食彩品館.jp

赤・茶ラベルで見える化。試作の寄付。梶賀のあぶり「鯖子のあぶり」,南葉丹宝,鰤,ヒュウイチ,大鯖,鬢長鮪,試作品の藍子,網干場(あばば)

 サクラでいぶしたものは赤色、カシでいぶしたものは緑色のラベル。

炙り」とは

・火にあててこげ目をつける程度に軽く焼く

料理方法としては直火焼だが、焼く時に使う薪の種類によって燻製のような香りがつく。
特に梶賀のあぶりは焼くというよりも「燻す」ように焼いている。

梶賀コーポレーションの商品は使用木材によってラベルの色を変えている。

このラベルの色使いが秀逸。

小サバの炙りはどの木材を使っても、ほぼ同じような色形なので製作者以外は判別が困難と思われる。(若干の色つきの差は見て取れるが)

色ラベルのおかげで製作側、流通側、販売側、購入側すべてで間違いがおこらないだけでなく、売場でもアイテム違い(SKU違いではなく)が一目でわかる。

普通の色分けではないのが、ピンク=桜の花びら、緑=樫木の葉色ということで、色と使用木材を関連づけていること。

「色分けの区別なんて他メーカーの商品でもあるじゃない」「桜も樫木も葉の色は緑色」と思われた方は修行し直していただきたい(#^^#)。

ついでに食彩品館.jpで使い分けている「見える化」と「見せる化」の違いについても要再確認。

※食彩賓館では「見える化・視える化」と「見せる化」を以下のように区別して使っています。

①「見える化」は正常と異常が誰でも・何処でも・誰でも、一目で判断できるようにして、異常を放置しないようにする仕組み。

②「見せる化」は外観だけではわからない、見えないデータ等を見せるようにすること。


 閑話休題

 今回、在庫のある商品をほぼすべて1品ずつ購入し、送料無料の5,500円にするために、鰤を2品に。
そして「返礼は試作品」という表示に興味を持ち、寄付金500円を追加。


 続いて、商品の「冷蔵保存なら1か月、冷凍保存なら1年」という賞味期限について。

保存期間が長いのは加熱処理と塩分、そして真空バックのおかげだが、気になるのはこの商品が解凍なのか非冷凍なのか。

流通業者や販売者による解凍ならば「保存温度帯変更」の表示が必要だが、今回のようにメーカーから直送をした場合は出荷時の状態での賞味あるいは消費期限と思われる。
ちなみに常温管理可能な商品も販売されています。

 さて梶賀

三重県尾鷲市梶賀町と言われてもどこにあるかすぐにはわからない。

位置的には紀伊半島の東側、東紀州の代表都市である尾鷲市と熊野市の海岸線を結ぶ国道311号線のほぼ中間位置。

熊野~尾鷲地図

30年近く前に釣りをしていた賀田(尾鷲市)の南側で、風光明媚は楯ヶ崎(熊野市)よりも尾鷲寄り。

と、説明しても良くわからないと思うので周辺を訪れた時の記事を一読されたし。

2009/03/31国道311号線ドライブ

尾鷲と熊野市間を100回以上、通過している食彩品館.jpでさえ、尾鷲と熊野市の海岸線国道311号線をドライブしたのは過去にただ一度。

 

その時は梶賀町を通過しただけで、当然、梶賀浦には寄っておりません。

◇地図

 人口200人程という梶賀町には平地がほとんどなく、山がそのまま海岸線に迫っていて、住民は段状に住居を構える。

畑は少なく、あっても自給用で、典型的な漁村ということで、研究者より「純漁村」という名称を授かる。

江戸時代は捕鯨の町で、現在は定置網のブリ漁を中心に営む。

その梶賀で、ここ数年、注目されている商品が「梶賀のあぶり」。

定置網にかかる小魚、都会の消費地市場に出荷しても値段のつかない(すなわち売れない)ような小魚を自家消費として古くから梶賀に伝わる郷土食

小魚は季節により変わる。
春のサバゴ(小サバ)、夏のイサキ、秋のカツオ。

いずれも新子で出荷サイズが足りず、市場価値の出ないものであったため、廃棄、自家消費、あるいは地域内消費に留まっていた商品でした。

 売場で最初にこの梶賀の鯖子のあぶりを見た時は目が釘付けになりました。

魚の太さに近い串を用いているのに身が崩れていないことに感心。

そしてラベルの色使いによるSKU分割からアイテム分割への格上げ。
 (例:白いワイシャツにサイズが3つ→1アイテム3SKU)。

 見た目のインパクトに圧倒されて商品に興味を持つものの、購入する機会になかなか恵まれず(尾鷲周辺では生鮮の魚介を中心に優先購入しているため)、今回が初の購入となりました。

しかもインターネットで。

 商品作りを取材した方のレポートによると製法は下記の通り。
・頭と内臓除去
・真水で洗い塩をふる
・その後、再度、真水で洗う
・専用の竹串に刺す
・専用の焼台を用い、桜、あるいは樫木で燻すように焼く

 感心したのは、地域で製造され、地域内で消費されていた郷土料理を商品化して、流通に乗せたこと。

MD(マーチャンダイジング)の戦略の立て方とその後の販売経路拡大に至る戦術展開が見事。

これはかなりのハイレベルな方が運営されているんじゃないかと思い、興味を持った次第。

2017年5月に「株式会社梶賀コーポレーション」を設立し、本格的な全国流通展開が可能になりました。

あとは、新期商品開発原料加工技術者の育成が最重要課題でしょうか。

 いつか、是非とも現地を訪れて、網元ノ家で「あぶり釜飯」を食べてみたい。

購入商品

鯖子のあぶり(サバ幼魚)串
 樫の木,中川矩子おばちゃん作800円

鯖子のあぶり(サバ幼魚)串
 桜の木,浜中倫代おばちゃん作800円

 たまたまなのか桜バージョンよりも樫木の方の色が濃いような気がする。

味の違いは微妙だが、確かに異なる。

 それにしても太い竹串に刺す技術はすごいねぇ。

オイルをかけてみたり、ポン酢で、レモンでといろいろ試したが、そのまま何もつけずにいただく方が美味しい。

という食べ方を一通りした後に、残った小鯖のあぶりをお茶漬けにして食べた。

身にお湯が染み込み、ふっくら感がでて絶品の味に。

「お茶漬けがイチバン」は20代の愚息も激しく同意してくれた。

 レシピ冊子も同封されてました。

13種類のレシピを掲載 ↑ 

 

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大鯖のあぶり

梶賀らしさをあまり感じない商品だが、品揃えの幅を広げるには良いかも。
あと、熊野灘の脂の削げ落ちたサンマの炙りもあれば嬉しいと思う。

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鬢長鮪のあぶり
 (とんぼまぐろ) 3切500円

 尾鷲物産良栄丸のビンチョウマグロを原料に使用。面白い組み合わせだが、梶賀のあぶりとしてはインパクトが薄い。中の色がついているとまた違った印象になるかもしれない。
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鰤のあぶり
 (ブリ)2切れ800円。2袋で1,600円

 季節的できまぐれな漁獲数量の小魚類に代わって通年販売可能はブリを商品化したという。
商品価値のなかった小鯖ではなく、もともと商品価値のあるブリなので少々、高価。

酒の肴というよりはメインディッシュにもできるという観点ではお値打ち。

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南葉丹宝のあぶり(ヒュウイチ)

鯥子のあぶりや宗太鰹のあぶり(ソマガツオ)、タカベのあぶりが品切れということで、聞いたことのない南葉丹宝(ミナミハタンポ)を購入してみた。

スズキ目スズキ亜目ハタンポ科ハタンポ属。
同属のミエハタンポと混同されて流通されるが、こちらは三重で獲れたものの、名前は「南で獲れるハタンポ」(ミナミハタンポ)。

ほぼ流通しないニッチ魚だが、意外と美味しい。特に皮付き身のおいしさがグッド。

面白いが、一般受けするかどうかは不明。

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「梶賀サポーター」として1口1万円を寄付するという取り組みをされていますが、今回は試作品の返礼目当てで寄付金500円を選択。

試作のあぶり

  「アイゴのあぶり
 ※500円寄付の返礼

 アイゴは「藍子」と書く。
 スズキ目ニザダイ亜目アイゴ科アイゴ属で毒のある棘を持ち、内臓が臭いため「バリ」の異名を持つ。
ところが瀬戸内海のものは内臓が臭わないので秋に獲れる小型のアイゴ(バリコ)は珍重されている。
磯釣人にとってはありがたくない外道だが、紀州でも和歌山側や九州などでは、その強烈な引きとあいまって専門に狙う人も多い。
毒のある棘と臭い内臓をしっかりと取り除けば、意外と美味しいことが知られている。
特有の磯臭さも一興と思える人はアイゴの本当の美味しさを知っている。
寄付のお礼として送られてきたこのアイゴの試作品。
アイゴの磯臭さをかすかに残しながらアイゴ本来の旨味を感じられるように仕上げている。
何よりも感心したのは皮を残していること。少々、気持ち悪い外観のアイゴの皮は熱を通すと柔らかくなり、白身の美味しさと皮の香ばしさを同時に味わうことができる。
このアイゴの商品化を開発した人は相当な通であると思われる。
食彩品館.jp好みの逸品だが、はたして一般の人にそれがどこまで通じるかは不明。、

 蚤虱 馬のバリする 枕もと (芭蕉)

商品合計金額 : 5,500円
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梶賀コーポレーション
直営店 梶賀 網元ノ家
三重県尾鷲市梶賀町312−2
℡09078231789

◇地図


◇販売店


□三重県

直営店 梶賀 網元ノ家(2020/02/28)
オンラインショップ
お魚いちば おとと(2020/02/05)
夢古道おわせ(尾鷲市)
道の駅 熊野・花の窟(2017/01/17)
道の駅 パーク七里御浜(2017/02/16)
道の駅 ウミガメ公園(2015/01/16)
道の駅 海山(紀北町)(2011/10/10)
始神テラス(紀北町)(2020/10/8)
ゑびや商店(伊勢市)
勢乃國屋 豊恩館(伊勢市)
鳥羽一番街 (2017/04/19)
安濃SA(津市)(2012/05/19)
高野尾花街道 朝津味(2018/05/13)
おとうふ湯葉いしかわ イオンモール津南
伊勢路テラス(四日市市)

□その他
東京日本橋 三重テラス(東京都)

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