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素晴らしい!!。幸田平岩農園農薬不使用巨峰。「種ありぶどうだけで作る6種のぶどうジュース」。そしてチクロ(サイクロ酸ナトリウム)のことや食品添加物の安全と危険性について私見。

  JAの直売所に並んでいた愛知県額田郡幸田町産の巨峰。

この商品の特徴としては「農薬不使用」で「種有」。

見た目はこの通り。

キズが多く、さらに脱粒している。

そして皮と実がブヨブヨ。

なんじゃこりゃ~。

でも食べると旨い

美味いなんてモンじゃない。

これは間違いなく通常の市場流通に乗りにくい形態と状態ながら「知る人ぞ知る」という存在か。


そして幸田町産のぶどうを使ったジュース

あえて、ここで説明するまでもないが、「ジュース」は果汁100%が基本。
それ以外は「果汁入り飲料」となる。

これは果汁の入っていない飲み物にもジュース表記があったり、果実の実を半割したような写真や絵をパッケージに用いて販売する商品を規制する「農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律」(JAS法,1967年)に依る。

 昭和30年代から昭和40年代に少年時代を過ごした食彩品館にとって夏の飲料といえば、「チクロ入り粉末タイプのジュースの素」。

水に溶かすだけで「ジュース(当時はそう呼んでもOKだった)」ができる簡便商品で、水に溶かさずに粉をペロペロ・・・なんてこともやっていました。

当時は瓶入ジュースが1本35円から40円する時代。

対して粉末タイプのジュースの素は1袋5円程度。

砂糖よりも安価。且つ、甘くて後味さわやかで美味しいということで、当時の最大出荷量を誇るメーカーでは1日1億杯分の粉末ジュースを製造していたという記録が残っている。

 チクロ(サイクロ酸ナトリウム,N-シクロヘキシルスルファミン酸ナトリウム)は我が国の食品衛生法で使用禁止になっているが、海外では現在でも使用されている国があるため、輸入会社が大慌てで回収したりする騒ぎが時折、発生する。
チクロの何が問題かというと、1967年にアメリカで発がん性の疑いが指摘されたことが発端。
アメリカに追随するのは日本の宿命ということで日本でも使用が禁止されたことは皆さん、ご存じの通り。
でもヨーロッパやアジアの一部では現在も使われているのは何故か。
添加物の安全性を評価する国際機関であるJECFA(食品添加物専門家会議)が、チクロのADI(体重1kgあたりの接種許容量/日)を11mgとし、この量を越えなければ健康被害はないとお墨付きを与えたためです。
体重20kgの子供ならば、ADIは220mgという途方もない量なので、ヨーロッパでは解禁になったが、日本では相変わらず禁止のまま。
サッカリンも同様に日本では使用が制限されているが、海外ではサッカリンは発がん物質のリストから外れているという。

 一つの考え方として、発がんのリスクよりも糖分を取りすぎて糖尿病や心臓疾患になるリスクを優先排除したいという思惑も、肥満体形の多い欧米諸国にはあったりする。

逆に、1つの資材の摂取がADI的には問題なくとも、複数の資材を摂取した場合はどうかとか、次世代に影響がでるかもしれないという不安はある。

また、日本においては「禁止」ではなく「使用許可」ということで食品添加物が指定されているが、中にはちょっと心配だということも出てくる。
例えば、ソーセージ等に使われていた「AF-2」は1965年から1974年まで使われていた。
厚生省は安全と評価していたが、大学の研究で危険性が指摘され、且つ、使用製造会社従業員にも異常が発覚していたにもかかわらず、使用を禁止しなかった。
後の研究で強い変異原性や発がん性があることがわかり、禁止になった経緯ががある。また、その添加物が当初許可になったいきさつも気になる内容だった。

国の安全評価に不安があるのはこういった事例のためかもしれない。

 食品添加物は急性毒性試験、慢性毒性試験、発がん試験、催奇形性試験、変異原性試験が行われ、食品衛生調査会によって安全性が評価され、使用可能かどうかが判断される。
それぞれ単独評価だが、日本人は1日平均約60種類、10g程度の食品添加物を接種しているのではないかと推測するデータもあり、それぞれの複合相互作用についての不安も残っている。

 一体、何が安全で何が危険なのかは研究者や「食べてはいけない」と力説する人以外はよくわからないのではないだろうか。

 農薬も同様で、当方、以前、野菜のバイヤーをしていた時に、魚毒性に注目して使用農薬基準を作っていた某団体に倣って栽培基準書のチェックをしていたことがある。
かなり勉強したつもりだったが、結局のところ、安全も危険もよくわからないというか、すぐに影響が出るわけでもなく、国が(信用できるかはともかく)使い方を間違えなければ安全は担保できるとおっしゃっている資材を、「(環境に影響を与える)魚毒性C」だからとかの理由で使用を禁止するのはどうなんだろうかと疑問を持ったことがありました。

さすがに結婚後、子供が生まれる前や小さい頃はそれなりに食べ物に神経を使っていたが、今はさほど気にしていない。

ただ、使用原材料を必ずチェックして自分の基準に合わない資材を使っているものは買わないし、いつも言うように、できるだけ加工食品の原材料はシンプル(主原材料以外の資材は使っていないかできるだけ少ない)方が嬉しかったりする。

ただ、「無添加」とか「〇〇は危険」とか「(ガイドラインで表示禁止されている)無農薬」という表示を見ると買いたくなくなるのは性分。

自分の食べるものを他人にあれこれ言われたくないというのがその理由で、さらに押しつけがましかったり、自分こそ正義といわんばかりの安全・危険アピールはその企業や店に対して不信感を持ってしまう。
他の商品の悪口や危険性アピールするのではなく、「使っていないことのメリットとデメリット」をきちんと表示してあり、選択は客の自由であるという表現であれば好印象。

 当方としては「環境に配慮」「次世代に悪影響」という観点だけはしっかりと自分で自覚して商品を選択するように心がけている程度。

 ということで、本題。
 (いつものように前段長く、本題は短絡)

 今回、購入した「幸田平岩農園ぶどうジュース」。

生産者が製造し、直売まで行うという、6次産業的生産製造流通販売者。
面白いのは「種ありぶどうだけ」というスタンスと「6種」も品ぞろえしているということ。
↓ 実際には年間、これだけの品種が揃います

種なしにするための薬品「シベレリン」を使わないということと、タネありにすることで熟度が上がって脱硫が起こるリスクよりも「熟した種あり」にこだわっている姿勢に感心。

実際に種があった方が美味しいように思う(個人の感想です)。

冒頭の巨峰がその証明。

それを品種毎にジュースにしている。

これは立派

応援したいということで今回、購入。

美味い。この一言に尽きる。

 あと同農園では「農薬散布ゼロ」ということと「どうしても散布しなければいけない年だけ1度の散布に抑えております」という正直で具体的なことが紹介されていることも好印象。

こういった場合によく使われる言葉である「無農薬」という表現。
「無農薬=農薬が製品に存在しない」と誤解されるため無農薬という表現は農林水産省「特別栽培農産物に係る表示ガイドライン」で商品説明において使用禁止になっています。
それでも「無農薬」と表示したがる人はたくさんいるのが実情。

また、ガイドライン対象外表現の場合でも、客も時にはマスコミや大手新聞社でも「無農薬」という表現を使っていて、苦笑してしまうことがある。

 当方が生産者ならこう表現したい。

もちろん有機栽培・オーガニック、特別栽培等の認証を受けて。
無農薬(外部からの流入を含めて農薬が存在しないと誤解を受ける表示)の言い換え
「化学的に合成された農薬だけでなく農薬登録されている天然系農薬・生物農薬を含めて育成促進・害虫駆除・病虫害防除・治療目的で圃場散布をせず、収穫後も使っていません」
「種子生産・育苗から出荷までの間に農薬登録されている一切の薬剤・資材を圃場内生産物に使用していません」
農薬登録の種類について農薬工業会HP
天敵(生物)農薬について農薬工業会HP)

農薬を使わないメリットとデメリット
「国が安全と認めた資材であってもできるだけ使わない方が、利用者だけでなく生産者にとっても健康不安低減や資材コスト減になると考えています」
「農薬を使わないということは生産者にとって労力増や時には商品の出来栄えに影響することがありますが、長年の土づくりと日々の栽培管理で、より良い商品を提供できるように心がけています」

完熟(程度が不明)の言い換え
「収穫後の流通時間を想定・考慮して、追熟する商品はできるだけ木・苗で熟した状態を見計らって収穫するようにしていますが、天候・気温によっては想定外になることもあるため、お客様も商品の状態をご自身で判断できるように自助努力をお願いします」

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幸田平岩農園
愛知県額田郡幸田町坂崎鍛冶屋下1
℡0564-62-0869

・ブルーベリー
 ティフルブルー・ブライトウェル・オースチン
・ぶどうジュース ナイアガラ
この商品は「減農薬」という表示が気になる。
・ぶどうジュース ベリーA
・ぶどうジュース 甲斐路
・ぶどうジュース 巨峰
・ぶどうジュース デラウェア、キャンベル
 (キャンベルやピオーネブレンド・その年で変わります)
 この商品は「減農薬」という表示が気になる。
おそらく、農薬散布
・ぶどうジュース セミヨン
・梅ジュース
その他、マスカットオブアレキサンドリア、

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