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パートさんが作った売場

流通業界・用語|2008/08/07 posted.

 雑貨の担当をしているパートさんに「『お掃除』というテーマで売場を作ってみないか?」と個人ミーティングの時に提案しました。
ミーティングをしているといろいろと売場のこととか面白い意見を出してくれる人です。
その方には「自分が使ってみて良いと思った商品で売場を作ってほしい」とリクエストしました。
 彼女の提案で感心したのは「ゴム手袋のお試し品を出したい」。
「この手袋が一番、手にフィットして使いやすい。だから使いやすさを知ってもらいたい」
POPでもなく手袋の見本。ロス1個ですが、私はある企業で同じことをしているのを見たことがあったのですぐに賛成しました。
 掃除という日常を一番知っているのは家庭の主婦。家事を手伝うお父さんが増えたといっても、トイレ掃除用の使いやすい関連品をスラスラと出せるお父さんは少ないと思います。
 パートさんの提案売場を増やしていきました。「洗濯」「台所用品」「洗面所」「トイレ」。
小さなSM店では加工食品のチーフが雑貨もついでに担当していることが多いと思います。
雑貨売場は今週のチラシ商品と先週のチラシ商品の残を積んだだけの売場になっていることが多い。
チーフが手の回らないところをパートさんにやってもらいました。
売り上げはちょっと伸びただけでしたが、パートさんもチーフも喜んでいました。
お客さんにパートさんの工夫がわかってもらったかどうかは不明です。
 その後、個人ミーティングで活発な意見がでるようになりました。
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 これは私が店長時代、今から五年前の話です。
当時は良いことだと思っていたのですが、今から思うとちょっとまずいかなと。
あくまでも売場の主役は売れ筋商品で、関連商品は「プラス一品の売上期待」もしくは「関連品をつかうことによってより便利になったり、より豊かな気分になれる」。
刺身を例にすると「もう一品」は醤油だったり、大葉、大生姜、練ワサビ。
「より豊かに」は生ワサビだったり、長次郎の鮫皮おろしだったり。
 私の失敗はコーナー全体を見ずに、「パートさんが生活提案をする」という自己満足売場だったようです。
 ●なぜそこにその商品があるのか。
 ●なぜそこにそのコーナーが必要なのか。
ということを考えずに「生活提案」売場を作ってしまった。

 一生懸命やっていると全体が見えなくなる。全体ばかり見ていると現実が見えなくなる。難しいもんですね。