槙尾山施福寺(大阪府和泉市)西国巡礼通算8順拝、大先達として2順拝。方違観音,花山法王,秘仏馬頭観音,空海の風景,
過去、この寺に参拝する時は早朝に自宅を出発し、朝一番で参拝するため、寝不足もあって、30分程の登りとはいえ、結構、バテる。
今回、前日に和泉市内のホテルに宿泊したこともあり、朝ゆっくりの出発だったため、体調もバッチリでいつものように途中で小休止を摂ることもなく、施福寺本堂到着。
施福寺は西国の寺の中では静かな雰囲気の参拝道とあいまって、大好きなんですが、いかんせん体力勝負なので・・・。
施福寺参拝は上醍醐寺消失以降、西国巡礼寺院の中では最難関。自分の足で歩いていくしかないので、体が元気なうちにしっかりと参拝しておきたいということで、二日連続の参拝を計画していたが、翌日はあいにくの雪模様で参拝をあきらめた。ここを残すと後々、効いて来るのは先達巡礼時の5参拝の時に経験済み。できるだけ早いうちに大先達3順目(通算9順拝)の参拝をしたいと思っています。
途中の景色は前回記事で紹介(この記事の下部を参照)しているため、今回は風景のみ。
↓ もう10年以上も続く麓の道路工事
↓ 参拝者用駐車場付近。
↓ 寺周辺の景色
↓ こちらで1300年記念の袋を購入。
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第04番 槙尾山 施福寺
〒594-1131大阪府和泉市槙尾山町136
℡0725-92-2332
宗派 天台宗
開基 行満上人
創建 欽明天皇時代(539~571)
本尊 十一面千手千眼観世音菩薩 HP
第一巡目 2007/11/28①
先達第一巡目 2008/ 6/13②
先達第二巡目 2009/ 7/25③
先達第三巡目 2010/ 1/23④
先達第四巡目 2010/10/02⑤
先達第五巡目 2011/01/15⑥
大先達1順目2015/12/29⑦(記事2016/1/15)
大先達2巡目2017/01/04⑧(記事1/31)
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第一巡目 2007/11/28 ↓
先達第四巡目 2010/10/02↓
先達第五巡目 2011/01/15↓
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【以下、過去記事】
空海(弘法大師)が剃髪、修行した寺として知られるが、実際にそうだったかは不明という。空海がこの寺に滞在したのは唐からの帰国後、都に戻る前に足止めをされた頃の809年(大同4年)には滞在した記録がある。
食彩品館.jpにとって特別な寺であるのは空海の風景を感じることができる寺だからです。
この寺は四季折々に訪れていて、今回が7回目の参拝となります。夏の時期は汗だくになり息も絶え絶えに登るのですが、冬の時期は比較的楽に山歩き的な感覚で参拝することができます。
とはいえ、上醍醐寺の本尊が麓の下醍醐寺に降りてからは、こちらの施福寺が西国巡礼の最大の難所となっています(食彩品館.jpにとって最大の難所は船で渡らなければならない宝厳寺ですが・・・)。
標高約600mの槇尾山の約500m付近に本堂があります。駐車場からゆっくり歩いて約40分ほど。休憩をしながら登ると1時間近くかかります。足腰の悪い方にとっては辛い参拝となりますが、登りきった時の爽快感は何事にも代えがたく、難所は巡礼の醍醐味でもあります。
前回の参拝から5年。まず、最初に驚いたのが麓の町中を迂回するルートができたこと。一度、すれ違いのできない道路で側溝に落ちたトラックに出くわし、救出されるまで待たされた経験があります。
その迂回ルートの開通は山上で伺った時は「来年」という話だったが、工事の進捗を見る限り、もうしばらくかかりそうな雰囲気です。迂回ルートは「青少年の家」までということなので、開通しても山上の寺までは徒歩巡礼のままですね。
車で入れるところまで進むと左手に参拝者専用の駐車場が用意されています。
車を停めて、装束を整えて、輪袈裟をつけて参拝を開始。
「八丁」の石があります。この数値が減っていく度に本堂が近づいてきます。
登山を趣味としていた者にとって標高差のさほどない歩きとはいえ、最初に参拝した40代後半から10年経過しているので、当方の体力も相当、落ちています。
少し息が切れて、体も温まった頃に山門(楼門)が見えてきました。
山門(楼門)から30分ほどかかります。もう無理だと思ったらここで断念した方が良いと思う第一関門です。
山門からの道は紅葉が散っています。秋の紅葉の時期は素晴らしい景色を堪能だきますね。
↓ 2007年11月28日撮影
きちんと整備された山道を谷沿いに進みます。途中、鎖の手すりやロープが張られている場所もありますが、一歩ずつハーハー言いながら登ると、急登が始まりますが、ここまでくれば後は登るだけ(まだ登るのか)。
石垣のあるあたりはかって子院があった場所で、残念ながらあの織田信長軍によって破壊されてしまいました。磐座(いわくら)も通過
↓ 大日堂(撮影日は2009年)
↓ 弘法大師姿見の井戸(撮影は2009年)
途中、景色の良いところがあります。泉州の海を見ることができます。夏の時期は木の葉で見えなかったかなあ、どうだったかなあと思いながら写真をパチリ。
「一丁石」もう少しです。
夏ならばここで持参のお茶をゴクリですが、冬なのでそのまま先に進みます。
本堂のすぐ下には空海が剃髪したと伝えられる「愛染堂」。そしてもう少し階段を登ったら、その髪を埋めたとされる「弘法大師御髪堂」があります。
最後のきつい石段を登りきると本堂が左手に見えます。
納経前に汗と息を整えるため、本堂前の見晴らし台から葛城連山を眺めます。
そして、その広場の右手にあった「ゆたか茶屋」がなくなっていることに気付く。前回の参拝からすでに5年経過しているからなぁ。
↓ 裏ルートから荷物車とともに下山されるゆたか茶屋の皆さん(2008年撮影)
汗をふき、息を整えたら本堂へ。
この数字が順番通りならば 通常公開になってか ら約1年で21,077人ということになりますね。500円拝観料だけで約1千万円となります。少しでもお寺の維持管理費の足しになれば良いのですが。
本堂内陣の仏像群には驚きました。
まず、丈六(約3m)の本堂 本尊 弥勒菩薩坐像。菩薩ながら如来形というのも特別。脇侍の十一面千手観音立像と文殊菩薩。脇侍の十一面千手観音が当寺の西国三十三ケ所の本尊となります。
↓ 内陣は撮影禁止なので以下は和泉市広報誌の画像です
↑ 画像はクリックで拡大
内陣の後ろには、日本でこの施福寺だけという珍しいタイプの馬頭観音像。他寺の馬頭観音とは足の形が違います。足裏をこちらに向けている御姿に思わずにっこりしてしまう。以前の御前立の馬頭観音とは違いますね。三面八臂の憤怒像には圧倒されますが、花山法皇足守の馬頭観音ということで、思わず自分の脚をさすりました。秘仏なので60年に一回の御開帳でしたが、今は毎日拝観可能。
四天王像、伝教大師、弘法大師、不動明王、そして竹生島より移られたと言う弁財天像。
そして、もう一つのここだけの仏像が「方違大観音(“ほうちがい”、あるいは“かたちがい”または“かたたがえ”と読むが、寺の方は“ほうちがい”と読んでらっしゃいました)」。こちらも素晴らしい仏像です。
20㎝程の大日如来像も展示会以外の通常期は安置されていて、そちらは平安時代の作。空海と同じ時代の景色を見ていた仏像です。
↓ 和泉市広報誌より
じっくり間近で拝観することができました。一周見終わった後にもう一周、拝観させていただきました。
全国各地で仏像を拝観し、国宝級の仏像やもちろん、空海ゆかりの東寺の立体曼陀羅も拝観しているが、これだけ自由に、尚且つ間近で拝観できることは大変嬉しく、また公開に踏み切っていただいた関係者の方々に感謝いたします。
食彩品館.jpは熱烈に施福寺の仏像公開を勝手に応援いたします。
西国巡礼を兼ねて本堂内陣の拝観を強くお勧めします。
さて、下りはいつもの駆け足で下山。ところが、足腰が5年前より弱っていて、途中で歩きに変更。駐車場まで降りたら汗が噴き出てきました。
汗を引かせるためにしばし休憩がてら満願滝弁財天を参拝し、役小角(役行者)、行基が修行したと伝えられる満願滝を拝観。滝下の左側に弘法大師、右側に役小角(役行者)。
「お参りは神式ですか?、それとも仏式ですか?」とお伺いすると、「どちらでも」ということでしたので弁財天側は神式で、滝の弘法大師空海と役小角(役行者)には仏式で合掌礼拝。
↓駐車場横の讃岐向不動尊