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ご意見承り

流通業界・用語|2008/07/05 posted.

  さて、静岡方面への出張も終え、家にたどり着きました。
 アオキさんの函南店、沼津、富士とまわって、修善寺方面へも。ライフワークの醤油もたくさんゲットできました。しずてつさんの新店も沼津駅前、興津、駒形と回ってきました。
詳しいレポートはまた別の機会に。今回は仕事なので、訪問コメントは控えさせていただきます。
 
 私は店舗を訪問して売場や商品を見て、買物をして、そして出入り口の「お客様のご意見」の掲示を見ます。
このご意見の内容でこのお店を利用している人のことも、店長(もしくは店長に回答を書く仕事を押し付けられている副店長)の人格さえ見えてくることがあります。
 私は店長時代にこの仕事(お客様のご意見を承る)が苦手でした。いや。はっきり言うとイヤでした。
10件に1~2件位は「これは気付かなかった。ありがとう」ということもありますが、大体が「あのレジの○○が・・・」とか「専門店の□□が・・・」という接客のことが多い。あと店では解決が難しい「設備」「駐車場」「騒音」「異臭」なんかの問題。特にご近所からの苦情には丁寧に対応しないと後が大変。本部に改善を言ってもなしのつぶて。
最初のうちは「おおっ。これはありがたいご意見。さっそく、すぐに対応しないと」とか思っているけど、そのうち、
「大変申し訳けございません。担当には厳重に注意して・・・。再発防止ののために・・・。教育を徹底して・・・。ご意見ありがとうございました」とか言葉だけの反省分を書くようになってしまう。
私は、以前、話題になった「生協のなんとかさん」とか「Jの誰々さん」とかのようにお客様からの要望に対して、真摯に、あるいはユーモアたっぷりの余裕のある受け答えができない未熟者の店長でした。
 企業によってはハガキで直接、本部に出す「ご意見カード」もあったりします。その回答を書く本部の方も大変です。見ず知らずのアルバイトやパートさんに対するクレームに対して、わが事のようにお詫びしなければならない。本当に同情します。
 中には「サービスカウンターの××が生意気」とか「惣菜の△△チーフがパートさんを叱っているのでかわいそうだ」とか、内部告発(推定)もあったりします。
 私は立派な人格者でも真摯な人柄の持ち主でもないのですが、真面目で几帳面な「損」な性格も持ち合わせているので、ご意見に対して、全部解決しようと努力してました。
「ああ、これは無理だから適当に答えておこう」とか「これはできそうだからやってみるか」とか使い分けが出来ないタイプ。
そりゃ疲れました。しかも接客苦情が2回上がったレジ担当は配置換えが義務付けられていたので、そんな時は大変でした。辞めていった人もいました。みんな自分が正しいと思って生きているので、他人からのクレームを受け止めれない人にとっては辛いですよね。
 意見カードは一定期間掲示されたあと、本部にまわり、幹部に呼び出されたり、部下の配置換えを指示されたりします。厳しいご意見が出て喜んでいるのは「お客様の生の声」と思い込んでいる幹部だけかも・・・。

 それで、私の意見ですが、不届き者のいるお店には二度と行かないのが一番。わざわざ教えてあげる必要はありません。
あなた(投書者)が気付く位だからお店の人は、とっくに気付いています。それなのに不具合を解決せずにいるだけです。
でも、その店でどうしても買物しなければいけないのだったら、そっと優しく教えてあげてください。
「私だけかも知れませんが、これこれこういうことが気になっています。返事とかはいりませんがこの店が大好きなので・・・」とかね。
あと、「私はこうした方がいいと思うけど、いろいろと事情があるんでしょうね」とか。
たぶん、懇切丁寧な返事と対応をしてくれるハズです。

 店舗を訪問した時に汚い言葉で書かれた意見カードが掲示されています。氏名なんかは伏字にしてある場合が多いのですが、汚い言葉も伏字にした方がいいと思います。
他人事ながらあんまりひどい意見には「私はこの店のファンです。あなたのような人に、私の大好きなこの店に来て欲しくないです」とか、「レジの○○さんの接客のクレームが掲示されていますが、私は○○さんから大変親切にされたことがあります」とか書いて意見箱に入れたいと思うときがあります。
 幹部のみなさん。ご意見箱は私のような不届き者が投函しているかも知れませんのであんまり店長をいじめないでください。