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【オープン訪問】関西スーパー奈良三条店の商品作りに感心し、価格対抗にも驚く

 朝、天理市に入り、大神神社参拝。その後スーパーとお寺巡り。予定通り、夕方ピーク頃に関西スーパー到着。渋滞を防ぐため、西側の入口を制限させながら南口へ誘導。いろいろと配慮されているようです。
関西スーパーの開店直後の訪問は久しぶり。同年代のスーパーマン(スーパーで働く従業員)は皆さん同じだと思いますが、関西スーパーと聞くとすぐに思い浮かぶのが「教科書」。「前にならえ」しただけでなく、「左右にもならえ」した状態の商品作りと売場作り。二部門にまたがる作業技術修得。その他、いろいろと勉強させていただきました。
そんな教科書企業も近頃はめっきりマスコミに取り上げられることも少なくなり、食彩賓館にとっては縁遠い存在となりつつあります。
今回はラ・ムー京終店のオープン訪問(記事はこちら)と合わせての奈良行。相反するタイプの両店比較も楽しみ。

 外観は目立つ赤だが、派手な印象はない。外観を撮影しながら久々にワクワクしている自分に気付く。最近の同社店舗訪問では教科書らしからぬ売場作り・商品作りと中途半端な価格にも少しガッカリしていただけに、久々の新店訪問ということで、非常に楽しみにしておりました。
店舗へ入り、商品を見ようとする前にチラシ訂正POPが目に入った。

価格違いで「明治ラブ198円を128円に訂正」ということだが、いかにも不自然な訂正。
おそらく、価格を下げたのはオープンチラシ価格としては中途半端な明治ラブ198円をラ・ムーの加工乳128円に対抗して下げたものと予想(この後のラ・ムー京終店訪問で予想的中を確認済み)。正直に「(自分達が)価格を間違えた」と表示している。
「競合店に対抗して下げました」なんて、自分の不明(競合店価格を見越しての売価付けができなかったこと)をあたかも競合店の所為(あいつらが下げたので仕方なくこっちも下げました)にするかのごとき表現は嫌いです。なので今回の関西スーパー社の競合店(名指しこそしていないが)ラ・ムーに対する意思表示方法は、大変勉強になりました。

 売場を見ているとまず、一部商品の価格が際立って安いものがあることに気付く。以前、オープン直後の関西スーパー社を訪問したことがあるが、これほどの低価格は見なかった。こりゃ完全に意識しているなあと思うと共に、奈良県進出の意気込みもビンビン感じることができました。長続きするかなあという余計な心配もしてしまうが。

 さて、目的の商品作りと売場作りの確認。
まず、鮮魚の商品作り。確認するのは刺身の盛り合わせだけでなく、鮮魚の切身も。どのようにカッティングしているか、あるいはどんな単位で提供しているか。鮮度は。生か冷凍戻しか。メニュー提案は。レディトゥクック商品は?。
誰でも知っていることなので恐縮ですが、切身の商品化を見ることで、その企業の鮮魚の商品化力を判断しています。
「なるほど“中骨なし切身”か」とか独りごとを言いながらオープンケース前をカニ歩き。
精肉売場ですばらしい商品作りに出会った。豚モモ肉をこのような形で商品化するのかというちょっとした驚き。おそらく、かなりハイレベルな技術者が作業しているのだと思う。ただし、同タイプ商品全部ではなく、朝イチバンでパックしたものの一部だけの様子。ということは応援者か?。何しろ驚いた。(どんな商品作りか一々説明しないのと、購入した商品のみブログで紹介するのが食彩賓館ルール([E:coldsweats01])。おそらく今から行っても見れないと思うが[E:happy01]。
で、挽肉の商品作りにも注目。大小パックを品揃えしているが、小パックは横向きに、大パックは縦向きにミンチを置いている。しかも冷凍ではないのに端をきちんと揃えてある。POPは「①厳選した生肉のみを使用しています。②品質低下の早い冷凍・内臓肉は一切使用していません。③毎日、関西スーパー店内で作っています」と表示。他でも良く見る内容だが、これを持って「鮮度宣言」としないところが、さすが関西スーパー社。好印象。

 売場演出では説明POP 。「お伝えしたいこと」を的確な表現で表示。これは良い。客を小パカにしたような(書くほうではなく受け取る側の印象です)、ふざけた内容の(書いている本人だけが喜んでor楽しんでいる的)POPが増えている昨今、実に内容のある、ためになる、役に立つ情報が丁寧に簡潔に表現されていた。「いいわけ(この時期は商品が傷みやすいので等)」ではなく、商品特性や使い方指南。グッジョブ。
あと、「大和の野菜を食べよう」ということで地元商品をアピールしているが、特別コーナー化はしていない。これも好印象。だって、直売所風な造りにしていても、実際には市場調達商品が並ぶスーパーがほとんど。それに比べたら正直でよろしいかと。

 カット野菜コーナーが充実しているが、すべてアウトパック。ただし、汚染区と非汚染区を区別していないバックヤードでカットされたものに比べてアウトパックの方がずっと安心。次亜塩素よりも大腸菌の方が怖い食彩賓館です。

 関西スーパー社のオープン特売で時々見かけるのだが、明日の特売品をエンドに高々と積み上げて「こちらは明日の特売品」という手法はどうなんだろうなあ。確かに、予告を兼ねていたり、明日安くなるものを告知して無駄買いをさせないような配慮、エンド積み替えなどの作業の関係、あるいはバックヤード在庫の関係、いろいろあると思うが。

 さて、商品作りが確認できたので、エコバックをいただくために「お買物カード」を300円で購入。エコバックはワンポイントデザインが加えられてものを選択。良い記念になった。

●購入商品

・最近、特売でキューピーマヨネーズを購入する機会が増えた([E:happy01])。
・せっかく奈良まできたのでブランドマークの入った三輪素麺198円。

・きちんと「商品化」されたとうもろこし。1本98円だが教科書通りにヒゲと柄の長さをそろえてカット。実を見せるために少し剥く。
・青ねぎ。出荷組合ごとに下部のイラストデザインが異なる。これは鹿で他の店では大仏のイラストも見た。

・玉ねぎ、もやし、ミニトマトは価格に魅せられて([E:confident])
・好物のスィーティオも低価格販売。

・720<なにわ>グループの牛肉。交雑種ながら食彩賓館のお気に入り。当日は特売用のものと少しランクの高い「霜降り牛」を販売。食彩賓館の質問にも的確に回答してくれた。ありがとうございます。(720グループの説明とこの商品<720霜降り牛>はこちらの記事で詳しく紹介しました)

●食彩賓館的印象
 (評価ではありません)
総合     ★★★☆☆
装飾・備品★★★☆☆
品揃・商品★★★☆☆ 
売場作り ★★★☆☆
品質・衛生管理★★★☆☆
価格(当日)★★★☆☆
サービス  ★★★☆☆
リピート  ★★☆☆☆
視察向け ★★☆☆☆
繁盛感   ★★★☆☆
ワクワク感 ★☆☆☆☆
上記の★☆の説明はこちら
↑ こんな印象ですが、低価格が続くようだったら四ツ★でも良いと思います。
「安心して使えるスーパー」というのは本当にありがたい。でもワクワク感は不足していると思う。

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関西スーパー奈良三条店
奈良県奈良市三条大宮町1版5号
℡0742-30-0075  ニュースリリース
 開店日 2011/05/26
訪問日 2011/05/28
延床面積 3,074㎡ 売場面積 1,734㎡
バックヤード面積 722㎡
専門店 クールビーンズ、クリーニングルビー
パンスタジオ(インストアベーカリー)
駐車台数 156台 駐輪台数 155台
営業時間 9:30~22:00
年商予定 18億円
・奈良地場野菜 ・720牧場グループ
・日配に「近藤豆腐店」  
・時間帯MD ・惣菜に「イズミフード」
・調光式照明器具の導入、店内中央部に採光型トップライト
・ミスト散布装置(室外機用)
・エコマックスNetⅡ(電力監視システム、遠隔監視システム)

●紹介記事
・2011/05/26オープン 

●関西スーパーに関する記事
・2009/7/17関西スーパー倉治店
・2010/10/28関西スーパー萬崎菱木店と「個店経営」
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↓ オープンチラシ5/26

↓ エコバックと資料。おさいふカードは紛失時の返金はできない模様。「ポイントではなく現金なので」というのが理由。