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夏がくればおもいだす

流通業界・用語|2008/08/04 posted.

 「店長。お客様がお呼びです」
「なんだ。いつものあの方かな?」とか思いながら、カウンターへ行くと、なにやら偉そうな方(大会社の管理職タイプ)。
 「○○だが」と役職を名乗られました。
 (「うへ~。社外取締役」)と露骨にとまどった顔をしてしまいました。
 「ちょっといいか」と私を冷蔵ケースの前へ。
「この管理表(冷蔵庫の温度チェック表)には『基準0℃~5℃』となっているが、実際の温度表示は7℃になっているぞ」
 さらに冷凍ケースの前に移動。
「こっちは『基準マイナス18℃以下』だけど表示はマイナス15℃。こういう管理はだれの役割になっているんだ?」

 温度管理表。どこのスーパーにもあると思います。
「この冷蔵庫の温度は○℃から□℃」という表示と一緒に、午前・午後のチェック表。
管理表の責任者の写真は、たまたまチーフの写真がなかったので、私の写真が貼ってあります。
冷や汗たらしながら、教えていただいたお礼と対策をすぐにすることを約束しました。
その人は店の近所にお住まいで、今日、たまたま買物に。
しかも社外取締役に就かれたばかりだったので、私は顔を知りませんでした。

 さっそく、保全担当に電話して、チェックしてもらいました。
「店長。勤続疲労ですよ。店長と一緒」という笑えない冗談をいいながら大汗かきながら屋上から降りてきました。
私のいた店舗は地下が駐車場、一階が食品、二階が衣料(改装後書籍とCD/DVDショップ)の縦型SSM。
コンプレッサー等の設備は屋上にあります。
来年、改装を控えているため、コンプレッサー等はその時に一緒に更新予定です。
特に、その時は損益改善作戦実施中で、なんとか黒字ギリギリまで回復していました。
余分な経費は減価償却といえども、かけたくはありません。
・私「なんとかならんかね」
・保全担当(以下「保」)「難しいですが、大事に使えばなんとかなるかもしれませんよ。
・私「どうすればいい?」
・保「さっきもやってみたんですが、水で冷却するとなんとか機能が回復するようです。明日から昼前と夕方前に水で冷却してもらえませんか」
・私「なんでもするよ」
 ということで、コンプレッサーに直射日光があたらないように大きなよしずをかけて、さらに打ち水を毎日2回、花壇の花に、いいえ屋上のコンプレッサーに。
水をコンプちゃんが嬉しそうに唸り声をあげるんです。(私の頭も暑さで唸ってますが)。
いゃあ本当に屋上は熱い暑い。これじゃあ機械もたまったもんじゃないです。
こんな荒業は本当は良くないかもしれませんが、来年には改装で機械類を全部交換する予定。なんとか今年だけ乗り切れば。それだけの想いで、毎日散水していました。
 
 そんなことがあってから、売場・バックヤードの「温度管理表」の責任者をチーフから私に変更して、一日2回、全店くまなく直接チェックするようにしました。
そうすると「いつも定温のケース」と「常に温度が変動しているケース」があることに気づきました。
定温ケースのセンサーを調べると・・・凍っていました。常に低温で定温(笑)
温度が変動するケースはコンプレッサーの不調。
こまめに霜取りしたり、手入れをすることにより、なんとかケース温度も商品の品温も基準内に収まっています。

 夏が来るたびに、屋上で散水したことを思い出します。
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Photo  「大きな冷ケース温度計表示」を見たことがあります。
大きく表示されていてわかりやすいですね。
「dfと表示されている時は霜取り」とかも書いてありました。
私のいた店舗にも、冷蔵庫や冷凍庫が異常に温度があがると警報装置が鳴る仕組みがありましたが、基準外になった場合もランプや音声で知らせてくれる仕組みがあると便利なんですが。
今はもう導入されているのかな。
 これからは「見える化」だけでなく「見えて、聞こえる化」ですね(笑)