「化学調味料は使用していない」。すなわち、世間一般でいうところの『無化調』表示について。あるいは『無添加』表示について。
食彩品館.jpではパッケージされた加工食品でなくとも『無化調』『無添加』という表示を使わないようにしてほしいと常々思っています。
過去記事(2016/02/28)に消費者庁のガイドライン(2022/03/30公表)を追記して再度アップいたします。
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【追記2023/02/24】
「化学調味料」や「無(添加)」と
・化学調味料の用語は、かつて JAS 規格において使用されていたが、平成元年には削除されており、食
・人工、合成、化学及び天然の用語を用いた食品添加物の表示は適
さらに「無添加表示は一定の条件で認められる」という判断も付け加えられています。
何が無添加なのか、何が使われているのかが書いてあれば“無添加”表示は可能。
★NEW (クリック↓)
↓ 加工食品の事例(消費者庁)
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【以下、食彩品館.jpの見解です】
食彩品館.jpでは『無化調』『無添加』という言葉を使わないようにしてほしいと常々、記しています。
①“無”は存在しないと受け止められる怖れがあります。“無”を証明することは難しい。本当に使っていない場合は“不使用”あるいは“未使用”とすべきである。 (これは検出限界以下という証明しかできない無農薬(特別栽培農産物に係る表示ガイドラインで表示禁止(関連記事))も同様)
【注意】不使用表示も一部規制されています。
~人工、合成、化学及び天然の用語を用いた食品添加物の表示は適切とはいえず、こうした表示は、消費者がこれら用語に悪い又は良い印象を持っている場合、無添加あるいは不使用と共に用いることで、実際のものより優良又は有利であると誤認させるおそれがある。(食品添加物の不使用表示に関するガイドライン)~
②現在では天然原料による発酵法で製造されているため、“化学調味料”という言葉自体がすでに各種法令では使われず、『うま味調味料』と表記されている事実があります。ここでは化学調味料という負のイメージをうま味調味料という名称に代えることによってイメージ転換させるために表示変更を求ようとするのが趣意ではありません。
③食彩品館.jpとしては使っているのか使っていないのかが一番の重要事ではなく、きちんと使っているものを知りたいことと、結果的においしい料理に仕上がっているのかどうかが、まずは重要だと思っています。もちろん安全・安心を高度に担保された製造・調理方法を採用していることが最低の条件ではあります。
④ 添加物の健康への影響に対する不安感をかえってあおっていて、使わないことが優良だと誤認させる怖れがある。(食彩品館.jpとしては、不使用だとしても それによって食品として「優良」という認識はありません。「グルタミン酸ナトリウムを主成分とする食品添加物を使わないことが自分にとって嬉しい」ということは言えますが・・・)
以上の理由により、食彩品館.jpとしては使っていないことよりも、使っている原料をすべてきちんと表示した上で、『うま味調味料を使用していません』と 表示していただく方が嬉しいと思っています。グルタミン酸ナトリウムを主成分とする、いわゆる化学調味料を使っていなくとも、健康面への不安物質としては塩酸分解法で製造されたタンパク加水分解物などの人工的な調味料が使用されている場合もあります。(タンパク加水分解物は食品衛生法では添加物に含まれないためいわゆる“無添加”と表示可能)
使っている原材料と量を見て、自身の健康に影響があったり、不安を感じることがあるかどうかを判断させていただきます。
自店や客にとって都合の良いことばかりを表示するのはズルイと感じています。
尚、この件は食彩品館.jpの個人的な持論・自論であり、他者に強要するのが目的ではありません。よって、いつものように、反対・同意・感想・指摘等すべてのご意見は不要です。
“無化調”、“無添加”という表示を見ると『この店・この商品は食彩品館.jpの好みではない』と思う程度です。
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◆関連記事
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