鵡川の柳葉魚。地域登録商標「鵡川ししゃも」。確かに旨い!!。カネダイ大野商店(北海道勇払郡むかわ町)出張店で大サイズの本ししゃもを購入。娘にできる最後の食育か・・・。
普段、我々一般人がシシャモとして食しているは 「からふとししゃも(樺太柳葉魚)」と表示されている「サケ目キュウリウオ科カラフトシシャモ属」の魚。
対して、「本シシャモ(本柳葉魚)」は「サケ目キュウリウオ科シシャモ属」。すなわち“属”が違う別種の魚。
同じ“キュウリウオ科”の魚には、シシャモ属やカラフトシシャモ属の他に「キュウリウオ属」「ワカサギ属」があります。
良く知られた話だが、迷惑しているのは“本”ししゃもと、わざわざ“本”をつけられて呼称されなければいけないシシャモ属のシシャモ。カペリン(キャペリン)の和名を「カラフトシシャモ」という名前をつけられたおかげで、「シシャモ」に“本”をつけなければならない。
元々はシシャモ(属)ではないものに(発見された場所である樺太の地名に因み“カラフトシシャモ”の和名をつけられて販売されていることが問題だと思うのですが、ティラピアをイズミダイとか、白っぽい身の魚になんでもかんでも“タイ”とつけて販売されていた時代を知る者にとっては元の姿かたちが似ているということだけでもマシかなと・・。
とはいえ、本シシャモを販売する側にとっては「高いわね~」とか「なんでそんなに高いの」とか店頭で言われるだけならまだしも、地元で大切にされている神が名付けたという伝説の神聖な「柳葉魚(シシャモ)」の名前を別属の魚に付けて販売されていることには・・・・。
閑話休題
本シシャモというか「シシャモ」は北海道産の日本固有種。
他のサケ目の魚同様に淡水と海水間で生息。10月から11月にかけて、川の水温が急に下がった頃、満潮と日没が重なるときにメスが海から川に入り、先に待ち受けていたオスと数回にわけて放卵・受精する。
翌年の4月~5月にかけて孵化した幼魚は海にくだって、その後海で成長し、2年程(1年という記述もあるが)で親魚となって川に戻り産卵。メスは1匹で約8,000個の卵を持つと言われています。
ちなみにオスとメスの違いは大きさや抱卵の違いだけでなく、尻ビレの大きさや産卵期の婚姻色(オスは黒色に変色)が目だって違う点。
シシャモが他のキュウリウオとの違いは外見だけでなく、秋に川で産卵するのがシシャモで、他のキュウリウオ科の魚は春に海で産卵することが大きく異なります。
今時、輸入のカラフトシシャモを「シシャモ」として販売することはないと思うが、子持ちのハラがパンパンに太っている姿を見るとカラフトシシャモも魅力的ですね。
今までも何回か“本”シシヤモを購入しています。多くは百貨店の物産展で干物で販売されているのを購入したのですが、確かに美味しいし、カペリン(樺太シシャモ)とはあきらかに味覚が異なることは知っています。
今回、奮発してカネダイ大野商店さんが北海道から持ってこられた商品のうち、一番大きなサイズを購入しました。
理由は、当日同行した娘に食べさせるためです。
4年制の大学のデザイン科を卒業して3年目。最近は自身が手がけた作品というか商品が世に出てくるようになりました。親としては嬉しい限りですが、子供の成長は親にとっては巣立ちの前兆。いつまで一緒に暮らせるかわかりません。
毎年、父の日や誕生日、バレンタインにはちょっとした嗜好品を贈ってくれる娘に、ちょっと奮発して“本物のシシャモ”の味を伝授したいと思ったのです。
本シシャモといえば鵡川(むかわ)。鵡川はトマム岳(占冠村)を源流とするパンケシュル川・双朱別川等が穂別川と合流し、むかわ町で太平洋に注ぐ。
その河川の「鵡川」の水質は毎年発表されている国土交通省の一級河川水質検査(BOD生物化学的酸素要求量)で「平成21年度水質日本一」として紹介されています。
※平成21年度平均水質(BOD値)ランキングで、全国一位となったのは以下の河川
・尻別川(北海道)、後志利別川(北海道)、鵡川(北海道)、沙流川(北海道)、 姫川(新潟)、黒部川(富山)、宮川(三重)、川辺川(熊本)。
残念ながら最近は鵡川の名前はランキングには見られません。
さて、実食。
できるだけ解凍されていないものをカネダイ大野商店さんに選んでいただき、焼き方も教わりました。
「冷凍のままクッキングシートで焼く」のが一番カンタンで美味しいということで、当日、夕食で家人を含めて3人でいただきました。
若い頃は魚や肉を食べることがなかった家人が「美味しい」と言います。当然、何を食べても美味しいという娘だが、今回のシシャモは特別に美味しいという感想。
小さい頃からいろいろな食材を購入しては娘に食育というか食体験をしてきました。おかげで幼稚園の頃に牧場で見た牛を指差して「美味しそう~」と言って私達を苦笑いさせてくれるまでに食について感心を持ってくれるようになりました。
学生時代もモツ煮込みを大学に持っていって仲間におすそ分けしたり、ジビエにまったく抵抗なく、猪・鹿等好物で女子学生の食の嗜好としてはどうかなと思うこともありましたが、高額品・貴重品にこだわらずに、コンビニ食材まできちんと自分の味と嗜好で「美味しい」と「とても美味しい」に区分して、時々、食彩品館.jpの大切な情報提供者となっています。
久々に「鵡川のししゃも」を食べながら、この魚は大変、貴重で・・・・と話をするのですが、食べるのに夢中になって相槌はうってくれるものの、理解したかどうかは不明。
この先、どれくらいこういった食についての会話を娘とできるのでしようか。
さて、何故、こんなに美味しいのか。今まで食べた本シシャモと味が格段に違うのか。
まったく苦味がないのはもちろん、身の味は淡白だが、旨味成分がじんわりと口の中で広がってくるのを感じる。そして卵の美味しさといったら。
その理由を販売していたカネダイ大野商店の方に伺いました。
「流通している本シシャモには我々から見ると乾燥が不足しているものを見かけることがある」。
なるほどね~。
「オスも旨いよ」ということなので、次回は雌雄の食べ比べをしたい。また、一夜干しのような「生干ししゃも」も。
このススハム(柳の葉の魚)を与えてくれた神様に感謝。
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●ししゃも専門店 カネダイ大野商店
北海道勇払郡むかわ町美幸2-42
℡0145-42-2468
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