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「ノロウィルス流行期間中の大口注文制限について」オリジン弁当のニュースリリースより。食彩品館.jp的考察。“10人以上”にこだわる理由も

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~愛知県は12月14日、名古屋市など5市の幼稚園と保育園計13園の園児ら618人が、弁当を食べた後に嘔吐などの食中毒症状を起こしたと発表した。退 院した園児も含め29人が入院した。患者の便からはノロウイルスとサルモネラ菌が検出された。また献立の「マカロニソテー」からサルモネラ菌が検出され た~

 この事故を受けたためか、イオン系列のオリジン東秀が下記のニュースリリースを発表した
・2015/12/16オリジン東秀ニュースリリース

~日頃、オリジン弁当・キッチンオリジンをご利用いただきまして、誠にありがとうございます。
ノロウィルスの流行が始まっております。当社では、本期間中(概ね2月頃まで。)の大口注文(オードブル・お弁当等を10名以上でお召し上がる場合。)において、未就学児のお子さまやご高齢者さまが含まれる場合には、そのご注文をお断りさせていただいております。
お客さまにはご不便・ご迷惑をおかけ致しますが、何卒ご理解を賜りますようお願い申し上げます。~

 今までもそうだったのでしょうか。これを過剰反応ととらえるか自衛手段と捉えるかは難しいのですが、ノロウィルスによる食中毒事故を防ぐためにはなりふり構っていられないという企業側の思いが強いこともあります。
ノロウィルスによる事故発生は多くの発症者を出す怖れがあり、企業としての存続も左右するような事故になる危険性を持ちます。
尚、何故10人なのかを推測すると、マスコミや一般にニュースリリースとして発表する場合、「発症者10人以上」という内部の決まりを持っている保健所が多いという・・・・。推測ですが、もし、発症したとしても10人未満ならばということでしょうか?。
そういったことを考慮せざるを得ないほどノロウィルスによる食中毒は食す側にも提供する側にもリスクがあるということを理解しておく必要がありますね。

 ちなみにノロウィルスの事故発生についてはこちらの記事に書いたので一読願います
2015/10/26ノロウィルスの季節が近づいています。食中毒データ2015年10月までの厚生省発表資料より
 この記事にも書いてある通り、サルモネラやカンピロバクター等、気をつけていれば防げる食中毒事故と違い、ノロウィルスは感染する経路を含めて、提供する側と食べる側双方の事情によっても大きく症状が異なります。
経験則値で申し訳ないのですが、発症していなくともノロウィルス保菌者はある程度います。大きく見積もっておよそ1割近くでしょうか。
また、ノロウィルスと聞くとすぐに牡蠣を思い浮かべる方も多いと思いますが、普通の二枚貝、例えば「あさり」等からも過去、ノロウィルスが検出されています。
そのあさりを触った手や器を通してノロウィルスが他の食材に移り、それを食した人のうち、高い割合で発症することになります。
ノロウィルスは次亜塩素酸消毒が一番効果があると言われていますが、器や調理器具はともかく、食材にノロウィルスを死活化するほどの濃度の強い次亜塩素酸を使うことはできません。
食材の中のノロウィルスの死活化には熱を加えるのですが、その温度は中心温度が85℃~90℃に達してから90秒以上加熱と大量調理マニュアルに記載されています。これはコーデックス委員会のガイドラインによります。
(参考)二枚貝におけるノロウイルスの管理
  国際連合食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)が設立した、食品の国際基準を作る国際機関であるコーデックス委員会が2012年に定めた「食品 中のウイルスの制御のための食品衛生一般原則の適用に関するガイドライン CAC/GL 79-2012」において、二枚貝の加熱調理でウイルスを失活させるには中心部が85~90℃で少なくとも90秒間の加熱が必要。

 一度、家庭で中心温度系という器具で計測しながら調理するとわかりますが、牡蠣フライを「中心温度が85℃~90℃」まで達した後に「90秒さらに加熱する」と、普通は焦げてしまいます。
料 理として提供する食材をノロウィルスが死活化するまで加熱調理するのはかなり難しいことがわかります。また、味噌汁に入れるアサリはしっかりと加熱されて いることが肝要ですが、味噌汁にする場合は、風味のこともあるので、大量調理する時の加熱温度と味噌の溶かすタイミングが非常に難しいと思います。

 このように、料理を提供する側、特に同じ食材を使ったメニューを提供する大量調理施設はノロウィルスについて大変苦労している中、オリジン東秀のニュースリリースが出されました。
さて、他の大手はどうするのでしょうか。

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◇食中毒事件・事故
平成9年の堺市の集団食中毒の概要と対策(外部HP)

・学校給食による病原性大腸菌O157の罹患が確実であると判断された患
者数は、市内居住者では、多発校学童・教職員7,936名、その家族1,180名、一般市民376名、また市外居住者でも、学童3名、教職員27名、一般市民1名合計31名存在し、市内外居住者の患者総数は、9,523名

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