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フードオアシスあつみ山田店渥美フーズ(愛知県豊橋市)で「スーパーマーケットの好嫌」を考えてみた

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 大好きなスーパーです。この店に行くと欲しい物が沢山ある。「何を買おうか」ではなく「何を買うのを止めるか」でいつも悩む。
使う側の人にとってスーパーマーケットに求めることは多種多様。なので、時々「良いスーパーを教えて欲しい」と言われても困ることがあります。
スーパーには「良い」も「悪い」もありません。「自分の好み」か「好みでないか」の違いだけです。だから正しくは「あなたの好みのスーパーを教えてください」と聞いてもらえると嬉しい。そうすると「買物して嬉しいスーパーですか? それとも見て楽しいスーパーですか?」と聞き返します。

 ということで、自身の訪問体験から、好みのスーパーを分類すると・・・

1, 自店の買物客がどんな生活をしたいと思っているのかを知っているかどうか

①経済的な事情から、できるだけ生活費を切り詰めて生活したい。

または、
②可処分所得に余裕があり、少し良いもの(味覚的に、体に、環境に等々)を求めている。

そして①②複合型
③自分のこだわりある部門やカテゴリーについては価格優先。あるいは、逆に品質にこだわる
④ハレの日や予算に余裕がある時などは②でその他は①など経済的な条件により変更
⑤食生活だけは切り詰めるが、その他のもの(衣住関)は節約しない。あるいはその逆。

 まず、これが第1の分類。すべてがここから始まります。

2, 便利
①自宅からできるだけ近い店
②公共交通機関の最寄駅から近い
③会社帰りや用事のある場所から近い
④駐車場への出入りなど駐車しやすい環境
⑤子供連れやお年寄りなどに配慮されている店
⑥何も考えなくても店がすべて用意してくれている
 (今夜のメニュー、明日の弁当のおかず等)

3. 買物する店に買物客が求めること(上記1.2以外)
①気分よく買物できる(接客、品質、清潔・清掃、安全・安心)
②(家族・友人等に)誉めてもらえる(こんなに良いもの・珍しいもの、あるいは安い物が買えた)
③手際よく買い物できる(探さなくて良い、レジ待ちがない、欠品がない、手頃な売場面積と適切な品揃え等)
④友人・知人が働いている。あるいはその逆(自分の生活を知られたくない)

 いろいろあるけど簡単に、且つ、ちょっと乱暴に言うと「買物客がどんな生活をしたいと思っているのか」をきちんと把握し、分かりやすい方法を用いて、店作り・売場作り・商品作り・サービスを提供しているかどうか」で「好み」か「好み」でないかを決めています。
販売している商品が高質だとか、すばらしい売場作り・商品作りをしているとか、効率的な運営をしているかとかはあくまで二の次。

食彩賓館はそういった基準というか目安というか、よく使う言葉だが、“印象”で「好き」「好みでない」を決めているが、それが良いスーパーか悪いスーパーかどうかは立場によって変わってくる。経営者や株主からすると「(適正に、安定的に)利益を出し続ける店」が良い店で、使う側からすると「自分にとって都合の良い店」が良いスーパーということになる。
話が長くなったので、この話はこの辺で終了しますが、また機会があれば語りたいと思います。

 今回、訪問した山田店は②可処分所得に余裕があり、少し良いもの(味覚的に、体に、環境に)を提供してくれる店です。しかもその提案の仕方や品揃えされた商品が食彩賓館の好みと合致。

フードオアシスあつみ山田店 
〒441-8101愛知県豊橋市山田町字西山11-1
℡0532-37-5281
訪問日 2011/03/31

 いつもは週末に店舗を訪問しているのだが、たまたま当日は仕事で豊橋方面に行く用事があったことと、昼食が遅くなったこともあって、スーパーの弁当でも購入するかということで山田店を訪問。
この山田店を訪問するのは5~6回目くらい。その度にこう思う。「あれ? いつ改装したんだ?」。装飾を見ていつも新鮮に思うのはこの店くらい。実際は前回と同じ装飾とレイアウトなんだけど、商品が変化している。
適度に間隔をあけて定期的に訪問しているとよく分かる。知らないうちに店長の看板が替わっているし、売場作りも、失礼で不遜な言い方だが「進化している」。品揃えもそう。前回にはなかった(あるいは気付かなかった)商品が増えている。逆に無くなった商品は気付かない。商品の入替方としてナイスじゃあないですか。
 この店が好きな理由はただ1点。「欲しい商品がたくさんある」しかも、こだわりの伝え方がウマイ。難は行く度に印象が変わることか。当日みたいに産直魚があったり、今まで購入したことのない商品があったりした時はサイコーなんだけど、たま~にちょっとガッカリする時もある。でも失望したことは最初の1回だけ(店外うなぎ催事)で、あとは訪問する度に満足させていただいてます。
 食彩賓館も渥美フーズ社の店舗が好きで、よく(マネリングではなく)モデリングしようと何回かトライしたが、なかなかこだわり商品を導入したり、導入できても維持ができませんでした。
いわゆる“こだわり商品”は、なんといっても売る気がないと売れないタイプの商品が多い。一生懸命にあれこれ工夫して売場・買場作りをして、少しでも付加価値の高い商品を購入していただきたいと思っている売場担当もいれば、ただ売台に置いておけば勝手に無くなっていく商品を好む人もいる。しかも、最近は売場管理技術がデータ管理メインになっていることもあって、少し売れ数が鈍ると「カット対象商品」としてリストアップされる。さらに売場効率(売上&荒利効率)やロス分析などにより、データ管理部門から警告リストに掲載されて登場したりすると、こだわり商品などは売場からどんどん除外されてしまう。
一昔前みたいに「(その商品は)オレが育てる」なんて言っても「個人の趣味と混同するなっ」と一括されてしまうのがオチ。ということで、伊豆のあおき社やこの渥美フーヅ社のことを羨ましく思っていました。

 店内に入ると、まず目に入るのが、正面の季節商品ではなく、その近くに置いてあるドライフルーツ。品質に比してどうかは別としてサイフから出て行く金額が高いので購入はしていないが、面白そうな商品が多数ある。輸入品であっても「味と安全には気を配りたい」という店の姿勢が良く伝わってくる。
地場野菜コーナーしかり。村上農園の野菜しかり。「味・栽培方法・希少品種」など、多種多様に取り揃えている。アピールの仕方も「ゴト」ではなく「コト」としてきちんと伝えようと努力しているのがわかる。

 鮮魚売場をみていると、「自家製」と表示された商品が増え、特に「あさりのヌタセット」とか「イカのヌタセット」とか面白いセット商品も品揃えされているのに注目。一見の価値ありです。難はちょっと高いかなあ(品質に比べてではなく、サイフから出て行く金額が高いという意味)という印象。
平台を見ると、地場魚が少ないように感じたが、鮮魚の対面売場をきれいに片付けて氷を敷きなおしているのが見えた。POPに「15時5分頃到着」と案内されている。混雑防止のための整理券を一枚とると「整理番号⑧」だった。
まもなく、伊良湖産直の鮮魚が到着するということで、鮮魚対面前には客が集まってくる。通常のスーパーの客層ではない。30人ほどいる中に男性が7割~8割。飲食店の方と思しき方がメインだが、夫婦連れもいる。
ようやく10分頃に到着して、台車から直接商品を並べていく。
真鯛、黒鯛、マダカ(スズキ)、真鯵、平目、ホウボウ、カサゴ、サワラ、カレイ、平貝、サザエ、天然ワカメ、ソイ、コチ、コイカ、スミイカ(甲烏賊)、カワハギ、ウマヅラ、ハマチ、ワタリガニ等約20種ほど。きちんと活き〆をしているものばかり。
特に目を引くのはマダカクラスはあろうかというサワラ8,000円。それと真っ黒なスミイカ。デカイ。ホウボウもデカくてよく肥えている。天然真鯛も大小豊富に品揃えされている。大きいものは40~50cmクラス。アジはキンピカ。
「うわ~どうしよう」。食彩賓館の整理券番号は8番。何が残っているかわからない、とりあえず、スミイカ、真鯛はなんとか残っていそうだ。でも一番の狙いは「ソイ」。しかも30cm程のサイズで丸まると太っている。店の人は「ソイ」と呼んでいたが、食彩賓館の見るところ「ゴマソイ」に似ていると思ったのだが。これは一度食べてみたいと密かに「残っていてくれよ」と願う。
陳列しながら値段をつけていく。レギュラークラスの魚種と商品はあらかじめ、品名と価格を記入し、パウチした価格表が用意されている。イレギュラーな魚種やビッグサイズのものは値段をプリントしたラベルを直接魚に貼っていく。価格の安い物はザルに盛られる。
普通、こういった産直魚を販売する時はアジやカサゴなどの小物から売れていくが、この店は大きな魚から売れていく。客は商売系の方が多そうなので、一人当たり数種を購入。サワラは誰が買うのかと思っていたら、「整理番号②」の方が半身購入。
食彩賓館の狙っていたビッグサイズのソイは「整理番号⑤」くらいでなくなってしまった。スミイカも1,200円の特大サイズが売れてしまい、残ったのは900円の少し大きなものが2ハイ。
真鯛と小イカにするかと物色していたら、「整理番号⑧」と呼ばれたのと同時にスミイカが再登場。800円ということで、それを購入。「自分で調理する」と言ったら700円になった。そういうシステム(調理不要だと安くなる)だったことを思い出す。

 惣菜~日配~グロサリー売場も今回はしっかり見ることができた。以前よりもエンドの使い方が良くなっている(上から目線でごめんなさい)と思います。ところどころでコーナー化されている提案売場もグッジョブ。売場作り、陳列だけでなく、伝え方も好印象。

 楽しい買物ができた。嬉しいなあ。至福だなあ。我が家の近くにないかなあこういう店。

 先日、大阪の某スーパーで掲げられていた「高質」という看板を見た時に感じた疑問に対する答えをこのフードオアシスあつみ山田店は教えてくれた。
ローカルらしい泥臭さとこだわり商品を「使って欲しい」という想いがみごとに融合。
すばらしいです。もう一度言う。大好きなスーパーです。
繰り返しになるが、この店は「可処分所得に余裕があり、少し良いもの(味覚的に、体に、環境に等々)を求めている。」人がメインに利用する店舗だけど、普段の生活にちょっと華やかさや子供の健康・食育のことも配慮したいと思っている人にもお勧め。

難は? 「経済的な事情から、できるだけ生活費を切り詰めて生活したい」という人にはお勧めできないこと。それと・・・これ以上はやめときます。完璧なスーパーなんてありません。

●購入商品
・PB「あくび牛乳」。「デザインがかわいい」という食彩賓館らしくない理由で購入(笑)。只今のところ、イクタフードの牛乳の次に気に入っている。デザインが。
・島らっきょう。漬けるラッキョよりもエシャレットのような食べ方が好き。百貨店の青果売場でちょくちょくみかけるけど、愛知県で久々に見かけたのでつい購入してしまった。
・PBのコーヒー。PBというよりはストアブランドに近いと思うが。「朝・昼・晩」と用意されていて、どのように違うのか分からなかったので、「ひる」を選択。実に中庸な選択だ。昼用(音読みで)だけに。
・「タワノムラサキ」と表示されているが、おそらく「タワラムラサキ」。ご存知村上農場産。まだ未食。色が紫だからという、実に食彩賓館らしい理由で購入。この時期まで貯蔵の芋をひっぱれるというのがスゴイ。他に「サッシー」「スタールビー」「シャドークィーン」「ノーザンルビー」なども品揃えしていたが、「デストロイヤ」(●「デストロイヤ」という芋・”マスクをした覆面レスラーに見える”ため、そういう名前をつけたとか。 )ほどの驚きはない。
・twitterにアップ済みだが、「いかづくし」はホタルイカもプリプリで、イカもコリコリだったが、見た目勝負の感。
・イタリア産グレープフルーツ&ストロベリー飲料「イタリアンソーダ アッボンディオ ポンペルモ・フラゴーラ 」。その怪しい、いや、妖しいデザインに興味を持ったのと、半額処分(だったかな?)されていたので購入してみた。姉妹品として緑色ボトルの「イタリアンソーダ アッボンディオ ビアンカ 」もあった。
・ひじり茸。おそらくヒラタケの一種と思ったらビンゴでした。「ウスヒラタケ」という品種だそうです。「柔らかいのにシコシコ」が特長ということだが、まさしくその通り。
・食彩賓館の記事ではお馴染みの「ふっくらすふれ」の“渥美フーズバージョン”。「キンカン」「しょうが」が仲間入り。<ご参考記事 自然味 >
・メインイベントの「スミイカ」。紀伊長島方面で獲れたアオリイカほどの味ではないが、大変美味しくいただきました。旨いっ。

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●食彩賓館的印象
 (評価ではありません)
総合     ★★★★☆
装飾・備品★★★★☆
品揃・商品★★★★☆ 
(産直鮮魚がないと★三ツ)
売場作り ★★★★☆
品質・衛生管理★★☆☆☆
価格(当日)★☆☆☆☆
サービス  ★★☆☆☆
リピート  ★★★★★
視察向け ★★★★☆
繁盛感   ★★☆☆☆
上記の★☆の説明はこちら
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