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消毒液代替「黄桜“除菌“アルコール65%」650ml1本1,000円をホームセンターの催事場で確認。元の品名の「消毒用(4月)」から「除菌(5月)」にラベル変更(!?)。「消毒」「除菌」「殺菌」「滅菌」「抗菌」の違い。薬事法と危険物の関連。何故65%や66%なのかを私的考察

 話には聞いていたが現物を店頭で見るのは初。

売場の商品は「除菌」だけど、POPは「消毒用」(#^^#)

某、ホームセンターの入口近くの催事場で発見。

気になったのは発売当初の「消毒用」というラベル表記が「除菌用」に変更になっていること。それと売場POPが「消毒用」となっていること。

当初は同社ニュースリリースの消毒用アルコール黄桜ALC.65%について」で

「本製品は医薬品や医薬部外品ではありませんが、消毒用エタノールの代替品として手指消毒に使用することが可能です」と紹介されていたが、現在は「アルコール度数65%(容量%)を有し、消毒や食品保存に優れた効果を発揮」となっている。

消毒用」から「除菌用」への変更と「食品添加物」たが「飲用不可」の理由が知りたくなった。

消毒」と「除菌」はどうちがうのか。

除菌」は菌を減らす効果で、薬事法上の表示制限はありません

対して「消毒用」は病原性のある微生物を死滅あるいは除去させて害のない状態、すなわち「無毒化にすること。

それではよく似た「殺菌」「滅菌」「抗菌」とどう違うのか。

殺菌
 細菌やウイルスをある程度殺すこと。(死滅ではない)

滅菌
 あらゆる微生物を死滅又は除去する状態で、基準値は菌や微生物ウイルスなどの残量が100万分の1になること。

「減(ゲン)菌」ではなく、「滅(メツ)菌」。

抗菌
 菌が住みにくい環境をつくることにより菌の繁殖を抑える効果を有すること。すでにある細菌を除去する効果ではない

 上記の中では「滅菌」と「消毒」が薬事法上の表示にかかわる表現となります。

医薬品や医薬部外品ではない製品では、たとえ殺菌や消毒効果があっても「殺菌」や「消毒」を表示できないということらしい・・・。

4月に新発売となった当時は「消毒用」とラベル表記されていたのに5月には「除菌」となっている?。

政府・省庁からの指示も混乱していた時期なので消毒用表記は当時の状況により酒メーカーも混乱していたのかもしれない。

 

せっかくなので記念購入するかということで「消毒用」とPOP表示された「除菌」アルコールを購入。

黄桜除菌アルコール65%650ml 1,000円。

製造区分:アルコール製剤(食品添加物)
原材料名:エタノール:57.2 w/w%(65v/v%)、乳酸:0.2w/w%、乳酸ナトリウム:0.2 w/w%、グリセリン脂肪酸エステル:0.2w/w%、水:42.2w/w%
アルコール分:65%(容量%)
2020年5月18日発売


 ところで市販される高濃度アルコールのお酒で推定世界一のアルコール度数は「スピリタス」(ポーランド原産のウォッカ)のアルコール度数96%。

酒税法においての度数は「温度15度のとき、原容量百分中に含有するエチルアルコールの容量のこと(体積%)」なので、消毒系のアルコールの度数(重量%)とは若干の違いがある。
酒類などのアルコール度数表示は体積比表示であるため、それを重量比に変換する必要があり、その危険物該当ラインが67%程度とされている。

よって、酒造メーカーによる❝除菌❞アルコールは65%~66%のものが多くなる傾向にある。

う~ん。ためになるなあ。そういう理由があったのかぁ。

「消毒用」と「除菌」のラベル変更に気づかなかったらこんなことは思いもよらない。

やっぱ、売場での気付きは大事だ。

以下、これまでのアルコール関係の政府・関連省庁ニュースリリースから抜粋。

・2020年3月消毒用アルコールの代用品については厚生労働省がアルコール度数70~83%の酒を医療機関向けに特例で認め、入手困難な時は60%台でも使用を可能とした。

・2020年4月厚労省は高濃度の工業用エタノールでも消毒液に代替できるとする見解を示し、酒造会社がその呼びかけに応じて工業用アルコールの増産に着手。

・2020年4月厚労省。消防法では、重さで考えたときの濃度(重量%、wt%)が60%以上(体積で考えた時の濃度(vol%)換算でおおむね67%相当以上)のアルコール類を規制の対象としていることに留意するよう通知。

・2020年5月国税庁は容器に「飲用不可」を明記するなどの要件を満たせば今月出荷分から酒税を課さない通知。

☆高濃度アルコールの場合は危険物(第四類アルコール類)に該当する場合がある。そこでアルコール度数を75度から66度へと下げるメーカーが続出。

☆「飲用不可」表示は酒税法の関係。