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吉實(よしさね)さんの包丁 職人さんとの会話。トヨタ生協大江戸物産展(愛知県豊田市)メグリア本店にて

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3055257_org_2    吉實(○よしさね、×よしざね)さんの包丁を砥ぎに出しました。ホントは柳刃がほしいんです。でも一週間に一回使うかどうかのペーパー調理師に二万円を越す価格は高嶺の花。

3055239_org_3   吉實さんは東京都江東区無形文化財指定店で、主として料理人用の包丁を作っています。私の包丁はその吉實さんの弟さんが研いでくれた一番安い三徳包丁。ですが、この包丁、切れます。胡瓜なんかを切る時に、包丁を胡瓜の上に置くとその重みで胡瓜が切れる。
刃物でケガをする時は切れない刃物を使った時が一番危険。よく切れる刃物は作業自体を楽にしてくれます。

   私が会社に入ったころは生鮮部門の黎明期で、よく上司から「職人になってはいけない」とPhoto 言われました。その時の「職人」という言葉は、「技術の確かな人」という意味ではなく、「頑固」「販売員ではなく作業員」という意味で使われたと思います。当時の上司は「育成に時間のかかる職人さんのような上級技術者を目指しても到底無理だから、販売技術者を目指しなさい」という意味で使ったと、今では解釈しています。

 この吉實さんの技を見ていると歴史に裏打ちされた重量感を感じます。
接客はどう贔屓目に見ても「老舗の女将や手代」風ではありませんし、逆にお客に説教みたいな講義をしていることもあります。たぶん吉實さんにとってこのような物産展への出展は商売ではなく、文化の伝道の場なんだと思います。

3055239_org_2 右の包丁の写真をご覧下さい。
左が新品で右が約五年使用したものです。
包丁の用途も鋼の質も違うため、比較しにくいのですが、砥ぎによる包丁の減り具合がよくわかります。

吉實さんから鋼の話を聞きました。2万円代の包丁と3万円代の包丁の鋼の違いです。2万円代は「日本鋼」といわれるもので、これは半年に一回位研げば切れ味が持続します。3万円代は「特鋼」で、こちらは「一年一回研げば良い」らしい。それでは 私の包丁は?とは聞けませんでした(笑)

 料理家では小林カツ代、ケンタロウさん親子が吉實さんの包丁を愛用しています。
料理店では吉兆さんとか。

 いい包丁です。楽しみは後に残すということで 柳刃新調はまだ先にすることにしました。

P.S.砥ぎに出していた包丁が戻ってきました。切れ味は一年間もつでしょうか。

20080428

砥ぎの映像(許可を得て撮影させていただきました)

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