「国宝」に指定されているのは2011年末 現在、1081件。
内訳は美術工芸品が866件で建築が215件。
我が愛知県には9件の国宝があり、今回訪れた奈良県には198件の国宝がある。
国の宝。私たち日本人が後世にできるだけ今の形のまま伝えていきたい、残さなければいけない国の宝です。
まずは、実物を知る・見る。できなければできるだけ近づく。見えないものでも感じることはできるはず。
ということで、年末の慌ただしい時に奈良県の未訪問の国宝を訪ねました。もちろん国宝だけでなく、国宝の近くにある歴史的な神社仏閣も訪れています。
スーパーマーケット訪問と同じです。行きたい店とその周辺にある店。すべて見てこそ「知る」
まずは崇道天皇社へ参拝。
ご立派な本殿は重要文化財指定。
①崇道天皇社
奈良市西紀寺町四十番地
祭神 早良親王(追号 崇道天皇)
▽重要文化財
・本殿。1623年(元和元年)に春日大社若宮本殿を移築
・桓武天皇の皇太子。藤原種継暗殺事件に関係して乙訓寺に幽閉。後、淡路島へ配流中死亡。霊を慰めるため崇道天皇と追尊。
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すぐ近くにある璉珹寺も参拝。残念ながら拝観は5月のみとか。
②常行山 璉珹寺(れんじょうじ)
奈良市西紀寺町45
℡0742-22-4887
浄土真宗遣迎院派
開基 行基
・平城京遷都で飛鳥の「紀寺」を移して創建
・本尊の木造阿弥陀如来立像(県指定文化財)は別名「はだか阿弥陀像」。光明皇后の御影を写すと伝わる。秘仏で、以前は50年に一度の開扉だったが、現在は5月に開扉。
他に、木造観音菩薩立像(重文)。
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大和猿楽系である「狂言大蔵流宗家屋敷跡の碑」を見ながら元興寺へ。
興福寺や猿沢の池が見える。南円堂へ行くかと思ったが、思いなおし留まる(理由は後述)。
③元興寺
奈良県奈良市中院町11
℡0742-23-1377
宗派 真言律宗
本尊 智光曼荼羅
創建年 593年(推古天皇元年)
開基 蘇我馬子
▽国宝
・本堂、禅室
・五重小塔(建築物として国宝指定)は内部構造が省略されていない点で、後日アップ予定の海龍王寺の五重小塔と異なる。
▽重要文化財
・著色智光曼荼羅図、東門、木造阿弥陀如来坐像、木造弘法大師坐像、木造聖徳太子立像
飛鳥から平城への遷都された時(710年)に法興寺(飛鳥寺)を奈良に移築し(718年)「元興寺」と改称。
南都七大寺のひとつ。
以前、訪れた飛鳥寺と元興寺が繋がった。
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この後、十輪院周辺の寺を巡り、十輪院へ。
④法輪山 興善寺
奈良県十輪院畑町12
℡0742-23-7007
▽重要文化財
阿弥陀如来立像(快慶作・鎌倉時代前期)
・元興寺境内の奥の院から浄土宗の奥の寺から興善寺へ。
・本尊胎内より源空上人(法然)の自筆の書が発見され重文指定。
⑤金躰寺(こんたいじ)
奈良県奈良市十輪院町6
浄土宗
本尊 本尊阿弥陀如来立像
開基 (伝)道昭法師
再興 (1637年寛永14年)
⑥法徳寺
奈良県奈良市十輪院町23
融通念仏宗
再興(1605年慶長10年) 陪厳上人
本尊 阿弥陀如来立像
⑦雨宝山 十輪院
奈良県奈良市十輪院町27
℡0742-26-6635
宗派 真言宗醍醐派
本尊 地蔵菩薩
創建年 (伝)1283年(弘安6年)
開基(伝)朝野魚養、元正天皇(勅願)
▽国宝
・本堂
軒裏は板軒で、垂木を使う仏堂建築とは異なる意匠
▽重要文化財
・南門、石仏龕、木造不動明王二童子立像
十輪院拝観は別の目的もありましたが、ここでは触れません。
合掌礼拝。
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冬の奈良、しかも奈良公園から少し離れると静かに参拝ができます。
小さな寺社でも国宝や重要文化財を擁すのが奈良の良いところ。散歩がてらの散策でした。
西国三十三所 通算8順拝となる興福寺 南円堂へは今回、参拝せず。通算7順拝が完了したら再度、参拝させていただきたいと思っています。何時になることやら。
奈良の国宝拝観の旅 最終章【その2 法華寺と海龍王寺】へ続く
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●国宝の旅
・2008/1/13 伊勢神宮・熱田神宮・熊野三山
・2009/2/8 金蓮寺国宝弥陀堂 (愛知県吉良町)