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WR(ダブルアール)岸和田店,日本型ホールセール業態,ドン・キホーテ,ラパーク岸和田,ホールセールレボリューション,

WR(ダブルアール)岸和田店
大阪府岸和田市春木若松町21-1
ラパーク岸和田内
開店日 2010/09/23(プレ)
     2010/10/01(グランド)
     2010/07/31長崎屋食品売場リニューアル
訪問日  2010/10/02
敷地面積 39,778.3㎡
延床面積 79,291.6㎡
WR店舗面積 13,282.1㎡(売場面積12,971.8㎡)
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覚書
・「W=Wholesale」、「R=Revolution。高品質の商品を「卸」価格型で提供、時代が求める新たな商品流通業の提案を意味。
・日本型ホールセール業態。
・主通路を3mと広くとり、内装にもこだわった「小型百貨店」。
・ファッション衣料、インテリア雑貨、時計、ジュエリー、インポート雑貨など約12万品目
・個人客を想定した提供単位。市価の3~4割安をイメージ。
・荒利益率20%で、販売管理費率17%を予定。会員フィーに頼らない経営を目指す。
・初回登録費2,100円。20万円以上の利用がないと登録抹消。初年度は9~10万人の会員獲得を目指す。
・事務管理部門はドン・キホーテがバックアップ。

会員を募って、卸売価格で販売する店舗は全国各地に多数あるが、食彩賓館がすぐに思い浮かぶのは「コストコ」と「メトロ(キャッシュ&キャリー)」。生協も会員制。その他過去に存在したホールセール型の店舗や現在も単店で運営されている衣料卸店もあるが、訪問したことがないのでここでは触れない。
訪問前の予習としてちょっと比較してみた。
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上記表を見る限り、コストコ社が当初及び継続のための負担金額が大きい。当然、その分を価格に反映させているので、割安感はバツグン。ただし、生鮮品は特にお買い得感を感じない(品質と価格を比較すると)。これは子育て中の大家族でないと利用できないほどの販売単位の多さも理由の一つ。でもコストコ社は楽しいね。普段見たことのない商品が多数あり、本当に楽しめる。年間50回ほど通えば、一回あたり100円弱となる。回数勝負だね。しかも途中解約もアリなのがありがたい。
登録無料のメトロ社は会員価格を価格に反映できないことや、会員対象が営業者のみという条件も合わせて、日本での拡大は相当厳しいのではと思っていたが、新店をどんどん出店しているところを見ると、業務需要というのは思っているよりもボリュームがあるんだなあ。

 さて、WR社で一番、気になるのは「初回登録費用2,100円」の行方。会費ではないのがミソ。「会費なら返せ」となるが、登録時点で費用が発生しているので、返す必要はなくなる。
年間購入金額が20万以下の顧客は会員登録を抹消されるということで、ずっと買物したいと思う人は毎年、20万円購入し続けなければならない。
スーパーマーケットの場合、月間4回来店し、1回当たり2500円程度を購入すれば、「デシル3(上位顧客30%)」以上で“優良顧客”となる。それでも月間1万円で年間12万円程度。それがWRでは20万円以上の縛りがある。会員登録したが、結局20万円購入できずに抹消される客が多発と思われるが、その分はWR社の収入となる。
スーパーマーケットのデータを持ち出すのは無理があることは承知で単純計算をしてみた。

●前提数値

・デシル2以上(上位顧客20%)で70%の売上確保、デシル3以上で80%の売上確保。
・WRの20万円/年間をスーパーよりも客単価が高いとして、デシル3(上位顧客30%)とする。
・初年度会員登録10万人確保。


●想定数値
(単純&乱暴に諸条件を割愛して計算した数値なので信用しないように)
・初回登録金額→10万人×2,100円=2億1千万円
ちなみに、抹消の場合に返却するルールだったら、登録抹消人数7万人×2,100円=1億4千7百万円

70%の客が登録抹消されてもコストコと違い、返却する必要がないので1億円以上がWRに残る。「初回登録料金」としたことの効果は大。
・利益予想→売上を単純にデシル3以上で計算すると・・・
 売上は  3万人×20万円=60億円
 荒(粗)利益は 60億円×20%=12億円
 販売管理費比率 60億×17%=10億2千万円
 荒利益から販売管理費を差し引くと利益は1億8千万円


※結論(というほど大げさなものではないが)
・初年度営業利益は初回登録料金の方が多くなる。
(当初はもっと複雑な計算をしていたが、説明がややこしくなるのでやめました[E:coldsweats01])

登録料金を返却しないということはWRにとって大きな意味がある

 ということで、早速、年間20万円の商品を購入できるかどうかを確認するための訪問。
ラ・パーク岸和田店の長崎屋社も7/31にリフレッシュオープンしているので、WR社ともども改装状況を確認した。
まずは、WR社側から。
入場の前に会員登録場所へ。途中解約ができないということで、年間20万円購入できるかどうかを売場で確かめてから会員になることに。“見学券”で売場に入場する。
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カードを作成済みの会員の方はゲートから通過。食彩賓館のように見学券での入場はゲート外から売場へ入る。
持ち物はロッカーに預けるか、透明の貴重品袋入れの中に入れる。
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販売している物がモノだけに、若い家族連れが目立つ。商品もドンキホーテや長崎屋で普段、販売されている商品から、ちょっとアッパーなものを集めて、低価格販売。通路も広く、ドンキホーテとしては余裕のある造りだが、「小型百貨店」という感じはしない。
食彩賓館とは縁のないブランド品の特売をチェックするのだが、購入したいと思うものが見つからない。アルマーニのネクタイが5,000円を切って販売とか、ヴィトンが10%オフと言われても、ねえ。
結局、何も買わずに退店。
ブランド好きな方にとっては20万円の縛りは楽々クリアできると思うが、食彩賓館のようにブランド商品に興味がない者にとっては厳しい条件。
コストコのように見た目のボリュームでごまかせる商品がないだけに厳しいなあ。
帰ってから、妻と娘に資料を見せたらコスメ関係のチラシに魅力を感じていたようだ。
資料
・チラシ
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・レイアウト
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・会員登録
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・買物するとこのような袋に商品を入れる。購入者の了解の上、撮影させていただきました。御協力ありがとうございます。
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