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ゲンキー加納城南店(岐阜市)の“New”が「既存店の売上高前年比」改善の起爆剤となるかを確認するためにオープン当日訪問。

今回は珍しく、真面目な話[E:coldsweats01]。

●9/13ゲンキー加納城南店
岐阜市西明見町27番地
℡058-215-0650
・岐阜クレーン教習所跡地
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  客に支持されている企業かどうかを判断する目安の一つに「既存店の売上高前年比」があります。
新店を出し続ければ当然、企業全体の売上高は増加しますが、実際に利益に貢献するのは単年度黒字、あるいは累損を解消した既存店であって、その既存店が前年比を上回るようであればその企業の運営方針が適正であると判断することができます。

 ゲンキー社の売上高は500億円強。それだけの規模で、年間、相当数の出店をしている背景には、新店による収益増だけではなく、低価格PBを中心としたディスカウント路線効果による既存店の伸長が寄与していると推察。

際に、2012年6月期(2011/6/21~2012/06/20)の上半期(2011年7月~12月)は既存店売上高前年比104%(客数同
104.7%)と好調推移していたにもかかわらず、今下半期(2012年1月~6月)は売上高前年比96.4%(客数同97.4%)と若干の陰りが出てい
ます。
2013年6月期に入っても、既存店の前年割れが続いていて、なんらかの抜本的な対策が必要になってきていると思われます。
(データはホームページに公開された数値)


ころが、ゲンキー社はポイントカードを廃止するという思い切った施策を7月に発表し、食彩賓館を驚かせてくれました(ニュースリリース)。
ポイ
ントカード制度を導入する企業はあっても、廃止する企業は少ない。ポイント制度はリピーター作りに貢献するだけでなく、優良顧客データなど戦略・戦術に活
用できる情報を含んでいます。それを廃止するには相当の勇気以上に代替の戦略・戦術案が必要であることはもちろん、その代替戦略・戦術について有効であることが高度に担保されていなければなりません。

 そんな背景があるのかどうか、今回のニュースリリースにわざわざ「ディスカウントストア」という呼称を用いています。もともとゲンキー社はドラッグストアの形態ながら、食品にも低価格PBを投入し、日本型ドラックストア(スギ薬局等)からの脱却を図ってきたような印象があります。
中部地方には同様の形態の店舗を持つ企業として、静岡県本拠の「ウィンダーランド(高田薬局)」があ
りますが、イオンのPB「ベストプライス」商品で低価格販売するウィンダーランドに対して、ゲンキー社はあくまでも自社PBにこだわり、自社PBを中心と
したディスカウント路線を採用しています。

 今回のオープン当日訪問はそんなゲンキー社の“New”を確認するのが目的だったのです。

 結論。
今まで通りの「ディスカウント路線」でした。確かにより低価格訴求しているPBや「爆激価格」などのアピールはありますが、基本的なMDは変更なしです。

 それよりも、手狭な売場面積にディスカウントストアとしてのMDを詰め込もうとして、少し無理な売場作りをしているのが気になりました。
通路が狭すぎます。ゴンドラが高く、さらに在庫置場として上段を使っているため、相当な圧迫感を感じます。
ゴンドラ間の通路はカートがなんとかすれ違える幅(120㎝弱)で、しゃがんで荷出ししている店員や屈んで商品を見ている客がいるとゴンドラ間の通路に入ることを躊躇してしまいます。
これはなんとかして欲しい。低価格とかディスカウントとか言う以前の問題と感じました。

 いつも言いますが、食彩賓館は企業の発表したニュースリリースをそのまま鵜呑みにして横流し的情報をリリースするタイプのブログではありません。これは既存の業界誌・紙とは一味違う記事を書きたいと思っている食彩賓館のこだわりです。
今後も食彩賓館は「特異」な存在でありたいと思っています。

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●購入商品
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・トイペーは100円で、これだけ店外で販売。

↓ 今回購入したPB商品
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・茹で麺 各種17円。ラーメン5食 148円。リフレッシュC1000 29円。コーラ1.5ℓ 88円。食パン 74円。絹豆腐18円。
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●資料
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