「ロダン館」フランソワ・オーギュスト＝ルネ・ロダン。静岡県立美術館。地獄の門,考える人,カレー市民

003旅行・文化, 05東海地方, museum, 観光地と施設, 静岡県｜2017/10/24 posted.

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　当日予定していた午後からの会議開始時間まで少し余裕があったので静岡美術館へ。「おんな城主直虎特別展。戦国、井伊直虎から直政へ」を見た後にロダン館へ向かう。
・2017/10/23静岡県立美術館井伊直虎特別展訪問記

□フランソワ・オーギュスト＝ルネ・ロダン

　1840年パリで生誕。19世紀を代表するフランスの彫刻家。興味深いのはほぼ独学で作風を磨き作り上げたこと。国立美術学校の試験に3度不合格だったことが独学の理由。
ロダンは1871年ベルギーに渡り、職人として働きながら独学で彫刻の技法を修練した。
1875年にベルギーから出かけたイタリア旅行で芸術的な刺激を受けたロダンが作った彫刻がサロンで評価されるようになり、国立美術館のモニュメント作成依頼が1880年に来た。その後、国立美術館計画が頓挫したものの、ロダンはテーマに選んだ「ダンテ神曲地獄編「地獄の門」の制作を続け、その中の一部である「詩想を練るダンテ｣という名前の彫刻を世に出す。その後、その彫刻を鋳造した作者により「考える人」と名付けられた。結局、37年間制作を続けたロダンだったが、未完のまま生涯を閉じた。

◇静岡県立美術館ロダン館
ロダン館には32点のロダンの彫刻が展示されています。中央正面には高さ6m20ｃｍの代表作の「地獄の門」があり、「考える人」が門を覗いています。

世界には「考える人」が21体あり、「地獄の門」は世界に7体あるそうです(静岡県立美術館資料による)。

世界初の地獄の門鋳造品は日本の国立西洋美術館にあり、そして世界で6番目に鋳造されたのが静岡県立美術館の「地獄の門」です。
ちなみに静岡県立美術館のものは「蝋型鋳造」で製造されていて、世界に3体あるうちの一つのようです。輪郭の鋭さ、ブロンズの厚み、作品の力強さが他の砂型鋳造4点との相違。また、門を上下二つに分けた鋳造用の原形に従った二部鋳造に世界で初めて成功したのもこちらの作品。
「考える人」の原型サイズは63ｃｍで、静岡県立美術館では38ｃｍのものや高さ183cmの拡大像(世界に21体)を展示している。

「地獄の門」からは単体で「考える人」の他に「壺をもつカリアティード」「パオロとフランチェスカ」「バッカス祭」が発展的に単独像となっています。

　また、「カレーの市民」も展示されています。1885年にカレー市より注文を受け制作された作品。
1347年イギリス王エドワード3世がフランス北部のカレー市を攻めたときに、自分の身を犠牲して市民を救おうとした6人の英雄の像をロダンに注文したのです。
完成後、当初は高い台座に置かれていたが、ロダンの死後に彼が望んだように、台座を取り払い、地面に市民像をじかに置かれることになったそうです。