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酒類製造免許や酒税の納税が不要な自家醸造酒「JA紀南独占生産品種のパープルクイーンで作った果実酒」が完成。そして「ミスなでしこ:紫宝梅(しほううめ)(南高梅×パープルクイーン)」に期待

 国税庁のHPで紹介されている事例ですが、
▼焼酎等に梅等を漬け込む行為は、原則として、酒類の製造に該当し酒類製造免許や酒税の納税等が必要である。
▼ただし、自家製造・自家消費で、且つ、アルコール度数が20%以上課税済みの酒を使用して下記のもの以外を混和する場合は例外的に製造行為としない。
・米、麦、あわ、とうもろこし、こうりゃん、きび、ひえ若しくはでんぷん又はこれらのこうじ
・ぶどう、やまぶどう
・アミノ酸若しくはその塩類、ビタミン類、核酸分解物若しくはその塩類、有機酸若しくはその塩類、無機塩類、色素、香料又は酒類のかす

  別途、旅館・飲食店での自家醸造酒についての例外規定もありますが、そちらは少しややこしいので説明は割愛。今回は「自分で造って、自分で消費」なので穀類やぶどう類等、対象となっている物を混和させずに、高いアルコール度数の焼酎を使うことで「特例措置」の対象となっていると判断しています。
簡単に言うと、アルコール度数20%と区切られている理由は、酵母菌が活動できなくなる度数が20%ということで、元の酒よりもアルコール度数が高くならないようにするためにアルコール度数が20%以上と設定されています。
尚且つ、その酒は課税済みであることも大事なポイントです。
メチャクチャ簡単に言うと、焼酎を買ってきて、それに梅やライムを入れて割って飲むような感じですね。店で購入時に税込価格で購入しているし、混和してもアルコール度数は増えないし。
それじゃあ自分でビールとか製造する趣味のセットが販売されているが・・・ということになりますが、アレはアルコール度数が1%未満になるように造るようになっています。日本国における「酒」とは「アルコール分1%以上」のものと規定されているからです。すなわち1%未満だったら酒ではないというこになり、当然、酒類製造免許や酒税法の対象外となりますね。

 ということで、パープルクイーンで造った梅酒の製造過程はこちら。
1.ヘタを爪楊枝で取って綺麗に洗って乾かす。

 2.煮沸消毒(大量調理施設マニュアルに順ずると「80℃で5分間以上」、またはアルコール消毒した空瓶にパープルクィーンと氷砂糖を入れ、35度の焼酎を注ぐ。ちなみに氷砂糖の量は参考書に書いてある量の半分にしました。これは好みなのであえて数字は紹介しません。

3.冷暗所に置いて経過観察
①漬け込み直後→2日目→1週間後

梅から出てくるアントシアニンの紅色が広がっています。

②1ケ月半

↓ 梅を取り出す

 1ケ月~2ケ月経過すれば飲むことができますが、せっかくなので1~2年熟成させるかと思っていたものの、あまりの見事なアントシアニンの色の誘惑に負けて3ケ月でギブアップ。
少し試飲したら、あまりの美味しさと香りについつい(笑)
ロックでグイっと飲んでいたら、かなり酔いが回りました。もとのホワイトリカーが35度であることをうっかり忘れていました。

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パープルクイーンについて】※過去記事より抜粋
パープルクイーンは1982年(昭和57年)に和歌山県田辺市の廣畑治氏によって小梅「白王」の枝変わりとして発見され、1996年(平成8年)に品種登録された比較的若い品種です。
以下、品種登録の内容を覚書として記す。
□登録番号 第4842号
登録年月日 1996年 1月 19日
出荷期間 :生鮮品 5月下旬~6月上旬
冷凍品 周年
販売単位
 生鮮品 4kg/箱
 冷凍品 400g/袋

・果実の着色が明らかに異なる枝を発見し、増殖を行うとともに、特性の調査・確認を行い育成を完了。
・果実は楕円で、果実の大きさは小、果皮の着色が和歌山県田辺市において6月上中旬に成熟する早生品種。
・樹姿は中間、樹の大きさ及び樹勢は中、枝梢の太さはやや細、節間長は長、枝梢の色は紅、葉身の形は楕円、葉の大きさはやや小、幼葉の色は淡紅緑。
・花形は一重、花の大きさは小、花弁の色は白、花粉の多少はやや多。
・果実の外観は楕円、果頂部の形は平、果頂の凹みは無、梗あの深さ及び広さは中、赤道部縫合線の深さは浅、扁肉果の多少は少。
・果実の大きさは小(6g程度)、果皮の地色は緑、果皮の着色は極多、着色の濃さは濃、着色の形はほぼ全面。
・核と果肉の粘離は粘核、核の形は短楕円、大きさは小、色は淡褐。
・成熟期は早(育成地においては6月上中旬)、自家結実性は中、結果量はやや多、果実の着色の難易は易。
□多品種との相違点
・ 「白王」及び「甲州最小」と比較して枝梢の色が紅。幼葉の色が淡紅緑。果皮の着色が多い。
・「紅王」と比較して花弁の色が白。赤道部縫合線の深さが浅い。果皮の着色が多い。
・「光陽」と比較して果頂部の形が平。果皮の着色が多い。

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 食彩品館.jpが来年試したいと思っている品種があります。
ミスなでしこ®「紫宝梅(しほううめ)」】
・作出者 那須義昭氏(和歌山県田辺市三栖)
・作出年  平成15年
・商標登録 平成22年
・生産量 約2トン(2016年)
・南高梅とパープルクイーンの交配種
・南高梅よりもやや小粒で自家受粉する

 さて、来年まで待てないので、空き瓶を使ってリンゴ酒を製造します。

  紹介は また後日

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