食彩品館.jp

【国宝、仏閣】三尾をゆく。高雄山 神護寺、槙尾山 西明寺、栂尾山高山寺(京都市)

旅行記, 神社仏閣|2011/06/26 posted.

大学生になりたての頃、京都市内及び近郊の観光に、地元出身の友人の車へ同乗させてもらい、ちょくちょく出かけました。昨年行った比叡山ドライブウェイもそうですし、嵐山高雄ドライブウェイもそうです。もっとも当時の記憶はほとんどない。20歳に未たない若者にとって自然環境には興味なく、さらには神社仏閣なんぞ教科書の世界。縁遠いだけでなく、まったく興味がない。今から考えるともったいないことをしました。
その反動というわけではないが、30歳を過ぎてから「自然」に目覚め、50歳を過ぎてからは「神社・仏閣」にも目覚めたということで、京都へ頻繁に訪れるように。
西国大先達(通算6巡拝)を目指していた頃は西国の寺を中心に参拝・拝観していたのですが、大先達就任により、西国以外の寺も参拝・拝観する余裕ができました。
今回の遠征(6/6)は、高速1000円の恩恵期間が残り少なくなったので、ずっと行きたいと思っていた場所を優先して訪れることに。

 テーマは「空海の景色と梅雨の三尾
京都 紅葉名所「三尾(さんび)」。栂尾(とがのお)、槇尾(まきのお)、高雄(たかお)。
紅葉が良いということは新緑も美しいということ。新緑の時期としては少し遅いが、梅雨の深緑を楽しみにしての観光。

 梅雨時なのに天気は上々。京都市内から国道162号線で高雄に向かう。高雄は34年ぶり。嵐山ドライブウェイとの合流地点を過ぎて国道から脇道に左折。川沿いの緑を楽しみながら、狭い道を神護寺を目指してゆるゆると車を走らせる。途中、三尾のひとつ、槙尾山 西明寺の看板を見ながら清滝川渓谷沿いを行くと、神護寺参道の案内が見えた。ここより奥にはホテルと料理屋さんの駐車場しかないので、観光客は手前の有料駐車場に停車しなければならない。奥の料理屋さんの駐車場を無断拝借してハイキングを楽しむ人もいるようですが([E:coldsweats01])

 参道から神護寺までは階段の山道。歩きやすいが、運動不足の身には結構こたえる。
参道脇の植物では、季節的なこともあるが苔が美しい。まさに苔の宝庫。種類も多く、地衣類のつき方もすばらしい。ずっとここで苔を見ていたい。
   茶店をいくつか過ぎると神護寺楼門が見えます。201106042_2
入山料金を支払い、山門をくぐると意外に開けていることに少し驚く。右手の本坊には平唐門(ひらからもん)」が見える。
20110604_3
少し汗が出てきたが、流れるほどでもなく、汗ばむ程度。参拝客もまばらで紅葉時以外はゆったりと参拝が可能。
金堂拝観の前に、重要文化財である五大堂、毘沙門堂、大師堂を拝観。そのまま金堂に上がる。
●五大堂(重要文化財)
20110604_4_2
●毘沙門堂(重要文化財)
20110604_4_1
●大師堂(重要文化財)
20110604_4_1_2
●明王堂
20110604_4_3 

 さて、金堂。昭和9年(1934年)再建されたもの。その本堂で国宝 薬師如来立像、重文の日光菩薩・月光菩薩 立像をはじめ、十二神将、四天王像も一堂に拝観。すばらしい。
ただし、内陣まで入れないので目を凝らしながら拝観。さすが空海ゆかりの寺。仏像が素晴らしい。
20110604_5_5 20110604_5_6
外に出て、金堂周囲を一周し外観を拝観。予約が必要なため、仏像拝観はできいが五大虚空蔵菩薩座像を安置する多宝塔まで上るかどうか迷う。時間のことよりも、少し疲れ気味の体力の方の理由により、下からの景観を眺めるだけにした。地蔵院と合わせて未参拝。鐘楼経由で書院前まで戻る。
●多宝塔
20110604_6_1
●鐘楼(国宝の梵鐘)
20110604_4_2_2 20110604_4_1_3

 山中とはいえ、書院前は明るい景色が広がります。今まで体験した高野山奥の院(和歌山)や施福寺(大阪)の印象とはまた違った「空海の風景」でした。
「この景色を空海も見たのか」という感動は少し不足していると思うのは食彩賓館の都合。
仏像の印象が強すぎるためと思います。

高雄山 神護寺 
(高雄山 神護国祚真言寺)
京都府京都市右京区梅ヶ畑高雄町5
℡075-861-1769
宗派 高野山真言宗
寺格 遺跡(ゆいせき)本山
本尊 薬師如来(国宝)
創建年 天長元年(824年)
開基 和気清麻呂
◇国宝
木造薬師如来立像、木造五大虚空蔵菩薩坐像、紫綾金銀泥両界曼荼羅図、絹本著色釈迦如来像、絹本著色伝・源頼朝像、伝・平重盛像、伝・藤原光能像 、絹本著色山水屏風、梵鐘、灌頂歴名、文覚四十五箇条起請文
◇重要文化財
大師堂 、絹本著色十二天像 六曲屏風 、絹本著色真言八祖像、絹本著色真済僧正像 、絹本著色足利義持像 、絹本著色文覚上人像 、木造日光菩薩・月光菩薩 立像、乾漆薬師如来坐像、木造毘沙門天立像 、板彫弘法大師像
20110604
20110604_5 
*****************
栂尾は「とがのお」と読む。
 まずは駐車場(11月以外は無料)に車を停めて裏参道から国宝 石水院を目指す。
途中、「高山寺蔵 南方熊楠書翰刊行」というポスターを見て、熊楠と高山寺のかかわりを知る。(南方熊楠についての記事)
20110604_6
 石水院は「団体観光客と一緒になると大変」と知人から聞いていたので、神護寺と合わせて開山時間に合わせて拝観。
国宝 紙本墨画鳥獣人物戯画 4巻の模本が展示されている。本物は東京と京都博物館に寄託。紙本著色明恵上人像や絹本著色華厳海会諸聖衆曼荼羅図など、どれが模倣で、どれが本物か区別がつかなくなるのは食彩賓館の観賞眼が不足しているため。

モリアオガエルのタマゴを至近で見ることができたことが嬉しい石水亭でした。

 味わい深い御朱印をいただいた後は石水院から上の寺と旧跡を拝観。

●「日本最古之茶園」碑
20110604_1_2 20110604_2

・栄西禅師が宋から持ち帰った茶の実を明恵上人に伝え、この地に植えたのが始まりとか。
●上人御廟
20110604_31
●開山堂(重要文化財)
20110604_37 20110604_1
●仏足石
20110604_3320110604_32 
●金堂
20110604_35
<世界遺産>栂尾山  高山寺
京都府京都市右京区梅ケ畑栂尾町8
℡075-861-4204
拝観時間 8:30~17:00
宗派 真言宗系単立
本尊 釈迦如来
創建年
伝・宝亀5年(774年)
開基
1.伝・光仁天皇(勅願)
2.明恵
文化財
国宝
石水院、鳥獣人物戯画四巻、紙本著色華厳宗祖師絵伝 7巻、紙本著色明恵上人像、絹本著色仏眼仏母像、玉篇巻第廿七 、篆隷万象名義、冥報記
重要文化財
乾漆薬師如来坐像、開山堂、宝篋印塔、如法経塔、木造明恵上人坐像、絹本著色華厳海会諸聖衆曼荼羅図ほか
20110604_1_3
20110604_7

 駐車場でJR西日本バスを記念撮影していたら、団体客が観光バスから降りてきた。良かった早い時間に参拝して。
20110604jr