレのことではありません)や産地の違い(ジャポニカ種であれば、私のような素人には味の区別がつかない)、ましてやマラカイトグリーンが入っているかどうかなんてまったくわかりません。
唯一わかるのは焼き加減と活かしこみのある無しでしょうか。

 普通、生(稚魚・成魚)で輸入されたうなぎは国内の生簀で育てられ、日本の水に慣れたところで問屋さんや鰻屋さんに出荷されます。国内での養殖期間が長いと「国産」で海外が長いと「輸入」となります。
問屋さんではその鰻を、関東風・関西風用と分けて製品化します。
普通は
・関東風・・・背開き・頭取り→白焼→蒸す→タレ焼き
・関西風・・・腹開き・頭付き→タレ焼き
勝美さんの鰻は背開き→タレ焼きのようですね。蒸し工程が入っていないようですが、背開き・頭取りということで、さすが関東風と関西風を分ける浜松市。折衷です。
スーパーで販売されている鰻は、基本的に問屋さんで開かれ、白焼き、あるいは蒲焼にされて納品されることが多く、生から焼き上げるのは土用の丑など催事の時だけが多いようです。この件については以前、記事にしたことがあるのでそちらを読んでください。

 価格について。
浜名湖養魚漁業協同組合の直営店の価格が1本1700円程度なので、1800円でこのサイズはお値打ちかな?
もっとも、店内のどこにも「浜名湖産」とは表示されていません。

 それでは浜名湖鰻の定義について。
「浜名湖地域(浜松市、湖西市)で浜名湖養魚漁業協同組合の組合員によって養殖された成鰻(養殖された成鰻とはニホンウナギAnguilla.japonicaを100日以上給餌・育成したもので150g以上のうなぎを言う)を「浜名湖うなぎ」とする。(浜名湖養魚漁業協同組合HPより)
浜名湖の養鰻が有名なのは、人工池(養鰻池)で日本初(自称)の養鰻が始まったからと言われています。
さらに養鰻に必要な稚魚のシラスうなぎが、周辺で沢山獲れたことも、浜名湖で養鰻が盛んになった理由。
養鰻は浜名湖の湖畔に作られた養鰻池で育てられますが、路地では1.5年~2年(あるいは3年)かかるものが、現在ではビニールハウスの池で養殖され、1月~3月にかけて獲れた稚魚のシラスを、冬場は水温管理した池で管理飼育し、自然水温が20℃~25℃になると養鰻池に移して、秋まで飼料を与えて飼育するのが一般的なようです。
この時、浜名湖近辺でとれたシラスを種苗として、浜名湖、あるいは地下水を使って養殖するのが「浜名湖うなぎ」となると思っている人が多いと思う。
上記の定義でもわかるように、浜名湖周辺で100日以上かけて養鰻されれば「浜名湖うなぎ」と称することができるので、稚魚、あるいは外国である程度育てられた生鰻を100日以上かけて浜名湖で育て上げても「浜名湖うなぎ」となりますし、100日に未たなくとも、国内での養鰻日数が海外よりも長いと「国産」として表示ができます。

 ということで、最初に述べた「産地の違い(ジャポニカ種であれば、私のような素人には味の区別がつかない)」ということを言った次第。
また、価格から産地や品質を推定するのは愚の骨頂。卸売の原料でさえ、相場変動やいろいろな事情で品質に比してお値打ちだったり、ブランド品であっても高すぎだったりするので、結局は信頼のおける店で買物したり食事したりするのがイチバンかと。

 それではこちらの商品のうなぎの産地はどこ?

 このような場合の理想的な表示はこんな感じかなあ。
「浜名湖産だけにこだわらず、三河一色産、九州宮崎・鹿児島産など、時期によって産地を変更してより良いうなぎを選別しています」
聞いたわけではありません。想像です。違っていたら教えていただければ幸い。

 閑話休題

 お昼なのでうな丼を頼むつもりで入ったが、残念ながらセットしかない。しかもきちんとした価格([E:coldsweats01])
時期的にはアレなのだが、「天然・・時価」という表示があったのでいくら位か知りたくて聞いたところ「ありません」という回答でした。そりゃそうだ。ちなみに天然物は浜名湖の奥の方で知人が獲ってます([E:happy01])。その人はスーパーに卸しているんだけど季節によっては高かったり、養殖物と変わらない時もあったりで、ホントにそれこそ時価。

結局、一番安いこちらをオーダー。
●礫島(つぶてじま) 2,500円
浜名湖にある唯一の島の名から 名付けられたらしい。
うなぎ・肝南蛮・肝吸 香物がつく。
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 さて、ここから時間を計測。頭の中で作業をイメージする。
うなぎを取りに行く(30~40秒)、うなぎに目釘を打ち、背開きする。そして小骨を取る(30秒)。串を打つ(10秒)。白焼きする。タレをかけ焼く(色出し、味乗せ、照りだし)(20分~)。盛られた御飯の上に鰻を乗せ、そしてタレをまぶして、座席に運ばれる。

 で、私のイメージの中で1回目のタレ漬の時に、現実のうなぎが登場。えっ ちょっと早くない?

HPでは炭焼きということだが、背の焼きあがり具合が見事。まるでガスであぶったように程良く焼きがついてます。

 実食。蒸しが入ったようなやわらかな食感と皮の焼き加減がバツグンです。私が炭で焼いた時のような汚いコゲ跡はついてません。さすが職人さん。
時間が早いのはあらかじめ白焼きしておいたうなぎを炭で炙ったんじゃないでしょうねという疑問は店頭の調理設備を“見せる化”(見える化ではない)していることで解決。
でも、炭にしては皮の焼き方が見事ですねぇ。
で、店内を眺めると、どこにも「炭焼き」なんて表示はされてません。
産地表示ともども、出来映えを見て判断しなさいということだと思います。

 あ~美味しかった。生から焼き上げた、浜名湖の地下水で活かしこみしたうなぎを味わえただけでも浜名湖に来た甲斐があったというモンです。
そう思いましょう。
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●隣で活かしこみやってます。
こちらは丸い器を幾段も積み重ねて、上から地下水を落とす仕組み。普通は数日から1週間程度のところが多いが、こちらは3日以上という表示(HP)でした。
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2011年10月4日より値段改定。
●その他のメニュー(訪問日の価格)
・浜名湖 3,000円
うな重・肝南蛮・肝吸・香物・フルーツ
・うな重(竹) 3,850円(鰻1本分・他)
・うな重(松) 5,500円(鰻1.5本分・他)
・うな重(特) 6,600円(鰻2本分・他)
・天然うな重 時価
・まぶし茶漬け 2,500円(鰻半身)
・まぶし茶漬け(上) 4,000円(鰻1本)
・白焼定食 3,800円(鰻1本分・他)
・肝焼 600円
・蒲焼(半身) 1,800円
・白焼(半身) 1,800円
・お子様重  1,500円
・肝吸      280円
・肝焼      600円

 隣に最近できたらしい。
●直売店
℡053-526-1088
℡053-526-1036
営業時間:午前9時~午後7時(年中無休)
↓ 写真の右側の建物(写真が切れてます[E:think])
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道路を隔てて、前に勝美さんの土産物屋さんがある。
●勝美センター
開店日 2010/04/28
午前8時30分~午後6時(年中無休)
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新瀬戸橋のところに本店があった。外観撮影していて思い出した。むか~し食べたことがあるなあ。ココ。

●三ケ日本店
静岡県浜松市北区三ヶ日町大崎1359-4
℡053-526-1088
20120217

営業時間:午前11時~午後7時(年中無休)

こちらは未訪問。刺身がここだけメニューに掲載されているらしい。
●引佐店
静岡県浜松市北区引佐町井伊谷1119-9
℡053-542-3377
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●うなぎ関連記事
・2008/07/15うなぎの季節。関東・関西 
・2008/07/21活かしこみ(簡単な説明)
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・2011/07/31土用の丑。ルール違反
 
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