食彩品館.jpの常連さんには知らない方はいないと思うのですが、一応、念のため記しておくと・・・
　家畜種の牛(ウシ)は「肉牛」「乳牛」「役牛(農耕・運搬)」と別れ、今回、食した「宗谷黒牛」は肉用として育てられた牛ですが和牛ではありません。
ブラ ンド牛というとすぐに思い浮かべるのは松阪牛や神戸牛ですが、ブランド牛は、例えば地域で肥育基準を作成し、品質の良い食肉牛を育てて他産地との差異化を アピールする目的で「○○○牛」と命名して販売されている牛のことで、黒毛和種とは限りません。
そして、交雑牛のほとんどは黒毛和種のオスとホルスタインのメスを掛け合わせて作った牛で、黒毛和種の肉質の良さとホルスタインの成長の良さを併せ持つ食肉牛のことです。
それでは何故、交雑牛であり、黒毛の「宗谷黒牛」が和牛ではないのかというと、これも食彩品館.jpの読者ならば当たり前に知っていることですが、
和牛は
①黒毛和種（JAPANESE BLACK）※和牛の90%
②褐毛和種（JAPANESE BROWN）土佐牛、肥後牛
③日本短角種（JAPANESE SHORTHORN）無角和牛(山口県)
④無角和種（JAPANESE POLL）八甲田牛、十和田牛
の4種でそれ以外は「和牛」ではありません。
交雑種は一般に「国産牛」という表示で販売されていて、「国産和牛」と表示されていれば①～④のいずれかであり、日本で肥育された牛のことです。
尚、外国産の牛でも日本での肥育期間が海外での肥育期間よりも長くなると「国産牛」と表示することができます。
当然、和牛でも海外で肥育された和牛①～④の品種であれば「和牛」という表示になりますが、アメリカで肥育されていれば「アメリカ産和牛」ということになります。

　宗谷方面を案内するバスガイドさんが「黒毛和牛」と説明したのは宗谷黒牛の見た目の色と、ブランド名称の「黒牛」という名称に惑わされたのだと思われます。
以前、某スーパーでも交雑種を「黒牛」と表示していて一瞬、黒毛和種と思い違いをしたことがあるので、こういったことは優良誤認にならないよな名称を使っていただきたいと思っています。
ということで、「宗谷黒牛」について覚書。

◇宗谷黒牛
農業生産法人 株式会社 宗谷岬牧場
北海道稚内市宗谷岬328番地
℡0162-76-2456
宗谷岬牧場で生産される日本最北のブランド牛肉。生産規模は年間1,000頭程度。
生産基準pdf

肉用繁殖牛や乳牛等の牛肉を使い、『宗谷岬牧場のハンバーグ』として販売。

　ここで、おやッ?と思った方はなかなか鋭い。そうです。「宗谷岬牧場のハンバーグ」は肉用繁殖牛である「宗谷黒牛」だけでなく乳牛等も混じっているということです。

　前置きが長くなりました。実食です。

 味噌汁の貝はホタテの稚貝。中の身はアサリサイズです。

いつも言っていますが団体メニューに対して高度な要求をしてはいけません。大量調理や団体メニューには「食品衛生」についての高いハードルがあります。安全第一で調理しないと、ひとたび事故が発生すれば多大な犠牲を実食者に強いることになります。
店や企業の存続にも影響します。
よって、今回のメインメニューである「宗谷岬牧場のハンバーグ」があらかじめ焼いてあるものをさらに自分で温めていただくことをもってして「パサパサ」とか「旨味が少ない」とか文句を言ってはいけません。
多くの同行者が「やわらか～い」「さすが和牛よね～」と喜んでいらっしゃるのを聞きながらも、黙々と食す食彩品館.jpでした。
そうかハンバーグの美味しさの基準は柔らかさなのか。う～む。”(-“”-)”
実はこの後も、宗谷黒牛のハンバーグを食べたのですが、アルメリアで食したハンバーグと同じ印象を持ったので、この印象が「宗谷岬牧場のハンバーグ」の実力なんだろうなあと思ったのでした。
ご馳走様でした。
ちなみに売店で「宗谷岬牧場のハンバーグ」は160g4枚1400円で販売されていました。その他生肉もあったのですが、宗谷黒牛だけで、和牛である宗谷岬和牛は見ませんでした。
　
↓　エゾジカがアルメリアの周囲にいましたが、人に慣れているようでカメラを向けても全然逃げる様子はありません。

↓　宗谷海峡の向こうにはサハリン(旧カラフト)が見えました。ラッキー。

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●ゲストハウス　アルメリア
北海道稚内市宗谷岬
℡0162-76-2636
営業時間　10:00～17:00
　4月中旬～10月末日（時間変更有）
℡0162-76-2636
宗谷黒牛ハンバーグセット1,000円
駐車場　100台
定員　　　120名
・有限会社　誠洋の直営店
　北海道稚内市大岬
　℡0162-34-8088

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