本当にそう思いました。朝、通勤の時にストーンズを聴いていて思い出したんです。
2006年4月なので、もう二年前のコンサート。
私の前にいる推定60歳の女性が腰をクネクネさせながら踊っているんです。
ホンキートンクウーマンのリズムにあわせながら。といっても微妙に、リズムに乗り切れていないところもありますが・・・。
コンサートが始まる前に映像が映し出される時なんか雰囲気は最高でした。でも始まってすぐに音響がメチャ悪いのに気付く。「こりゃひどいな~」とか思いながら、イマイチ乗り切れなかったのですが、中盤になってステージがぐんぐん近づいてきて、アリーナの後ろの方だった私の目の前まで移動してきたんです。
目の前にミックジャガーが。キースが。「うぉ~」てなもんです。
今にもキースがホンキートンクウーマンのイントロのカッティングを始めようとした時、まわりの迷惑顧みず、”come on!! keith”と叫んじゃいました。
「ああ いい歳こいたおっさんが恥ずかしい」と自分で思っていたら、冒頭の小太りのオバチャンが目に入ったんです。
絶対に普段はダンスとかしていそうにない、もしかしたら70年代にディスコへ行って以来かなと思えるような感じのオバチャンダンスを見ながら、「ストーンズは偉いなあ」と思ったのです。踊らずにはいられない、勝手に体が動き出す。そんな感じの音楽を60歳超えてもやっているなんて。
ストーズのファン暦は私のロック暦からすると一番短いと思います。30年弱。
中学校からのビートルズ、高校からのクラプトン、大学のころから多種多様。
どちらかというとストーンズは好きなグループではなかった。だって演奏ヘタだし、当時は来日できなかったし。
(来日できないのは関係ないか)
いいなあと思うようになったのは働くようになってから。
一日かかって、肉屋のスライサーで豚を20頭分ほど切ったあとの疲れた体で聴くストーンズは沁みたなあ。
家に帰る時にカーステレオでボリューム上げて聴く。ミドルテンポのドタバタしたリズムがいいんです。
もしかしたら学生時代は頭で音楽を聴いていたからかもしれません。働くようになったら、頭で感じて、体で聴けるようになったからストーンズの良さがわかってきたのかも。
ところが歳をとると新しい音楽が頭でも体でも聴けなくなってしまった。昔の音楽は気付かなかった音まで聴けるようになったんですがね。
これが「歳をとる」っていうことなのかな。いい風に歳をとりたいもんだと思う今日この頃。