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「洪庵のたいまつ」から3年。子供の旅立ちに想うこと【大学進学編】

002時事・意見|2014/04/07 posted.

 高校を卒業し大学に進学する。ただの通過点とはいえ、人生にとって大きな変化点です。誰もが少しでも自分の将来にとってより良い大学を目指すのは当然の
こと。自分には縁のなかった難関国立大学を目指すことになってしまった我が子の受験。本人は至って冷静で浮かれた様子も落ち込む様子も見せないのがスゴイと言えばスゴイのですが・・・。親としてはねぇ([E:coldsweats01])
 食彩賓館は4年間、下宿生活をしていました。4畳半、風呂なし、共同トイレ、陽はあたらないし([E:coldsweats01])。銭湯が遠くて大変でした。
でも、楽しい4年間。人生の中でも一番、楽しかった時期です。学歴とか将来のためということではなく、この人生の中の最も楽しい時期を子供達にも共有してほしくて、上の娘も短大ではなく、4年制の大学へ進学してもらいました。
 3年前に娘が進学する時には「勉強よりも大事なものがある。楽しく過ごすことを第一義に、有意義な学生生活を送りなさい」と諭しました。
有意義かどうかはともかく、フランスやらなんやら国内外へ出かけて楽しく学生生活を送っているようです。お金はかかりますが([E:confident])
 で、今回の下の子供の進学については別の言葉をかけました。
「4年間、しっかり勉強して大学院へ進学しなさい」とさらなる飛躍を誓わせました。
今まで子供に「勉強しなさい」と言ったことはありませんでした。大学進学先が決定して、初めて「勉強しなさい」と伝えたのです。
 
受験テクニックなんぞで入学しても先は知れている。それよりも高校ではしっかりとした基礎学力を身につけることを期待していました。なので、学習塾や予備校に無理に行かせようとはしませんでしたが、その期待に答えてくれて、センター試験の成績で基礎学力が高いことを証明してくれました。
なので大学進学にあたり、さらなる飛躍のため、「4年間、しっかりと勉強する」と男同士で約束したのです。
 
そうなると、しっかり勉強できる環境が必要です。私が下宿していて困ったのは「食べること」につきます。最近は食事時間や門限に束縛されることを嫌がる学生が多いと聞きます(昔もそうでしたが)。あえて、いろいろと規制が多いところを下宿先に選びました。朝・夕の食事がつき、日曜・祝日も2食出してくれます。食べなくてもお金を支払うということで欠食を防止。
「勉強するために大学に来たのだから勉強ができる環境作りをしています」という話を伺い、その考え方や学生への接し方等、大変、感銘を受け、お世話になることを本人、家人、私の三人で合意・納得・了承して決めました。
また、同学の優秀な先輩もいるということで、いろいろとアドバイスしていただけるというありがたい申し出もあり、感謝しながら契約書を提出させていただきました。
 「あなたの進学する大学は最初の一年間の勉強がとても大事だよ」とお世話になる方に教えていただきました。合わせて、猛烈に勉強しなくとも、大学の勉強をコツコツと真面目にしていれば、3年で大学院進学の認定をいただける人もいるという話も伺いました。
「だから生活に慣れるまではアルバイトはしない方が良いです」とまで言っていただけました。
 私にとって、学生時代のアルバイト・・・力仕事や職人の方々の世界を体験したり、会社組織の中で下働きをして社会の仕組みの一部を垣間見ること・・・が大変勉強になり、その後の社会生活の中で大変役にたっていると今でも思っています。
また、マージャン等の娯楽、そして飲み会等、友人・知人との関わり合いからもいろいろなことを学びました。
その代わり、大学生活で一番大事なことを怠りました。
 「勉強」です。学生の本分。
 先輩から講義に出なくても単位をくれるセンセイを教えてもらったり、真面目な学生が講義の内容を書き写したノートのコピーを有料で購入してテストを受けたり。
ゼミや語学等、出席が必須のもの以外、ほとんど授業に出ないで単位を取りました。
もっとも、大学で勉強したことに関連した仕事についていないので、勉強しなかったことがすべてマイナスになっているとは思えないのですが、今から考えると「もったいないことをした」と反省しています。

 幸いなことに子供は私の言うことを素直に同意してくれているようです。今まで「高校生とはいえ、もう大人と同じなんだから本人の好きなようにさせなさい」と家人を諌めてきたのに、突然「勉強しなさい」と言い出したのでびっくりしていることでしょう。

 高校進学の時に「洪庵のたいまつ」というブログ記事を書きました。それから3年、私が見るところ、松明(たいまつ)は相当、大きく太くなっていると親バカながら思っています。
私の細くて短い松明はもうそろそろ燃えつきてなくなりそうですが、子供の松明がこれからの4年間で大きく太く、しっかりとした松明に育つまで、ひっそりと種火を絶やさないようにしたいと思っています。

 一番、私に似合わない言葉だが、あえて言う。

 「ガンバレ

そして世の人のための松明となり、“一隅を照らす”ことができる人となるよう努力しなさい。

 この記事は4年後に続きます。