みかん紀南頑固一徹1袋550円と産地不詳1袋300円の比較。樹上熟成の日数,越冬完熟,紀州一番。果実袋,じょうのう,果皮の間に張り付いている白い中果皮,アルベド,albedo,維管束,,
みかんに限らず、美味しさの評価を計るモノサシの一つに糖度がある。
家庭やスーパーのバックヤードで糖度を計測するのは「糖度計」を使うが、産地では1個ずつ皮をむいて計るわけにもいかないので、「光センサー」で計測している。
果実に光をあてて、光の通過の具合で糖度を計測。
ミカンの成分は光を吸収する性質があるため、濃い成分(糖や酸が多い)は光がとおりにくくなり、逆に成分が薄いと光を通しやすい。
光は近赤外線を使い、皮をむかなくともみかんの中身の具合をある程度、推定できる。
この光センサーが導入される前はサイズや外観等に等級分けされていたため、同じ産地の同じ等級のみかんでも味のバラツキがあった。
同じみかんの木から採れても、日が多くあたる場所とそうではない場所に味の差があるが、それも光センサーによって選別が可能となった。
この光センサーが有田みかんで導入されたのは1995年と、他の果物に比して少々遅れていた。
理由は、先行導入されていた梨やリンゴは皮が薄く、光を通過させやすかったが、みかんの皮は厚く、光を通過させる技術開発が他の果物よりも遅れたためという。
今回、購入した「頑固一徹」は個人生産者による出荷のためそういった光センサーで選別されたみかんとは違う。
計測センサーは「生産者の経験値」。
当方が市場へ通っていた頃(25年~35年前)、JA紀南に「越冬完熟みかん」という商品が世に出されて一世を風靡した。
通常は11月から12月に収穫する早生品種を60~70日長く樹上で完熟させてから、すなわち年を越してから収穫したみかん。
コクも酸味もバツグンながら、収穫時期をずらしたみかんの樹の衰弱等の影響が出るため、連作することが難しく、収穫量の確保ができにくいというリスクがあった。
みかんの樹への影響をできるだけ抑えて、且つ、味も良くしたいということで、越冬完熟ほどの日数ではなく、20日から30日ほど収穫を遅らせた「樹上熟成」が、今回、購入した「頑固一徹」みかん。
「頑固一徹」ブランドは他にもあるようで、そちらは10日~20日という日数が表示されていました。
今回、「頑固一徹550円」と比較するのは産地不詳の低価格みかん300円。
まずは糖度。
データを見て思わずニッコリ。
ほぼ変わりません。
計測数値は伏せるが、その差は糖度1度以内の差(食感としては微妙な差で交互に食べないとはっきりしない程度)。
それよりも、やはり数値にバラツキがあることの方が気になる。
家族にも協力してもらって食べながら計測したので、各5個が限界だったが、1個毎に少々の差がある。
こうなると食味で比較するしかないということで、家族に項目ごとに採点比較してもらった。
結論からいうと、さすが樹上熟成。コクもあるし、甘味と酸度のバランスが良い。
なにより果実袋(じょうのう)と果皮の間に張り付いている白い中果皮(アルベド,albedo)が結構、美味しい。果実袋(じょうのう)自体も柔らかく食べやすいし、果実袋(じょうのう)間の維管束もあまり気にならない。
で、家族の評価はというと、「300円のみかんでも充分美味しい」。
パクパク食べる派の家族は安くてそこそこ美味しいみかんを嗜好するようです。
そんな身も蓋もない・・・・。
当方の結論は割愛しておく。
↓ 頑固一徹大玉みかんとの比較
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◇みかん(一例)
・佐世保温州みかん2014/12/29スーパーセンターオークワ富雄中町店
・日の丸みかん桐箱
・細江みかん2014/12/20コープあいち上社店
・蒲郡みかんJA袋2014/10/31バロー平坂店