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長久丸天然まぐろのからすみ(三重県尾鷲市)ボッタルガ・ディ・ムジーネではなくボッタルガ・ディ・トンノ ,

 この世に珍味と呼ばれる食物は多々あれど、今まで食した珍味のうち、いつもの伍魚福社の珍味を除くと、以下の3品。

干し口子(ナマコの生殖巣)


クジラの尾肉の刺身(珍味の分類かどうか?)


そして紀北町の美鈴(割烹旅館)製の「からすみ」。

からすみは「唐墨」と書く。

形が中国(唐)の墨に似ていることから命名されたという。

 尾鷲や紀北町周辺では、特に美鈴のからすみは他のからすみと比較して別格に美味い。
理由は細かな血管除去等の下処理や天日干し工程の熟練度だが、特に下処理の丁寧さが味を上品にしていると思う。

 本場といえば長崎県ながら、尾鷲市や前述の紀北町ではボラの卵巣を原料とする「からすみ」の生産が盛ん。
30年近く前に尾鷲市賀田湾でイカダ釣り(大型チヌ狙い)をしていた時に、隣のイカダでボラ釣りのグループ客がいて、釣っては腹を割いて卵巣を取り出し、卵巣を確保したらあとは・・・・。
 賀田湾 曽根のイカダ 20年前~15年前

上層部に浮かぶ撒き餌に「トド」と呼ばれる大型のボラが集まり、ひっかけ釣りで大暴れするボラの大騒ぎに呆然としてしまったことを今でも思い出す。

 汽水と海水粋を行き来するボラですが、尾鷲のボラのように海水粋で漁獲された“海ボラ”はともかく、汽水域やあまり海の環境がよろしくない地域で獲れたボラの味は不評。

ただし、卵巣はダイヤモンド。

食彩品館.jpがこの「からすみ」の美味しさに注目したのは、落合シェフの「スパゲッティ・アッラ・ボッタルガ」カラスミパウダーを使ったスパゲテイの美味しさと風味に感動してから。

そして、国道42号線沿いの道の駅で販売されていた“ホンモノ”のからすみを食してその風味と旨味に魅せられたのでした。

 国産のからすみの大きなサイズのものは道の駅でも木箱に入れられて目の飛び出そうな価格で販売されている。
海外産でもイタリア産や台湾産などは製造方法も同じで美味しいとされているとか。
日本ではからすみはボラの卵巣というのが良く知られているが、サワラの卵巣を原料にする地域もあったり、尾鷲でもアブラボウズの卵巣で作ったカラスミもあるようです。

そして、今回購入したのは“まぐろ”の卵巣を使った「長久丸天然まぐろのからすみ」

 地中海マルタ島の「ボッタルガ」はボラやマグロの卵巣を塩漬けして乾燥させたもの。

ボラのからすみを

ボッタルガ・ディ・ムジーネ(Bottarga di muggine)」、

マグロのからすみを

ボッタルガ・ディ・トンノ(Bottarga di Tonno) 」という。

「天然まぐろ」とあるが、サイズと色から推察するに、クロマグロ(本まぐろ)ではなく、メバチマグロではないかと思う。
味は珍味らしく若干のクセを感じるが、酒の、特に日本酒の熱燗のつまみには合うと思う。

 

ワインだったらオーソドックスに白か。

そのまま食べてもグッドだが、オリーブオイルをつけたり、サラダの上に乗せてカルパッチョ風でも良いかも。

求めやすい価格的であることが嬉しい。

 でもやっぱりボラの、特に美鈴のカラスミの方が好みだ。


↓ (参考商品)エソのカラスミ(岡崎龍のおとし子)

↓ うどん屋さんのボラのカラスミ

↓ (参考商品)カラスミの木製型枠

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株式会社 長久丸
三重県尾鷲市三木浦町333-12
℡0597-28-2323
年商28億円
遠洋鮪延縄漁船(6隻)
近海一本釣鰹漁船(1隻)

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購入店舗

尾鷲物産株式会社 おわせお魚いちば おとと
三重県尾鷲市古戸野町2番10号
℡0597-23-2100
尾鷲物産
三重県尾鷲市林町1-33

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