コープあいち日進店(愛知県日進市)11月29日オープン訪問記(part )。出資、利用、運営。そして連帯と連携について語る。またコープとAコープとファーマーズマーケットを一緒にしちゃイカンという話と、コープあいちとあいち生協、そしてトヨタ生協(ブランド名称: メグリア)の違いを知らないの?の巻
コープあいち 日進店
愛知県日進市栄4丁目1411
(ナフコニワキン 日進店跡地)
開店日 2012/11/29
開店紹介記 2012/10/04(part1記事10/4)
開店前訪問 2012/10/12(part2記事10/16)
開店前訪問 2012/11/03(part3記事11/9)
開店前訪問 2012/11/15(part4記事11/20)
開店日告知 2012/11/23(part5記事11/23)
開店直前 2012/11/27(part6記事11/28)
開店後訪問 2012/11/29(part7記事12/3)
↓撮影日 2012/11/29
コープあいちの主力事業は共同購入です。知らない人はいないと思うけど、共同購入は生協に出資して組合員になり、さらに数人でグループを組んで、各自がカタログ発注した商品を毎週一回、決まった場所へ生協が注文商品を配達してくれるというスタイル。グループ合計で配達されるので、「これは私の」「これはあなたの」と各自、注文数に応じてグループのリーターさん(名称は生協によりまちまち)が仕切りながら仕分けする。
生協活動もグループ単位で参加し、年に何回かはリーダーさん(あるいはリーダーの代表)が何がしかの全体会議に出席して生協の運営に対し意見を言ったりする。班長さんは毎年、交代したりあるいは同じ人が請け負ったり。
そうこうするうちに活発に生協運営に関わる組合員が生協の運営に直接意見を言える立場(組合員理事)になったりする。
このように客である組合員が自ら出資して、自ら利用(生協は販売ではなく利用)し、自ら運営(共同購入の仕分けや生協活動に参加)するという三位一体の組織なんです。
三位一体なので客と売り手という区分けはないのですが、そこは時代の流れ。「グループ組むのイヤ」「リーダーになるのイヤ」「地区委員なんて面倒」という、三位一体なんてどうでも良いという方もいらっしゃる。
ということで、編み出されたのが「個配」。すなわち、個人で注文した分は個人宅へお届けしちゃおうというシステムです。
これはヒットしたようです。古い生協人の反発もあったようですが、時代の要求には逆らえません。全国に広がりました。
グループだからこその「連帯意識」も個配になれば連帯なんぞ関係ない。時代の流れに沿ったものの、生協本来の力である「連帯と利用結集」パワーがなくなってしまうという印象もあります。
昔の生協黎明期には「買い支え」という運動があったそうです。環境や健康を守ろうということで、安全・安心な生協オリジナル商品を開発したのですが、「高い・使いにくい・ダサイ(当時、そんな言葉だったかどうかはともかく)」ので利用が拡大しなかったのです(つまり売れない)。
自分たちの声で苦心して作った生協商品をなんとか維持継続するために組合員同士の呼びかけで生協商品を買い支えるというのが「買い支え運動」。
現在のように巨大になった生協組織では考えられないような市民レベル・組合員レベルの意識の高さ。(実際のところ過去も現在も、実情は良くわかっていませんが・・・)
閑話休題
コープあいちの主力事業はそういった共同購入が主力。店の歴史は共同購入よりも浅いのですが、もともと「共同購入で頼んだ商品の在庫がなくなった時に、翌週の配達まで待たなくて済むようにコープの商品を買える店があれば嬉しい」ということで店舗を出店してきた経緯があります(この部分、食彩賓館の勝手な創造ですが)。そういったこともあって、どうしても共同購入のカタログ価格よりも安くできない事情が長く続いたのです。
昨今では低価格訴求をウリにする生協店舗も出てきていますが、生協は組合員管理や商品の安全・安心を担保するための設備(商品検査センター)等、運営管理費率が通常のスーパーマーケットよりも高いのがネックとなり、利益(生協では剰余)が店では出せない体質にあるようです。
なので、安売りしたくともいろいろな事情があり、安くできないジレンマ。さらに差異化の柱だった安全・安心商品も今では普通にいろいろなスーパーで販売されている。
全国の地域生協が利用結集も連帯意識も減少しつつある状況の中、事業連合で大手に対抗しようと試みているようですが、ネックとなる運営経費の削減なしには大手のスーパーと価格で戦うのは至難。
以上のような背景があっての今回の新規出店。非常に興味がありました。バローの新店も同日でしたが、あえてコープあいち日進店を訪問した次第。
どう? 食彩賓館らしい選択だと思いませんか? ただの新店マニアではないのです宣言(笑)。
訪問の印象です。
「産直商品」が生協のウリだと思うんですが、「産直の定義」がイマイチ伝わってこない。
生協の産直は、農産物直売所のような物理的な産直(農家直送・直売)ではなく、意識の産直(生産者と消費者の連帯連携)だと思っています。
なので、そういった連帯・連携を感じるような商品・売場提案が必要ではないかと思います。
なんとなく評論家的な回りくどい言い方で申し訳ないのですが、そんな印象を受けました。
それと取引先の応援の方が売場内でたむろして私語をしているのを見ると、コープあいちの組合員として少し悲しくなりました。私の出資したお金はわずかですが、この店のネジ一個分くらいは貢献しているかもしれません。
出資者の一人として、どうしても「自分の店だ」という意識が不足しているのは、私自身の「利用と運営への参画」が足りないのかも知れません。
ただ、今後も組合員でいたいと思っています。生協は私たちの老後の生活まで見守ってくれると期待しているから。
一組合員としての意見です。
★購入商品
・組合員カードを忘れて「カード提示価格」で販売している商品を買えなかった。基、“利用”できなかった。
・当日、バローの48円を知っていて、あえてこちらで78円を購入した。
・東海コープ事業連合のPB小粒納豆は小杉さんトコが作っているんですね。
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※注意 笑い話のような解説ですが、コープ(CO-OP)とAコープは名前は良く似ていますがまったく違います。
・コープ=生活協同組合の略称
・Aコープ=農協の店舗の略称。現在は株式会社が多く混在するため生活協同組合「コープ」と一緒にくくるのは無理があります。
・農協系列ファーマーズマーケット=コープではありません。「直売所」としてくくっています。
また、メグリアはトヨタ生活協同組合のブランド名称で正式名称とは違います。
・トヨタ生協=トヨタ自動車の職域生協で愛知県最大の生協
・コープあいち=愛知県最大の市民生協(名古屋市民+みかわ市民生協)だが供給高(売上)は愛知県第二位。ホームページでは愛知県第一位と表示しているが、共同購入などの地域県民・市民に対する販売(宅配と店舗)のみが一位ということです。もっとも東海事業連合(愛知・三重・岐阜)としてとらえると地域第一位にはなりますが、愛知県第一位ではありません。
・愛知県には他に「あいち生協」という名称のNTT出身者の方々が立ち上げた生協もあります。間違いに注意しましょう。
●コープあいちに関する記事
・2008/11/22名古屋市相生山のサンユーとコープ
・2008/11/29めいきん生協コープ高蔵寺店
・2008/12/12めいきん生協で紀伊長島産直セール
・2010/09/13コープあいちNEWとよあけ店風景
・2010/10/08コープあいちとよあけ店オープン風景
・2012/10/04コープあいち日進店(part1)
・2012/10/16コープあいち日進店(part2)
・2012/11/09コープあいち日進店(part3)
・2012/11/20コープあいち日進店(part4)
・2012/11/23コープあいち日進店(part5)
・2012/11/28コープあいち日進店(part6)
・2012/11/28コープあいち日進店(part7)
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