セリ目ウコギ科タラノキ属の落葉低木である「タラノキ(楤木、桵木)」の新芽を「たらのめ(楤芽)」という。
↓ 撮影地 利尻島姫沼
タラノメやコシアブラとよく間違えられるウルシは木のトゲのある無しと新芽が全体に赤いのが特徴。
タラノキよりもトゲの大きい「ハリギリ(針桐)」という山菜もある。
木にトゲがあるものは「オダラ(オンタラ)」でタラノメにも薄く赤っぽいトゲトゲがついている。これが貴重品。
トゲが無いのは「メダラ」といい、新芽にもオダラのようなトゲトゲというかプツプツがない。
自然種ではない栽培品には「メダラ」が使われていることがあり、トゲのある無しが一つの目安となっているが、山採りでもトゲのないものもある。
注意すべきはヘタな取り方をすると木そのものが枯れてしまうということと、見た目の良く似ているウルシ(ヤマウルシ)と間違えないこと。
枯らさないため、先端の頂芽だけを採り、側芽・胴芽は採らない、枝を折らない等の注意点があります。
ウルシとの違いはトゲのある無しだが、トゲがないタラノキもあるとかで少々ややこしい。
収穫後はただちに調理して食すべし。常温では1~2日でえぐみと苦みが増す。
どうしても保管する場合はできるだけ空気に触れないようにして冷蔵庫の野菜室で保存する。
もしくは下処理(アク抜きの方法で)をした上での冷凍保存も可能。
食べ方はテンプラの場合、アク抜きは不要だが、その他の料理にはアク抜きをする。
根元の固い部分の皮やハカマといわれる部分を外し、水1リットルに対して塩20gを目安として入れて沸騰させる。2~3分茹でた後、冷水でさます。
イチバン好きな食べ方は小さなタラノメをさっと湯通しして、お気に入りのポン酢等の調味料につけてアツアツのまま食す。
「タラノメのしゃぶしゃぶ」いや、肉より少々厚いので「タラノメのじゃぶじゃぶ」か。
葉の延びたタラノメは若いタラノメに比べて少々、苦みがあるが、慣れてくるとこっちの方が良いという人も多い。
最初は小さなタラノメから始めてその後、大きなもので風味と独特の苦みを楽しむのも一興かと。
これまでも何回か購入しているが、販売されている商品で、天然のタラノメ、特にポリフェノールたっぷりの赤褐色の濃い、トゲトゲプツプツのタラノメにお目にかかることは稀。
↓ 色比較。右が濃い赤褐色
スーパーマーケットで品揃えされているタラノメは栽培品種が多い。
水耕栽培された「新駒」「蔵王」「駒みどり」「あすは」という品種が並ぶ。
タラノキの原木を前年の秋から初冬にかけて伐採し、それを芽の出るところで15㎝ほどにカットしてこれを水耕栽培し、芽が出たら収穫。
クセや苦みが少ないため食べやすいが風味というか香りは少々、物足りなく感じる。
要注意は食用にならないタラノメ“モドキ”も出回っているという情報もあるので要注意。見た目は栽培品種とよく似ているというが、当方の眼力では見分けられない。
表示を信じるしかありません。
せめて、“天然”“栽培”くらいの表示はつけておいて欲しい。
ちなみに、以前、タラノメの栽培キットを購入したことがある。
↓ 「出タラ芽」
★今回、購入商品
今回、購入したタラノメにもトゲがないが相応の美味しさはある。
自分で天然モノを採ることができれば良いが、さほどの知識も無く、そして相応の努力もしないので販売商品を買うしか選択肢はない。
料理店や宿で提供されるモノは調理前の現物を確認できないのでこういった販売商品はホントにありがたい。
ちょっとドライプすると、季節の美味しい山菜を気軽に食べられるようになったことに感謝。
昔は山菜なんてあちこちに普通に生えていて、食卓に並ぶと「食べたくな~い」とか言っていた頃が懐かしくもあり、親に申し訳ないことしたなと反省。
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◆食彩品館.jp山菜図鑑
・コゴミ 2020/06/03
・タラの芽(2020/06/11記事)
↓ 利尻島の姫沼にて
・コシアブラ2020/06/16
・ハチク
◆山菜関係の記事
・2020/04/11 手打ちそば・うどん飛騨(高山市)
フキノトウ,菜の花,ワラビ,コゴミ,姫竹,ウドの葉
・2019/07/21西丸(箱根湿生花園)地採り山菜
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・2017/07/31恵那峡SA下(岐阜県中津川市)
朝採りハチク
・2017/07/15紗羅餐ミッドランドスクエア店(名古屋駅)
タラの芽,ウルイ,ウドの葉,
・2017/05/31山河料理 掘割(猪熊鹿)
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・2017/05/30阿智村産原材料使用の山菜加工品
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・2013/05/19山武喜山菜天ぷら御膳(稲武)
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・2009/05/29アグリながぬま(長野市)
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