「産直とは?」
消費者にとって心地よい響きの表示をする時に大切なことは「誤認させないこと」につきます。
青果売場や鮮魚売場で「産直」という表示を掲げてリンゴや福井県産の鮮魚を販売されています。
さて、この店の産直とはどういう意味で使っているのでしょうか。いつもなら売場の人に確認するのですが、当方が勝手にこの記事で解釈してみたいと思います。
【想定1】産地直送(物流としての産直)
①青果は生産者の畑・あるいは自宅脇の作業小屋から、集荷・選別場を経由せずに、尚且つ、店舗が所属・あるいは管轄する物流センターを経由せずに、直接、店舗のバックヤードへ届けられた商品。
②鮮魚であれば魚船から配送車に直接積み込み、そのまま①のように店舗へ運ばれた商品
【想定2】産地直結(生産者と直接の交流・取引)
①店舗(あるいは企業)から生産者へ直接、現金で適時支払いがされていて、中間に介在するあらゆる流通事業者を排除している取引
②消費者の意見を集約した店舗(あるいは企業)と生産者が商品について、互いが同等の責任を持ち、将来にわたって相互の交流を通じて信頼関係を維持継続できる取引。
私が知っている限り、上記の【想定1】と【想定2】の両方を兼ね備えた取引を「産直」と表現しているところは少ない。大抵は産地市場から集荷したり、農協 の集荷場から自社あるいは依託物流拠点へ届けられた商品等を直送品と呼称し、生産資材や使用肥料・飼料・薬剤の情報開示と使用頻度の調整、そして消費者との交流による意見交換等をしていることを「産直」と呼称していることがほとんど。
それではこのナフコ引山店の「産直」はどの“産直”なのでしょうか。
The answer is blowin’ in the wind
ということで次の話題。
大紅栄(だいこうえい)リンゴ。
産地市場でよく見かけるリンゴ木箱に入ったまま陳列。隣には特売の「産直りんご」。特売の方は品種表示がなかったので売場の方に確認すると「サンフジ」。
大栄紅はリンゴの品種である「未希ライフ」の自然交雑種で、大紅栄は契約栽培者限定で栽培されていて、青森県の25haのみで栽培されています。中国の春節に需要が あるとかで国内よりもそちらの需要が高いということで、一般市場には出回ることが少ない、大変、珍しい品種。こういった珍種のリンゴを販売できるのも産直 取引(店舗自称)のおかげか。(先日の大阪遠征で某スーパーでもみかけましたが、価格はナフコの数倍の値段がついていました)
購入商品の味はサンフジがぼやけた味と酸味が抜けているものだったのですが、大紅栄は食感もよく、保存期間が長くな ると次第に抜けていくという酸味も少し残っているのが良い。そして程よい甘味を感じるという食彩品館.jp好みのリンゴでした。好印象。風による枝葉のこ すれなのか雹害品なのか肌に傷が多い。おそらく飾りに使うという中国の春節対応品としてはちょっと見映え的に難有りということでの店舗向け出荷なのでしょ うか。
★その他購入商品
・国分 比内地鶏だし鶏醤油ラーメン
これは旨い。スープも麺の食感も良い。インスタントとは思えないほどの出来だと思います。よく出来ています。さすが天下の国分。麺の細さが気になるのと、だんだんくどくなってくるのが難といえば難だが食彩品館.jpとしては高評価。
・紅はるか
これも生産者名を表示して販売。ひげ根をつけたままなのがワイルドで“産直”らしい。未購入だが茨城県の生産者名表示して販売されていた紅はるかの干し芋は平切りの180gと300g,そして紅はるか丸干しの3種。価格は丸干しが1380円と、ちょっと試してみるかとはいかない価格。色・艶も良く、これはいつか購入したいと思います。
志摩(三重県)のきんこいもとの比較も楽しみな商品です。
・円空さといも。
円空菩薩ゆかりの地である岐阜県の関市、美濃市、郡上市、美濃加茂市周辺で栽培されている里芋のブランド名称。今年は約200トンの出荷が見込まれています。
品種は八名丸里芋のうち、丸芋を多くつける固体を選抜し育成したのが「円空さといも」。
今 回、購入したものは丸芋ではなく、すこし細長くなった円空さといも。丸芋はこれよりも少量で尚且つ100円高い。以前、丸芋の円空さといもを購入している ので今回は価格的にお値打ちな細長いものを購入した。味はさすがに静岡の赤柄里芋とまではいかないが、価格からすると大変、お買い得な逸品です。
・福井産さわらの刺身は今回のMVP商品です。
福井産直(ナフコ社表示)の鮮魚が充実。福井産さわらの刺身は炙りも入っているが、刺身のモチモチ感は最上。過去と比較してもこれほどの逸品は経験なし。偶然とはいえ、名古屋市でこれだけの商品を味わえるとは思わなかった。
実 はカワハギ(表示名)の刺身の色が良かったので購入したいと思い、買物カゴに入れかけた時に対面売場でウマヅラハギを発見。干物でウマヅラハギをカワハギ と称して販売することは多々ある(ように聞いている)が刺身になったウマヅラハギを「カワハギ」と称するのはいかがなものかと思いつつ、店称“カワハギ” を売場に戻す。とはいえ、鮮度の良いウマヅラハギは肝を含めてかなり美味なことは先刻承知。念のため売場の方へ確認すると「(刺身は)ウマヅラ」というこ とでした。
<ご参考>公正取引委員会中部事務局(平成21年6月10日)平成20年度における中部地区の景品表示法の運用状況
第4条第1項第1号(優良誤認)事件
【飲食店による料理の原材料に関する不当表示】
飲食店を営むB社は,メニューにおいて,「天然ブリ」,「和牛」及び「かわはぎ」と記載することにより,あたかも,提供する料理にこれらの食材を使用して いるかのように示す表示をしていたが,実際には,それぞれ,養殖ブリ,国産ホルスタイン牛及びウマヅラハギを使用しているものであった。
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表示に配慮した方が良いと思います。
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●12/10プレ・12/11グランド ナフコ引山店
名古屋市名東区引山3丁目542番地
℡052-726-6667
営業時間:AM10:00~PM8:00
駐車場:52台
・イートインスペースあり
開店日(プレオープン)2015/12/10
開店日(グランドオープン)2015/12/11
開業前訪問日2015/12/05(part1記事12/8)
開業後訪問日2015/12/21(part2記事2016/1/6)
↓ 撮影日 2015/12/21
↓ 撮影日 2015/12/05
商品陳列もドライ商品を中心に完了。オープン間近を感じる事前訪問でした。
市営引山荘の前にあり、店の前は一方通行。尚且つ、幹線道路からの導入に結構、てこずるのですが、慣れている地元の方ならば問題ないかと思われます。
クリーニング店併設でこじんまりとした店舗ながら
・ナフコニワキン名東引山店
名古屋市名東区引山2丁目110
℡052-773-6200
開店 2009/11/11
閉店 2014/02/04
この店は、ナフコはせ川→マックスバリュ名古屋~ナフコニワキン(ラクエツ)→スギ薬局と変遷しているのですが、その場所からほど近い
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◇ナフコチェーン概要
・1691年名古屋フードコーポレーション結成
・1962年ナフコチェーン結成
(名古屋フードコーポレーション略称して“ナフコ”)
蟹江商店、ナフコはせ川、不二屋、うおときフード、
トミダ、ヤオトヨの6社(8社)で構成
・2001年ナフコカニエ(現フィール)脱退
・2006年ナフコはせ川脱退
マックスバリュ名古屋を経てマックスバリュ中部に統合
・2010年CGC加盟
・2010年うおときフード脱退(自己破産)
・2014年クラエツ(ナフコニワキン)(自己破産)
■株式会社ナフコ
名古屋市熱田区川並町4-25
業務
①食料品・日用品雑貨の卸売(共同仕入)
②共同事業の運営
③販売促進の企画・運営
④ナフコ商品券の発行・回収業務
■協同組合ナフコチェーン(本部所在地)
愛知県名古屋市熱田区川並町4-25
①共同精算事業
②共同購買事業
③広告宣伝事業
④その他事業に付帯する事業
・ボランタリーチェーン
独立した小売事業者が自発的に連携し結成。
共通商標、共同仕入、物流協同により
スケールメリット・業務の効率化が結成目的
◇ナフコチェーン構成企業
■株式会社不二屋(HPデータより抜粋)
本社所在地(登記上) 愛知県名古屋市東区東大曽根町25-9
統括本部 春日井市六軒屋町5-29(春日井店2F)
創業 1946年
売上 285億円(2008年度実績)
店舗数 愛知県 25店舗
(スーパーマーケット24店舗、リカーショップ1店舗)
名古屋地区
・守山店 ・喜多山店・小幡緑地店
・アルコング天道店 ・楠店 ・大曽根店
・一番町店 ・当知店 ・南陽店 ・宝神店
・アクロス小幡店
春日井地区
・坂下店 ・岩野店 ・春日井店 ・サンライフ店
・勝川店 ・石尾台店 ・下津店 ・東野店
小牧地区
・田県店 ・小牧二重堀店・桃花台店
その他地区
・木曽川店 ・岩倉店 ・瀬戸店
■株式会社 トミダ
本社所在地 愛知県名古屋市北区杉栄町2-48
事業所
本社(名古屋市)/店舗(名古屋市及び愛知県内に14店舗)
店舗
杉栄店、春岡店、師勝店、師勝中央店、T-ONE店、木田店、七宝店、犬山店、熱田店、瑠璃光店、千成店、 尾張旭店、豊山店
創業 1947年
ナフコチェーン結成 1962年
■株式会社 野田屋
本社所在地 愛知県名古屋市港区浜2-2-3
店舗
野田屋
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◇ナフコチェーンに関する記事
・2009/01/15 ナフコFOODBOXうおときフード(名古屋市)
・2009/04/11 ナフコ不二屋 喜多山店(名古屋市守山区)
・2009/12/31 ナフコ ニワキン名東引山店,アクロス小幡店
・2010/03/28ナフコ不二屋 桃花台店(愛知県小牧市)
・2010/10/26 ナフコ不二屋下津店訪問記(春日井市)
・2013/08/23 ナフコ不二屋東野店(愛知県春日井市)part2
・2015/12/08ナフコ不二屋引山店(名古屋市)(part1)
・2016/01/06ナフコ不二屋引山店訪問記part2