食彩品館.jp

食の本「食繁盛店からトレンドを読む」「ローカル魚で絶品ごはん」「日本のかくれ味」

04商品購入・説明, 書籍|2008/09/25 posted.

 今日は、食に関する本の話。
業界向けの本を読むのは学生時代の教科書とか専門書を読む感じに似ています。
「言っていることは理解できるが、現実に即したものじゃないので即効性がない」
もしくは
「書いていることが哲学すぎて(あるいは数学すぎて)理解できない」(笑)
勉強になるのになかなか最後まで読めないのがA先生の本。
実際に講義を聴くだけでは理解できないけど、本とあわせて読むとようやく理解できるS先生の本。
いろいろと読んだ中には途中で放り出したものから、10年位たってから読み直して、ようやく理解できたものまでさまざまです。
 
 今日、紹介する本は2005年に購入して、パラパラと数ページめくって、そのまま書庫の在庫となっていた、
●食繁盛店からトレンドを読む  おおやかずこ著
 当時、話題となっていた「YB」「Yコー」の惣菜のことが書かれていたので購入したのですが、そこのところだけ読んだだけで後は読まずに書庫の中に埋没。
書庫の整理の時にひさびさに見つけて読み直しました。
数年前の本なのでトレンドではなくなってしまったコトや店も紹介してますが、この方の主張は「価格よりも味での差異化」。それに取り組んでいる企業やその取り組み方を紹介されています。
この味の評価というのは難しいですね。人が美味しいと思っても自分で食べたら「そうかな~」と思うし。前回よりも美味しいと感じたり、前回よりも味が落ちたと感じたり。
そういうことをMD研究とかで他社の商品と食べ比べを定期的にやっている時に思っていました。

 いくら「冷めても美味しいように」とか「食べる時間に合わせた調理」とか言われてもねぇ。
やっぱりスーパーで購入するおかずや弁当に多くの期待を持つ事が無理かも、ですね。
で、「どこどこの専門店は」という話になるのですが。ちょっとお金を余分に出さなければ買えなかったり、遠くまでいかないといけなかったり。

 スーパーの味は「繰り返して食べても飽きのこない薄味」が基本で、名古屋のように味の濃いものを好む地区で、スーパーの惣菜が関東のスーパーほど評価されず、売れないのも、このためだと思います。勝手な思い込みですが。
また、惣菜の構成比が「○○%もある」という店舗を訪問しても、「ちょっと他部門が弱いだけじゃないの?疑惑」を感じたりします。
 えらそうなことを言うのが私の本意ではありませんが、惣菜は「食べてみないとわからない」し、「たまたまその日に、その惣菜を食べた評価ですべては語れない」と思います。
だから、店によって、担当者間で技術力の差があるスーパーが「味だけで勝負」をアピールして商売するのは大変危険だなあと思うんです。価格は目に見えますからね。味は見えない
美味しいと感じるのが自分だから。自分が勝手に美味しいと思い込めば美味しいし、飽きたらくどく感じるし。
 と書きながらも、「目に見えないからこそ味での差異化が必要なんじゃないか」という声が聞こえてきそうですね。そういう意味で、高いレベルでの味の均一化をしているYBなんかすごいなと思います。
運営・商品その他の均一化をしているライフとかサミットさんも偉いなあ。
やっぱスーパーの惣菜は「そこそこ(の味)」「ほどほど(な価格)」を目指すべきだと思います。どこへ行っても「そこそこ」「ほどほど」ってめちゃくちゃ難しいんですけどね。本当は。

 ごめんなさい。スーパーの惣菜の味にこだわって仕事している方。私が言いたいのは「どこの店に行ってもすばらしい味を提供できる惣菜売場」を目指して努力している方たちのことではなく、「老舗専門店や料亭のような手間隙かけた惣菜を日常どこでも購入できるようにするのは無理があるんじゃないか」ということなんです。

 うまくまとめることができませんでした。また機会があれば語りたいと思います。

●ローカル魚で絶品ごはん 上村一真 (著)
 紹介したかったのはアマゾンの「中身がちょっとだけ見れる機能」。
いいですねぇ。本屋ヘ行かなくても立ち読みできて、私のようにインターネットで同じ本を頼む失敗をしなくて済みます。
 閑話休題。
この本の良いところは掲載されている料理の写真が「創った写真ではない」こと。
かえって、現地の雰囲気が良く伝わります。
逆に、現地の案内人を同行しての取材記事は「御用記事」みたいであんまり好きではありません。
現地の人の話を聞いて、推薦された食堂にたまたま行ったら地魚のおいしいのを食べることが出来た」という記事は好感がもてます。
 こういう題名の本は何を取り上げるかが難しいですね。
一年に一回お目にかかれるかどうかの貴重品なんかだとダメだし、テレビや雑誌で何回も取り上げられたものでもダメだし。目次を見ると著者が苦労しているのが良くわかります。フグと蟹が多い。

●日本のかくれ味 向笠 千恵子(著)
 お金持ちはいろいろなところへ行けたり、高い商品をおとり寄せできたりしていいなあ。
が私の感想。
著者の食に対するこだわりは立派です。
勉強になりました。お金があって美味しいものならどんなことしてでも食べてみたいという人向き。いくつかためしにおとり寄せしましたが、試食した全員が美味しいとうなった商品が一つありました。どれかはナイショ(笑) 



*************************************************