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「売上高総利益率-販売管理費比率=営業利益率」という単純な公式で計算できるスーパーマーケットが好きです。販売管理費比率が少ない企業がディスカウントや自称“EDLP”を実行できると思っています

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 売上高総利益は単純に荒利高(総売上高-総仕入高)としましょう。商品力と販売力で稼いだ利益。多い方が良い。
販売管理費は人件費、広告費、家賃、電気代等販売に関わる費用。少ない方が良い。
ただし、利益も経費も想定した適正数値になるように管理しなければいけない。
「売上高総利益高-販売管理費=営業利益」であって、スーパーマーケットの基本である「モノを仕入れて売る実力」をあらわす数値です。これに営業外収・損益を加えたものが経常利益となり、毎年、チェーンストアエイジ誌で特集された記事でも紹介されていますね。
当たり前ですが、売上高総利益よりも販売管理費が多くなれば赤字となるため、「入り(利益)」を多くして「出(販売管理費)」を少なくする努力をし続ける必要があります。
販売管理費はわざわざ食彩品館.jpが説明することもなく、販売管理費比率は売上に対する総販売経費(人件費・物件費・広告費等)の比率で、日本の食品スーパーマーケットでは概ね20%~22%が妥当とされていますね。
すなわち、100円の商品があるとすると、その商品を販売するためにかかっている総経費が20円~22円ということになります。
もっとわかりやすくロスや細かいことは無視して表現すると、100円の商品の仕入価格が75円とすると、粗利益(供給総利益・荒利益)は25円となります。その25円の粗利益のうち、20円の販売管理費(比率20%)で運営する企業は5円の儲け(≒営業利益)で、22円の販売管理費(比率22%)で運営する企業は3円の儲けとなります。仕入れ価格が同じで売価が同じ商品ならば、販売管理費をかけない企業の方が利益が当然、多くなります。
食品スーパーマーケットの営業利益率は5%を目指している企業が多いと思いますが、上記の事例にあてはめると、
100円売価-75円仕入価=25円粗利益高(25%)。
25円粗利益高-20円販売管理費(20%)=5円営業利益(5%)
というイメージとなりますね。かなり乱暴にはしょっていますが、イメージとして理解をお願いします。
 さて、上記のように100円で販売していたら、近所にスーパーができてそこは95円で販売してきました。客がそちらへ流れます。しかたないので、こちらも95円に値下げしました。
粗利が5円(5%)さがると営業利益が0円になってしまいます。元の5%を確保するには仕入価を下げるか販売管理費を下げるしかありません。
仕入価を下げるには仕入先との調整が必要です。あるいはメーカーや産地から直接調達するルートを開発して中間流通経費を削減するという方法もありますね。いずれにせよ、交渉相手がいることなので簡単ではありません。
そうなると販売管理費を下げるしかありません。人を減らすか、労働単価の安い人(正規→非正規等)に置き換えるかというヒトにかかわる削減も難しい。一時流行した作業カイゼンによる効果に対しては多品種少量作業で出(売れ)が一定ではない流通業ではなかなか難しい。
家賃も難しい。
そうなると自分達でできることで残っているのは光熱費・水道費・事務費などの節約ですが、全社で一斉に取り組まなければ効果は期待できませんし、確実ではありません。
そこで、自分達でできることで、すぐに効果が出せる「チラシを出さない」という対策をする企業が出てきます。
食品スーパーの広告宣伝費は売上高比率で1%が適正と言われていますが、規模の小さな企業になるほど、あるいは広告宣伝に頼ることが多い企業では3%と言われています。
3%の企業であればチラシ削減効果は大ですが、1%程度の企業では前述の100円売価の商品で例えると1円分にしかなりません。チラシをやめたから安売りは1円分でまかなっているということで、とてもじゃないが前述の5円分の削減をまかなえる金額ではないことは素人の私でも理解できます。
ちなみにバローHDの直近の有価証券報告書 (2016/6/30)を確認すると広告宣伝費は対売上比率で1.24%とまずまず低い数値であることがわかります。(ただし連結の数値)
 
 というような基本的な前置きを理解しながら業界紙・誌の販売管理費比率や営業利益のリストを読んでいると不思議な現象に気付きます。
売上高総利益率 < 販売管理費比率であっても経常利益が黒字になっている企業があります。時々、食彩品館.jpが「売場面積を拡大(すなわち店舗出店増)すれば利益がでるような仕組みを作り上げた企業」と表現する企業がそれですね。
さて、何故でしょうかという記事はかなり以前に記事にしているのでここでは割愛。
もっともその記事はかなり生臭いことが書いてあるので現在は非表示にしてあります(笑)。
 いずれにせよ販売価格と調達価(店舗到着価格ではなく、企業としての調達価格)の調整と販売コスト(販売管理費)の削減で営業利益を出しているかどうかを確認するようにしています。

 専門店収入はともかく、物流協力費や販売奨励金に頼っていては・・・・。
経営状況を判断するキャッシュフロー,ROAやROEの数値よりもベーシックな数値で企業の好悪(というよりは好嫌)を判断しています。株を購入するのが目的ではなく、買物客として利用しているので。

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◇EDLP、EDLC、Hi-Lo売価政策についての記事(一部)

2016/11/01販売管理費と営業利益率
2016/09/22バロー 関ひがし店(岐阜県)チラシなし
2013/04/24バロー大津店(滋賀県大津市)チラシなし
2012/12/01「EDLPと毎日特売は違う」を語るにはまだまだ知恵と能力が不足している。企業は安易に「用語」を使わないことを要望する
2012/06/04バロー東起店訪問「新EDLP売価政策」
2012/03/18EDLPとEDLC、そしてEDSLPと平準化
2011/03/08EDLP売価政策。マックスバリュ清水八坂店
2011/02/22平和堂EDLPタイプ店のフレンドマートD
2011/11/15バロー藤枝店は“準EDLP”店
2016/06/29バロー大坪店(EDLP店)
2010/05/18さとうの“EDLP店”フレッシュバザール(兵庫県)
2010/04/06パレマルシェ飯村店(愛知県豊橋市)のEDLP化
2010/04/06西山和宏氏の「EDLPについて」
 (目から鱗。食彩品館.jpの見方が変わったきっかけ)
2009/11/23バロー岩倉店(EDLP2号店)訪問記
 (チラシ削減による売価政策への貢献度を量る) 
2009/08/18EDLPへ業態変更「マックスバリュ中部 荒子店」
  (この頃はまだ“業態”という言葉を食彩品館.jpでも使っています) 
2009/07/26バロー師勝店,EDLP一号店
 
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