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【アニサキス・クドア編】厚生労働省に報告された2017年1年間の食中毒事故事例より。魚による食中毒事故。

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 厚生労働省に報告された2017年1年間の食中毒事故事例より
【カンピバクター編】
【ノロウィルス編】
【アニサキス・クドア】
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 2017年度一年間の食中毒記事の特徴の一つ、というか最大の特徴は「アニサキス」による食中毒件数の構成比増加ではないでしょうか。一昨年アップした「2016年10月までの食中毒事故」記事で紹介したアニサキス食中毒の件数構成比は13%。2017年度は24%と増加しました。件数別で3位のノロウィルスを押えて第2位に。

マスコミで話題となったこともあって、「アニサキス」が注目されたこともあるでしょうが、異常な増加数です。
実は2016年の報告数は10年前の10倍以上であったということなので、このところのマスコミ報道だけではないように思います。
というのも、アニサキスが食中毒の原因物質とされたのは1999年で、保健所への届出が義務化されたのは2012年からということなので、10年前(2006年)と比較して多くなるのは当たり前なんです。次第に食虫毒原因物質として認知され、医療機関からの報告が適正に行なわれるようになったということだと思っています。

 ノロウィルスによる食中毒事故が増えたのは、検出技術の向上によって「胃腸カゼ」と診断されていた発熱・下痢・嘔吐発症が実はノロウィルスが原因だったとわかったことが理由でした。
O-157による死亡事故や消費期限・賞味期限の偽造等、食の安全に対する国民の注目度が高まることによって、報告数も増える傾向にあるようです。
ちなみに発症件数構成比は第2位の24%ですが、患者数構成比は2%と、ピンポイントで当たる食中毒らしい患者数となっていますね。

 さて、アニサキス。回虫目アニサキス科アニサキス属の線虫。白くで細い虫がくにょくにょ動く姿はグロテスクです。魚の内臓に寄生し、魚が生きているうちは内臓から動かないのですが、漁獲後、時間が経過すると、魚体の温度上昇に伴い、内臓から比較的温度の低い筋肉部分に移動し始めます。
体調2mmから3mmで目視可能であるため、じっくり見れば発見は容易。もし、刺身に紛れ込んでいても、しっかりと全体をぐちゃぐちゃに噛み切れば大丈夫。アニサキスはキズに弱い(笑)。
面白いのは太平洋側のアニサキスと日本海側のアニサキスでは種類が違うらしく、太平洋側の方が強力(すなわち食中毒の原因物質となりやすい)ということです。

 ということで、一時期、スーパーの売場でサバの刺身や酢サバが陳列されていると、必ず、水揚漁港や鮮魚店のアニサキス対策を確認していました。
当時は酢で〆れば大丈夫と思っている人が結構いて驚いたのですが、最近は「産地で内臓取り出して、アニサキスが身に移る前にフィレにしている」とか「冷凍している」という回答をしてくれる鮮魚担当者が増えてきました。
ちなみに死滅温度は60℃で1分以上の過熱か、-20℃で24時間以上の冷凍らしい。

 アニサキス以外の寄生虫による食中毒は「クドア」があります。ヒラメに寄生するクドア属の寄生虫(粘液胞子虫)の一種で、大きさはで目には見えないのが楠点。
厚生労働省によると、-20℃で4時間以上の冷凍、または、中心温度75℃5分以上の加熱により病原性が失われることが確認されているということです。
もっとも、ヒラメの養殖場での出荷前の検査や稚魚の管理、給餌、生活環境の改善によりクドア食中毒の数は減少しているようです。

 その他、食中毒に関与する動物性自然毒のうち、魚類部門を列挙すると
・フグ毒(フグ類)
・シガテラ毒(ドクウツボ、オニカマス、バラハタ、バラフエダイなど)
・パリトキシンおよび関連毒(アオブダイ、ハコフグなど )
・卵巣毒(ナガズカ)
・胆のう毒(コイ類)
・血清毒(ウナギ類)
・ビタミンA (イシナギなど)
・異常脂質(アブラボウズ、アブラソコムツ、バラムツ)
 このような原因物質が厚生労働省のHPで紹介されています。詳しくはそちらを参照願います。

来年に続く
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