ちょっとした理由でギターを演奏する機会があったので大事にケースに入れて書庫に保管してあったギターを久々に手に取る。ところどころキズや塗装のはがれがあるものの、ツヤもあってなかなか状態が良いのです。
購入以来、35年ほど経過してますが、32年ほどケースにいれたまま倉庫に放置。いや、大事に保管([E:happy01])。
購入したのは1979~1980年頃だったと思います。京都の烏丸御池あたりにあった楽器店で中古で購入。ハードケース付で1万円でした。当時の私の下宿は
共同トイレ・風呂なしで1ヶ月1万円の京都市内では最低価格の木造アパート。家賃と同額だったということで、当時の価値を推測していただきたい。仕送りは
家賃込みで月5万円。それだけでは不足してアルバイトもしていました。1万円の買物に相当、迷いました。
そのギターを購入した後、古い真空管ギターアンプをこれまた中古で購入していたのですが、雑音がひどくて残念ながら10年前に家を建替えたときに処分してしまったのです。もったいないことをしました。
今回、久々にギターを使うことになったので音を出そうと、イオンの楽器店で小さなアンプを購入。持ち帰ってプラグを差し込んだが音が出ない。
ということで、リペアショップに持ち込んだところ、そのショップで偶然、当方と同系のギターを発見。ショップの方の記念品なので販売はしていないという。
その店で、最近、70年代に製造された日本製のギターが見直されているという話を聞いたのです。
私の若い頃はフェンダーやギブソン、マーチンは高嶺の花。そして価格のことよりも、ヘタなヤツが高いギターを持っているとなんとも様にならないという思いもあり、それなりの年齢になって大人買いができるようになっても、なかなか高いギターは購入できないでいたのです。
よって、リペアの相談をしながら店の方とアレコレ話をしていたら、なんとギターから音がでました。ギター側のプラグの部分が汚れていたのが原因。
その他ネックも含めて全体に状態も良いのでリペアの必要はないということでした。さすが32年間寝かせてあっただけあります([E:coldsweats01])。
当方の鑑定ではどうみても安物ギターで音もそれなり、塗装が薄いので木材の杢目は染みにしか見えない。中古で1万円だったので、元の価格もそれなりでしょうと勝手に推測。
今回、演奏を一緒する仲間はギブソン、フェンダーUSA、マーチンにオベーションと(当方にとって)高額ギターを持っている。でも、そろそろ車を代えようと思っている私が、妻に「数十万円のギター買っていい?」とは聞けない([E:coldsweats01])。
とはいえ、それなりの音は出したい。
ここは一発、ピックアップやその他パーツをUSAに変更したりして見た目と音をグレードアップさせるかと計画。釣竿も漆を重ね塗りして自分の好みに作ったり、工作も好きだし、ギターを自分で改造してみるのも一興かと([E:happy01])。
でも、その前に自分の持っているギターのルーツを探りたくなりました。
週末の二日間を使って、ネットにアップされていた情報をアレコレさぐり、さらにグレコのカタログで1970年から1980年代までのすべてのSAシリーズを調査した結果、私の持っているグレコの正体がほぼ判明。
●グレコSA700R
1974年製造
(数々のデータから推測)
富士弦楽器製造
定価70,000円(1974年当時)
•通称“グネコ ”ロゴ
(1971ー1974バージョン)
•メイプルアーチド トップ
(後期SA700はホワイトシカモア)
•ラウンドウッド内蔵
•エボニー指板
•メイプルネック
•ディバイドポジション
•グレコMH802系糸巻
•カタログには「セミアコ」となっているが実際はセンターウッドが内蔵されていないSA700R初期の「フルアコ構造」。1975年より335タイプのボディ構造。
•ストップテールピースタイプ
•Uー1000ピックアップ
・ケースSACー55
決めては筆記体から少しゴシック調になった通称「グネコロゴ(grecoの“r”が“n”に見えるロゴ)」。この字体が採用されていたのが1971年~1974年で、SAシリーズの発売が1974年から。よって1974年製と推測。
また、SA500とSA700の違いは初期バージョンに採用されていたネックの「ディバイドポジション(ブロックが分割しているタイプ)」マークで判断。SA500はブロックタイプ(SA700は数年後、ブロックタイプに変更されていくのですが)。
そ
して、ボデイ構造についても、1974年製造分はセミアコ(ギブソンES335のようなセンターブロック入り)ではなく、ラウンドウッドが内臓された「フ
ルアコ」だったこともわかりました(カタログには当初から「セミアコ」と表示されていて、1975年からは「335タイプと表示」)。
1万円の中古ギターの正体がわかってホッとするとともに、たかが「グレコ」となめていた当方の勉強不足に恥じ入るばかり。
当時1万円で購入した中古ギターの定価が7万円だったというのも驚きだが、“グネコ”ロゴとか、相当、マニア受けしそうなギターであることがわかり、なんとなく改造するよりもこのまま大事に使うほうがいいのかもと思い始めたのです。
とはいえ、ネジの欠損や一部パーツの腐食など、使うのに不具合のあるものは交換して、飾るギターではなく使い続けるギターにしたいと思っています。
とりあえず、当時のグレコ関係者の方にお詫びしたい。
「製造された方々の努力の結晶をブランド名だけで“安物”と思い込んでいたこと、大変申し訳なく思います。これからも大切に使わせていただきます」。
ちなみに、今、持っているアコースティックギターはちょっと前に、これまた中古で購入した中国製です([E:wink])。いかにも安っぽい外見ながら良い音で響きます。
高額ギターの音には到底かなわないけど、なかなか気に入ってます。こちらも大事にしたいと思っています。
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