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世界農業遺産茶草場農法の実践地を訪ねる。その1.千框(せんがまち:静岡県菊川市)の棚田を眺め、次世代に継承すべき伝統的な農業の「システム」について思いを馳せる

この記事の続きとして
・世界農業遺産茶草場(ちゃくさば)農法の実践地を訪ねる。その2.伝統農法が普通に継承されていることの不思議について思いを馳せる
 が、あります。
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 菊川市(きくがわ)は、掛川市、 御前崎市、 島田市、 牧之原市に隣接し、静岡県の東遠地域に位置する人口4万6千人の市です。
たまたま富士山静岡空港(牧之原市・島田市)に所要があり、せっかくなので茶草場を見ておこうと菊川市を通過する時に寄り道。

 まずは名所から。
1999年に静岡県の「棚田等十選」に選定されているだけでなく、貴重な静岡県の絶滅危惧種Ⅱ類「ニホンアカガエル」の繁殖地としても著名。

千框(せんがまち)
特定非営利活動法人 せんがまち棚田倶楽部 
静岡県菊川市倉沢1121-1(上倉沢公会堂)

千框(せんがまち)は田圃の形を框(戸・窓・障子などの周囲の枠、床の間や床などの端にわたす化粧横木)に見立てて、1,000枚の田がある場所という意味のようですが、現在のデータによると、総面積10.1ha、作付面積3.5ha、棚田等の枚 数2,742枚となっています。
保全活動は1994年(平成6年)。1999年の棚田等十選に選定されてからも棚田の荒廃が進行することを懸念し た地元の有志により活動が始まり、NPO法人化して現在に至っているようです。2012年(平成24 年)には静岡県「美しく品格のある邑」登録。

20150912千框せんがまち (1)

 道路脇に棚田を上から眺められる場所が案内されていて、そこから棚田を撮影。

◆棚田20150912千框せんがまち (3)

「せんがまち棚田倶楽部」のHP、棚田いこうよ.net に昭和40年代の棚田風景が紹介されていますが、それと比較すると数が少なくっていることがわかります。それでも上から見た時の手前側(棚田上部)は 2014年に実施された大規模な復田の成果ということなので、規模的にはかっての作付田が3,000枚あったという数からは少なくなっているものの、少し ずつ復元方向に進んでいるようです。(総面積10.1haに対して現状の作付け面積3.5ha)
また、前述のHPの棚田で見られる草木、生物の紹介として「ヒト(哺乳類)」という画像があり、自然の中で共存すべき“ヒト”の存在を表現しています。グッジョブ。
↓ 画像の右側の斜面もかっては棚田だったようです。

20150912千框せんがまち (5)

 「(ヘビが苦手な食彩品館.jpへ)マムシ注意」と知人からアドバイスを受けていたので、案内無しのニホンアカガエルの生態調査は断念。看板の写真を確認するのみ。

◆棚田 アカガエル20150912千框せんがまち (3)

<参考記事>食彩品館.jpの生誕地の棚田
丸山の千枚田。1,340枚の棚田(三重県熊野市紀和町)

 

160502-04熊野・丸山千枚田IMG_0066●20130814丸山千枚田 (1)

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↓ 以下の記事に続く

世界農業遺産茶草場(ちゃくさば)農法の実践地を訪ねる。その2.伝統農法が普通に継承されていることの不思議について思いを馳せる
 が、あります。

■■20150912茶草場 (7)

 ◆地図 茶草場-1

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