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水なす,泉州水なす。澤(沢)なす,馬場なす,上之郷なす,樽井巾着なす。絹茄子。白十全なす,黒十全なす。みず茄,ごちそう,泉州絹皮。食彩品館.jp的直売所の利用方法。直売所のSKU分割提案は品種集合売場。そして、さらには肉魚の漁業・酪農家直売所との合体した「6次産業的直売所」を望む。

 水なす

茄子の仲間は灰汁があり生食にはむかないが、水茄子は皮が薄く水分を多く含み、ほのかな甘みもあって生食も可能

特に大阪泉州地域で栽培される水ナスは「泉州水なす」としてブランド化され、主に岸和田市、貝塚市、熊取町、泉佐野市で多く栽培されている。

 もともとナスは奈良時代(7世紀)に、僧によってインドから中国を経由して日本に持ち込まれ、当時の名称は「奈須比(なすび)」。

和泉国はその平城京と文化交流が深く、「奈須比(なすび)」の栽培が奈良から伝わったと考えられています。
現在もそうだが、大阪泉州地域はため池の数が多く、水ナス栽培に必要な水源を身近に確保していたことも栽培が広まった所以。
もっとも、「泉州水なす」としてブランド化される前の水ナスは、泉州地域において主要生産物という位置付けではなかったというから、地域おこしのブランド化推進の成功例の一つではないかと思う。

 

水なすは泉州でしか育たない高級野菜とされ、「泉州水なす」として厳しい栽培管理と選別基準でブランド化したJA大阪泉州JAいずみの管内で主として栽培されているが、なにわ伝統野菜第一号認定された泉州水ナスにもいろいろな品種があり、各農家で大事に受け継がれてきていたという事情も加えて、品質のバラツキを解消する目的もあって、現在では見た目の良い系統の品種「絹茄子」系統を中心に栽培されている。

絹茄子系統の品種は、従来の水なす原種のデメリットである「糠漬けにすると褐色に変化」という味は良いが見た目がイマイチな点を低減解消した品種。
知っている人は色が少々悪くても味の良さを優先するが、販路拡大には見た目も大事ということでしょうか。

 水なすを何処で買えるかは大阪府HPで紹介されている。その他大阪府自慢のなにわ伝統野菜も紹介されています。

 ここ数年、「泉州でしか育たない」とされた水ナスを大阪南部以外の地域で見かけるように。

大阪府でも水なすの原種と言われる伝統品種(在来系)は、澤(沢)なす馬場なす(貝塚市)、上之郷なす(泉佐野市)、樽井巾着なす(泉南市)等があるが、他地方の在来種となっている水なす、例えば新潟県五泉市の「白十全なす(本十全なす)」は泉州ナスをルーツに持つ。

その他新潟県では泉州ナス系の「黒十全なす」も導入され、今ではそれが新潟十全(F1)として売場でメインで販売されている。

 以前は当地、愛知県で水ナスを見かけることは少なかったが、このところ、県内各地の直売所で夏の時期は定番的にみかけるようになった。

本来の水ナスは丸みを帯びた卵型だが、タキイ種苗の「みず茄」は長卵形で少し長いタイプ。
サカタのタネも「ごちそう」という品名の水ナスのタネがあります。
泉州ナス系統の「泉州水系茄子」「泉州絹皮水ナス」等々、当地生産地に合う品種を選定できるという状況もあり、栽培が拡大しているようです。

 こういった直売所の品種の多様化は水ナスに限ったことではありません。

 当初の直売所は地元で多く栽培されている種類・品種がメインで、旬の時期になると大根だらけとか、確かに安くて豊富だが、旬の時期を外すとすっかり出荷品が少なくなり、「JA委託品(通常流通品(JAが調達した野菜)」がメインとなってしまうこともしばしば。

青果物をワンストップショッビングするための施策である「JA委託野菜」を産直品(農家持ち込み品)と思い違いをする方もいて食彩品館的にはあまり楽しくない店になってしまうことも。
そこで、生産者側も直売所側も端境期を含めていつでも直売品(農家持ち込み野菜)が購入できるように創意工夫。

今では珍品種を含めていろいろな種類・品種の野菜が出荷されています。
直売所を訪れる客があまりみかけない品種を試し買いする傾向もあり、生産者も新品種を積極的に導入したり、JA等の出荷団体も新ブランド化のためのお試し栽培&アンテナショップ的な利用もしているような印象も。

スーパーマーケットで1つの品目を用途別に商品作りすることを「SKU分割(“アイテム”とは違い、“ストックキーピングユニット”すなわち在庫管理のための最小単位に分割&集合売場展開)」と呼ぶが、直売所では1つの品目(例えばナス)を品種ごとに多数揃えてコーナー化している。

これが楽しい。

知らない品種が出荷されていればお試し購入するし、もしその品種が他地区の在来品種だったりりすると、現地まで出かけて購入し比較したくなる

そんな利用方法ができるようになったのはJAの営農指導員や種屋さんの尽力、そして生産者の皆さんのご努力のおかげ。

↓ 愛知県の水ナス

いつも感謝して美味しい野菜をいただいています。

 そこで、食彩品館.jpから提案。
鮮魚の直売所(産地市場タイアップ)、肉の直売所(生産者直売6次産業的ショップ)を導入していただきたい。

肉牛牧場があり、海のある愛知県ならばできそうに思う。

自治体の経済的支援、JAの運営強力を含めてのバックアップ体制があれば名乗り出る方もいらっしゃるかも。

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