若い頃は動き回っていました。今よりも25歳以上若く、体重も15Kg軽い。そりゃよく動いていましたし、動けていました。
自分が動いていると動かない人が気になります。
「何をモタモタしているんだ。早く動いて、商品作って、荷出しして・・・」
そんなことを思っておりました。
若いからできたことで、今はその半分も動いておりません。動いていないから仕事をしていないかというとそういうわけでもありません。仕事のコツをつかんで、効率よく、動けるようになったからです。
若い頃は「動く」のが仕事でした。今の私は「動く」だけでは仕事として認めてくれません。
「働く」でないと給料をくれません。
「動く」と「働く」の違いはなんでしょうか。
●「働く」・・・ムダが少なく、付加価値を高めるために効率よく人が動くことを言う。
と私の教科書に載っています。
・ムダが少ない
・付加価値を高める
・効率よく
そういう動きが「働く」ことだと書いてあります。
管理職はわけわからずムダに動いている部下に対して、効率よく動くためのコツを伝授します。あるいはヒントを与えて、自分で改善してもらうこともあります。
そういう時間を割くことでコミニケーションも良くなるし、「知恵を出し合う」ことにもつながります。
知恵の共有と伝達ですね。それによる相乗効果が「成果」となってお店をより良くしてくれます。
もっとも「ムダを愛する人」もいます。こういう人の説得が大変。たいていは在職20年とかのベテランさん。
「私はこのやり方がやりやすい」と言い張る人はまだ良い。「はいはい」とその場だけは良い返事して、実際は今まで通りに動いている。
指示を受けて、「はい。わかりました」という返事には二種類あるようです。
1. はい。あなたの言うことを理解しました。
【私はあなたの指示どおりに実行します】
2.はい。あなたの言いたいことは理解できました。
【でも、実行するかしないかは私が判断します】
反発してくれる人は良い。その時に説得することができるから。
でも「(返事だけ)はいはい」人間はやっかいです。結局改善が遅れて、ムダな動きが多く「成果」が出ない。
つまり「働いていない」ことになります。一生懸命動いているのにね。もったいないです。
反発してくれる人を作りましょう。「はい。わかりました」と言ってもらえたら気持ちいいけど、本当に気持ちいいのは「成果」が出たときです。成果がでない「努力」は自己満足。
私の仕事は自己満足が多かったなあ。ムダだったとは思いたくないけど。
管理者が一番楽なのは「部下がより良い方策を自分で判断できて、しかも自主的に実行できる」という状態なんですが、これを推進しすぎると「ノー管理」の職場になってしまうから、これまた難しい。
「管理=束縛」と勘違いしている管理者もいますからね。「オレの言うこと聞け」みたいな。
結局のところ「自主性を重んじながらも双方向の正しい意見が採用される職場」を目指したいものです。
*****************************************
「ムダ」を発見する動き
1. 足の動き
・立ち止まり
・遠回り、近道
2. 手の動き
・片手だけ
・持ったまま
・持ち替え
・繰り返す
・取りにくい
3. 目の動き
・探す
・選ぶ
・見にくい
・再確認
4. 体全体
・振り向く
・かがむ、しゃがむ
・伸び上がる