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釣りと労働

002時事・意見, 趣味その他|2008/06/20 posted.

 6月20日(金)多治見フランテが開店しました。いつ行こうかと(笑)。21日、22日は混雑するだろうから、翌週にするか、もしくは平日に行くか。雰囲気を味わうなら開店から三日以内だし、しっかり買物や何をやっているかの確認だったら翌週以降だし。悩むところです。21日に起きたときの気分できめます。
 
 さて、先日のブログで山登りだとか鳥見が趣味だと書きましたが、実は釣りもやってました。
堤防釣りやテトラ釣りなどから、釣果を求めて渡船で磯とかだんだんエスカレート。そしてとうとう これだっ と思う釣りに出会いました。 イカダ・カセ釣りです。
 渡船店に予約を入れて、深夜発早朝着が基本ですが、私の妻の実家が海の側。ということで妻の実家へ行ったときが釣行日となります。
 私の好きなのは「カセ釣り」。真珠貝などの養殖しているイカダに釣り用の子船をつけてあり、渡船店さんがその子船(カセ)に渡してくれます。
最初は釣れません。あたりまえです。なぜ釣れなかったのかを考えます。
 1. 季節、天候、気温、潮目、風などの外的要因Photo_2
 2. エサ、コマセなどの魚の嗜好
 3. 誘い、あたりの見極めなど技術的な問題
妻の実家に帰るついでなので釣行は一人です。誰も知り合いがいないので教えてもらうこともできません。
 朝、日の出の時間の一番船に乗り、帰りは日没前の最終船で帰ります。その間、12時間、前後の準備・片付け・をあわせると15時間近く。これが、自宅からの釣行だとすると移動時間を合わせて20時間になります。
食事は義母の手作りのオニギリ。それを食べながら、えんえんと魚がエサを食べてくれるように、コマセの団子を握り、エサをとっかえひっかえしながら、竿先のわずかな変化に目を凝らします。
夏は暑い。灼熱です。イカダによっては屋根があったり、カセでは釣り用のテントや日傘を使ったりしますが、基本は炎天下でもくもくと釣りをします。
 これ、仕事だったら絶対に文句いいますね。炎天下で休憩なし。しかも釣果なし(笑)
釣れなくても一心に作業をもくもくと続けていると楽しいんです。しかも朝まずめや夕まずめの海の景色がすばらしい。
 通っているうちにコツがつかめて来ます。船頭さんや他の常連の方たちからも教えてもらえます。
ある日、朝から貧釣果。そろそろ迎えの船も来そうな時間帯。最後の誘いとばかりに穂先を見つめていると、かすかに先端が震えています。心臓がドキドキしているのが聞こえます。スッと穂先が沈んだのを見て、思いっきり竿を立てました。竿に重量感が残ります。思い切ってリールを巻きます。ある程度巻くと、今度は魚との格闘。
竿の長さは1.5メートル。この短い竿を上手に操りながら、40~50センチの黒鯛とのやり取り。快感です。
 とうとう大物を上げました。スカリに獲物を入れて、迎えの渡船に乗り込む。今日は厳しい釣果のため同船の人たちに獲物はありません。私の獲物達に視線が集中。照れるのとちょっと嬉しいのと複雑な気分ですが、かなりハイになってます。でもここは大人。「いつもこの位のサイズはあたりまえに釣っているよ~」ってな顔をできるだけします。
同船の方から「いいサイズだね。エサは?。アタリは?」とか聞かれます。
「いゃあ マグレですよ」(真実)とか言いながら、「(アケミの)丸貝で・・・」とか一丁前に説明します。
船頭さんに名前をきかれます。
 私「△△です」。船頭さん「フルネームで」。 私「?」
 翌日、スポーツ新聞を見て理由がわかりました。
釣欄に「●●の△△□□さんがどこどこ渡船のカセでアケミ丸貝のエサ。○○cmから◆◆cmの黒鯛を×匹の釣果」
 さて、そうなると渡船店の待遇も変わります。船頭さんから名前で呼ばれるようになります。そしてなぜか良く釣れるようになります。そこで知ります。場所のこともあるんだな、と。
新聞に釣果が出ると集客できます。釣りそうな人に良いポジションを与えれば釣果が上がる確率も高まり、より宣伝効果がでます。まあ、この場所のことは私の勝手な思い込みですが。

 釣りというのは本当にスーパーマーケットの仕事と似ています。
 1. 【天候・潮】天候、気温、地域の行事等の調査と予想
 2. 【エサ・コマセ手配】お客が何を求めているか。ライフスタイル把握。
 3. 【釣果情報確認】過去のPOS・CMR分析等、他店・業界情報把握
 4. 【釣場・エサ選択】重点売場・重点商品選定
 4. 【コマセ・誘い】集客目玉商品。装飾・試食・演出。
 5. 【魚とのやりとり】対面接客
 6. 【無事タモ入れ】レジ通過
 7. 【釣果】売上
 8. 【釣果の良かった人へ聞く】競合店調査、セールのPOS・CMR分析

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 さて、寸暇を惜しまず、努力した結果、釣果が上がるようになりました。
こんな努力を毎回続けられるのは、趣味だからです。仕事で毎日、こんな生活(20時間拘束)していたら体が持ちません。
 でも流通業の仕事って朝早くて、夜遅い。休憩時間もろくにとらずに休みでも店に顔出す。根性がないと長続きしません。「オレの若いころは」って言い方で長時間労働や休日出勤を奨励したり評価したりしていると大変なことになります。趣味には法律が適用されませんが、仕事には法律が適用されます。
 体や心を壊して「あいつが弱いから」とかいう経営者や管理職の言い訳は通用しないと思います。
 私の店長時代は残業時間の目標が20時間/月でした。
これだと、朝8時に来ると18時に帰ってもぎりぎりです。カギ当番とかしていたら20時間を超えてしまいます。
こんな環境で早出・残業時間を短縮するには現場の力だけでは無理があります。
月間・週間・日々の作業のスケジュール化と平準化。パート・アルバイトの多能職化。販促スケジュールの見直し。その他いろいろなことをバックアップしないと「根性と法律違反」の体質がある(かもしれない)企業はなかなか。
 なんて思っていたらチェーンストアエイジで渥美先生が労働問題を語っておられたので、そりゃそうだけど、じゃあどうしたらいいのって思っている経営者や店長の方が多いでしょうね。
 そういえば、ベルクさんは休日出勤とか多