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石窯パン工房 POUSSE プース(愛知県岡崎市)で立派な仕事を見て嬉しくなった話。 「安全・安心」の表現について

 「安全・安心」の表現についての受け止め方は、個々人の考え方・知識によりさまざま。
たとえば、食彩賓館は「オーガニック」「有機栽培」という言葉には不安を感じます。きちんと認定を受けているのか、通常慣行栽培の商品との作業場や保管場所の区別・区分はできているのか。そんな余計な心配をしてしまうから。
さらに「無農薬」「減・低農薬」「無添加」と表現されると「大丈夫かなあ」と心配してしまう。
知っていて、あえて表示しているならともかく、「オイラ使ってないから“無”」では困るのです。
「安全・安心」をウリにする店舗では良く見かけますし、消費者も心地よい響きの言葉を好む傾向にあります。特に、少し高等教育を受けた可処分所得の多そうな人に多い(笑)
それはともかく、横文字を多く使い、さらには心地よい言葉「オーガニック・有機」や「マクロビオティック」、「自然派」「無添加」「健康」という表現を見ると、まずは身構えてしまうのです。

 さて、こちらのパン屋さん。印象的には身構えそうなイメージで店頭も見栄えの良い商品が並ぶ、食彩賓館としては「苦手なタイプ」と勝手に想像していました。ところが、店内の商品に表示されているPOPコメントが具体的で買う立場の人が知りたい情報がきちんと伝えられているのを見て少しリラックス。さらに商品とコメントを見比べながらどれを選ぼうかと迷うほど、美味しそうな商品が並んでいる。スーパーでいうところの「死に筋」がないのです。各商品の存在感が、商品自体の素晴らしさとそれを紹介する補足説明コメントによってすべてが輝いています。

 こりゃ立派だなあ。そんな印象でした。
そして帰宅後、さっそくホームページをチェックしたところ、さらに感心してしまったのです。
たとえば、「安全・安心」のアピールよりも「何を使っているのか」「何を使っていないのか」「どうして使うのか」「なぜ使わないのか」をきっちりと明示しています。

 食彩賓館はいつも言います。
「無」ではなく、「何を使い、何を使わないのか」を明示。
「どこまでがオーガニックや有機栽培で、どの商品が慣行栽培なのか」を明示。
「何(産地・品種)を使っているのか。なぜそれを使っているか」を表示。

 このパン屋さんではそういった利用する側の知りたいことがきっちりと明示されている上で、その商品を食べる時にさらに美味しく感じるための予備知識をPOPコメントでさりげなく教えてくれています。
「売るためのコメント」ではなく「食べる時にそれを知ってもらうと、より美味しく感じるようなコメント」なんです。

 こういった仕事を見ると嬉しくなるなあ。ありがとうございます。パンも美味しくいただきました。

石窯パン工房 POUSSE プース
愛知県岡崎市牧御堂町水洗50-2
℡0564-59-4551
営業時間10:00~19:00
定休日 火曜日
20120819

以下、ホームページより勝手に抜粋。

“POUSSE” 発酵してパンがふくらむこと。
国産小麦を石臼で自家製粉。手ごねと機械ごねで国産小麦のグルテンの弱さをカバー。
地元産の食材を優先使用。卵・バター・牛乳・砂糖はできるだけ使用しない。
以下、素材。
・小麦:国産小麦100%
(北海道・三重・岐阜・安城市産)
品種 「春よこい、ホクシン、農林61号、タマイズミ、ニシノカオリ」
・ライ麦:オーガニック(カナダ)
・塩:天日塩(沖縄)
・砂糖:粗糖(鹿児島)
・バター・牛乳・生クリーム:タカナシ乳業の無添加
・ドライフルーツ:オーガニック・低農薬(原文ママ)
・卵:自然卵(渥美)
酵母は「小麦酵母」「レーズン酵母」「ライ麦酵母」「季節のフルーツ酵母」「酒種酵母」

●購入商品
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