ヤマナカ陽なたの丘店訪問記(part4)。評価というか受け止め方が難しい店舗を作りましたね

001訪問記録, 01スーパーマーケット, 01新店改装情報, 愛知県｜2015/08/11 posted.

PREV ｜ NEXT

この記事をSNSでシェア

===食彩品館.jp記事検索===
↓ 調べたい店・商品・場所・建物等を入力↓

===食彩品館.jp記事検索===

　名鉄が新たに開発した新興住宅街の中に出店。ヤマナカ社としては比較的、規模の小さなタイプの店。最近はこういった住宅街の中の閉鎖商圏に出店するスーパーが少なくなっている中、特異なケース。

　正直、「まいったなぁ～」というのが感想です。
食彩品館.jpが新店に求めることはすなわち「チェーンストア的ではない新しいタイプの店や商品、売場作り、サービスを見たい」あるいは「チェーンストア的であれば、標準化・平準化を徹底したエブリディ・ロー・コスツ(コストの複数形)的な仕組みや取り組みを発見したい」ということ。
そういった点で今回のヤマナカ社の新店は(ヤマナカ社としては)ふんだんに新しい意欲的な取り組みを提案されています。
ここ数年、特に現場実践型の営業担当役員が交代してからは、少し“頭で考えた”ような売場作りや提案方法を既存店各店が取り組んでいるような印象を受けます。今回の新店はさらに「頭で考えた提案売場」が散見。売場に散見する一言提案や各売場のオープンケースに設置されている提案ボードがそれ。
普段なら、意欲的な取り組みという印象を受けるのですが、何故か腹におちない。すなわち、ハートに伝わってこない。よって、購入する意欲がわかない。
何故なんだろうか。とっても良い提案売場なのに。
　理由を考えてみた。
まずは青果入口。青果売場横のミニトマトバイキングの後ろには野菜や果物の加工調理場がオープンキッチンで設置。オープンキッチン嫌い(スーパーマーケットやコンビニでのオープンキッチンは保健所が営業許可を出そうが、食彩品館.jp的には“衛生的に×”)の食彩品館.jpはまず、ここでこの店に対して良くない印象を持つ。
「安全衛生と食品衛生がすべての作業の入口」であるということを常に願っている食彩品館.jpとしてはライブ感優先のためのオープンキッチン調理場設置は相当なイメージダウン。
さらに、鮮魚・精肉の売場ではちっょとした不満を持つ。
商品が少ない。普段の生活に必要な商品はきちんと品揃えされています。もちろん少量パックもきっちり。小型タイプのこの店の規模からすると加工食品や雑貨は規模に比して品揃えとしてはまずまずの感。
鮮魚・精肉の商品がセンターパックであることも理由だと思うのですが、この店で購入したいと思う商品が見当たらないのが残念。
もっとも、それは悪いことではありません。当たり前のことですが、普段の生活に必要な商品はきっちりと揃っています。
食彩品館.jp的にはちょっと残念な印象を持っただけです。
　残念な印象は精肉売場でもありました。
交雑牛である｢尾張牛｣とアメリカンビーフの｢アンガス牛｣を販売しているが、和牛の品揃えがない。和牛は「和牛脂」だけなのがチト寂しい。たまたまなんだろうか。和牛がない代わりに尾張牛の希少部位は何種か品揃えしている。

　ここまで来てようやく、この店のコンセプトが少しだけ見えてきた。
おそらく、新興住宅街の中に出店したことで、買物客に対して｢ローンを組んだ若い世代。しかも共働きが多い｣ということを想定した上での、売場提案だったり商品の品揃えだったりするのではないか。
なので、ヤマナカ社得意の高質感のある商品の品揃えをあえて封印している。

　な～んて勝手な解釈をしていたら最後に来てまたわからなくなった。
惣菜バイキング。どうやら、こちらでバイキング料理を選んで、その隣に設置されている、明らかに違和感を覚えるほどの席数のイートインコーナーで食事をしてもらうというような取り組みのようです。
イートインコーナーもランチタイムサービスで食事をする人のためだろうか、わざわざ仕切りを設置してあるのも面白い。
そこで売場の方に確認。
「イートインコーナーが二つに仕切ってあるのは何か理由でも?」
どういう解答があったかはナイショ(笑)

　イートインコーナーに設置してある、ありがちなセルフドリップコーヒー機。マシーンのコーヒーの抽出口はクロースドなタイプ(いわゆる自販機タイプ)ではなく、オｰﾌﾟﾝタイプ。これって厳密に言うと、自販機だはなく、調理機タイプになるので営業許可もチョイ厳しくなると聞いたけど・・・。囲いもなくて、尚且つオープンに客席側に向けて設置してある。ほぉ～。時々見かけるけど、一体、どういった基準が正解なんだろうかわからなくなった。
一例: 調理機タイプのドリップコーヒー機は水道水と排水の設備を設置して、周囲を囲って、客が通過する通路と明確に区別すること。

　結論として、今回の新店はいろいろと新しい取り組みや売場提案が散見するが、食彩品館.jpの理解を超えたヤマナカ社の狙いをきっちり食彩品館.jpが受け止めきれなかったというのが感想です。
ヤマナカ社としては意欲的な新店であるということだけは理解できました。

　最後に店外のリサイクルコーナーで説明と実演を受けて退店。イトーヨーカドーで設置してあるタイプと同じく、衣料品も持ち込めるようですね。

*****************************************************

★購入商品
・「地元いちばん」コーナーで販売されていた「つづき農場」の胡瓜。太い。サラダはもちろんのこと、炒め物にするとよさそうな太さですね。漬け物で食す予定。

・ヤマナカPBの｢おさかなソーセージ｣。着色が天然系のクチナシというのがウリのようですが、味も結構、クッドです。価格からすると好印象。

===============================================

●(7/31プレ)8/1ヤマナカ陽なたの丘店
愛知県知多郡阿久比町陽なたの丘五丁目1 番1
敷地面積 4,258㎡　1,288 坪
延床面積　1,602㎡（485坪）
店舗面積　760㎡　230 坪
年間売上目標 6.5 億円
総投資額 4.8 億円
駐車台数 40 台
営業時間午前9 時30 分～午後9 時（予定）
ﾆｭｰｽﾘﾘｰｽ
開店日（ﾌﾟﾚｵｰﾌﾟﾝ）　　2015/07/31
開店日（ｸﾞﾗﾝﾄﾞｵｰﾌﾟﾝ）2015/08/01
紹介記事　　　　　　　　 2015/07/14（part1記事7/14）
開店前訪問日 2015/07/12（part2記事7/18）
紹介記事　　　　　　　　 2015/07/30(part3記事7/30)
開店後訪問日　　　　　2015/08/07(part4記事8/11)

=======================================

【以下、過去記事より抜粋】
名古屋駅から特急27分の阿久井駅近郊に造成された「名鉄　陽なかの丘」新興住宅地の中に出店。
県外から赴任された方は当初、東名高速名古屋インター付近や交通の便の良い地下鉄沿線に住むことが多いと聞きます。その方達が愛知県周辺に永住することになった場合、知多半島方面に自宅を求めることが多いため、名鉄沿線ではこういった住宅街が開発されてきました。
ただし、振興住宅街に出店したスーパーマーケットは地域の成熟に伴い、売り上げが減少し、撤退するのがここ数年来の事情。
それでもあえて出店を決めたヤマナカ社に拍手。