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食品スーパー(愛知県瀬戸市)の製造した弁当で33人が食中毒事故【食彩品館新シリーズ“気になるニュースと食彩品館.jp記事”】

①症状発生 10月19日
②共通食   昼食弁当を食べた人が発症しているが原因食材は調査中
③製造場所 食品スーパーマーケット(愛知県瀬戸市)
④発症者  小学校で行われた地区の体育祭の参加者。喫食77人のうち、6歳から81歳までの男女33人が食中毒症状。
⑤処分    10月20日より再発防止策がとられるまで営業禁止
(日テレ、CBC、産経ニュースからそれぞれ抜粋)

このニュースのポイントとしては「営業禁止」処分になっていること。
食中毒事故の処分(罰則ではなく、再発防止対策により安全が担保されたと判断される期間)は期間が明確な「営業停止」処分が多い。
この場合、処分といっても罰則ではなく、あくまでも再発の危険性が排除され、安全が担保されるまでの期間を保健所が判断して営業停止期間が決定される。
よって、今回の処分である「営業禁止」処分は保健所から見て再発防止対策完了の期間が不明であるとの判断が下されたと想像。

普段から危険リスク対応を想定している企業ならば、保健所から「食中毒の疑いがある」という連絡を受けると、即刻、同原因による再発防止のために自主営業停止を決定する。そして従業員の健康状況や保管食材の確認、入荷から製造~配送までの商品管理の再確認。そして原料由来の原因を想定して商品調達部署・品質管理部署と連携し取引先や関係先への連絡・調整を済ませておき、ある程度の原因調査と対策案を想定、あるいは実行している状況で保健所の立ち入りを向かえる準備をしておく。
もちろん、発症者へのお詫びや補償等も含めて組織としての対応が必要。
つまり、安全対策の完了がおおよそ“ 見えている”ことが肝要。
その後、保健所の立ち入り検査があった後に、日数の決まっている「営業停止」処分が下されるというのが多くのパターンだが、今回はいきなり「営業禁止」処分、すなわち再発防止対策が実行され、安全が担保されると保健所が判断するまでは営業が再開できない。

スーパーマーケットの惣菜売場は一部を除き、大量調理施設衛生管理マニュアルで運営する大規模な施設と比べると衛生管理意識が不足しているという印象を持っています。
材料入荷検品時の温度チェック、魚類・肉類・タマゴ等の区別保管、調理前・調理中の手洗いや使い捨て手袋の工程毎交換、内部加熱温度記録、清掃・消毒記録、原材料と完成調理品の分別、配送車の温度管理。そして調理完成後の二時間以内喫食(これはスーパーマーケットでは不可能か)等々。
「不足している」と言うのは理由があります。スーパーマーケットの多くは売場から作業場が見えるような造りになっていることが多いので大量調理施設衛生管理マニュアルで運営している施設との違いがしっかりと比較できます。

おそらく、対策案は原料の入荷から保管、製造に至るまでの温度管理や調理器具等の清掃消毒、従業員と家族の体調管理の方法や適温管理のできる配送車の確保などスーパーマーケットにとっては難しい対策が必要になってくると思われます。

まさしく他山の石。皆様、ご自愛の程。

ちなみに同スーパーマーケットは瀬戸保健所管内におけるリスク管理優秀店(平成26年7月30日現在)24施設には入っていない模様。瀬戸市保健所 

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◇食中毒事件・事故
平成9年の堺市の集団食中毒の概要と対策(外部HP)

・学校給食による病原性大腸菌O157の罹患が確実であると判断された患
者数は、市内居住者では、多発校学童・教職員7,936名、その家族1,180名、一般市民376名、また市外居住者でも、学童3名、教職員27名、一般市民1名合計31名存在し、市内外居住者の患者総数は、9,523名

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