楽しみにしていた「坂東太郎5,200円」なのに。「(一番脂乗りがいいとされる)中間の大きさの鰻」は少々小振り。うなぎ会席藍の家亭(東京都大田区)

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うなぎ会席藍の家亭(東京都大田区)坂東太郎

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 温泉の勉強を終えた後、宿泊地としたのは東京都大田区蒲田駅至近の源泉掛け流し黒湯天然温泉。

海の底地層から湧出している海洋系温泉で、フミン酸を多く含むため真っ黒に変色する大変珍しく貴重な温泉です。

当夜の食事はその近くにある当店で夕食。

 当店は120年続く老舗店のたれを元だれとして、甘さを控えた、飽きの来ないやや辛口のたれを採用。
そして、“あの”「坂東太郎」を提供しているのが当店選択の理由
忠平株式会社(千葉県銚子市)が手掛ける「坂東太郎」は養殖ながらも天然うなぎに近いとされるブランド鰻。養鰻場は坂東太郎(利根川)の近くにあります。
上質な脂とてまろやかな旨味を出すため、餌は白身魚に鯵を混ぜたオリジナル餌で育てている。

 店は縦に細長いビルの2階にあります。階段を上ると「満席」の表示。
先に電話をかけて予約しようとしたら一人客の予約はできないと断られたものの、今だったら1席空いているが・・・ということでダメもとで訪れたのでした。

 「満席」という表示はダミーのようで席に通されました。

席は個室。一人で使うには申し訳ない。

 さて、メニューの選択。

 レギュラー鰻の「うな重」は3,570円坂東太郎の「うな重」は5,200円約1.5倍の価格差があるが、ここは是非とも坂東太郎を味わいたい。
迷ったのは「特上7,500円」にするかどうか。

 レギュラーとの違いを注文を取りに来てくれた従業員に尋ねる。
レギュラーが1尾で特上は1.5尾だという。
それでは1尾あたりのサイズはというと、「結構、大きいですよ」と若い従業員が言う。
「具体的には生体で何g?」という問いに「?」。
「例えば4Pとか3Pとか」にも「?」。
どうやら厨房に確認する気はないらしい”(-“”-)”。

◇うなぎのサイズについて(食彩品館.jp目安)
・6P≒生167g/尾中心→焼製品100g~110g/尾
・5P≒生200g/尾中心→焼製品120g~130g/尾
・4P≒生250g/尾中心→焼製品140g~170g/尾
・3P≒生333g/尾中心→焼製品160g~180g/尾

あきらめて意を決して「坂東太郎のうな重5,200円」をオーダー。
昼は銀座おのでら本店だったので、今日は私としては贅沢な昼・夕食。

 30年ぶりの本格的な関東風の鰻料理です。
前回は社用で神田の老舗風な鰻。
いやもう驚きました。関西風と違い、背開き&竹串使用して蒸工程でやわらかく、そしてふっくらと焼き上げた鰻は絶品で、蒸工程無く外側カリカリで中はふっくらに焼く関西風よりも食べやすい。「これが関東風かぁ」と感動しました。
2008/07/15鰻,関西風と関東風の違い

 当方、40年以上前の若い頃、スーパーの鮮魚部門で修行“させられていた”(当時は生鮮食品部門黎明期で生鮮食品部門の人材育成が急務ということもあり大学新卒は院卒・学部卒を問わず、すべて生鮮食品部門に配属されていた)時期があります。
鰻も焼いてました。夏場になるとゴーグルして特別調理場で頭付腹開きの鰻に金串を打って炭焼き作業。

肉売場にもいて青果売場にもいて、さらにバイヤーも経験した後の40代には食品部門の調達統括という立場にもいました。
全国の美味しいものを調達する部門の責任者も経験し、
生鮮品の原料についてはそこそこの知識・経験はあるが、関東風の焼き鰻に限ると過去あまり縁がなかったのです。

坂東太郎のうな重5,200円と肝吸いに変更して+110円。

 まず第一印象。「エッこれ?」。
画像では伝わりにくいものの、日頃食べ慣れている鰻と比較してサイズが小さい印象を受けた。推定4Pの小~5Pの大といったところか(重量未計測のため個人の感想となります)。
確かに1尾分だが・・・。
身も薄い。
養殖ニホンウナギ(Anguilla japonica)の元になるシラスウナギが高騰しているし、光熱費や餌代原材料価格が負担になっていることはしかたないとして、過去実食のふっくら鰻を期待していただけにちょっと残念。
名古屋でも老舗店はひつまぶし用にあえて小振りサイズを選択する店があるが、そういった店でも鰻重や長焼きは4Pサイズの大以上を使うことが多い。
関東風だからあえて小振りにするということもあるという話は聞いていたものの、大きな鰻を嗜好するので久々に見たサイズに少々・・・。
ここで思い出す。蒸工程とその後の焼きで不要な脂を落とすのが関東風。そのまま焼き上げる関西風よりも焼き上がりサイズは小さくなるのかもと勝手な推測。

 今回の実食 坂東太郎 うな重5,200円。

やわらかい。蒸工程によるやわらかさよりも柔らかく感じる。身が薄いのでふっくら感ではなく、ふにゃっとした感じ。身と皮の部分も苦手なニュル感がある。
でも、久々に味わう関東風の柔らかさは、非日常、すなわち旅行して現地実食の満足感を覚える。

坂東太郎」としてはどうか。
当店のうなぎタレは鰻本来の味を損なわないように比較的薄味になっている。よって、鰻そのものの味も伝わりやすい。
う~む。良くわからない。”(-“”-)”
でもじっくりと味わいながら食べると旨味を感じる。5,200円出したんだ。そう思いたい。

この関東風の鰻を嗜好する人が関西焼きの店で食すと固い、タレが濃いと感じるだろうなあ。だから関東からの名古屋観光者はひつまぶしを好むのかと勝手に納得。

 なんにしても「坂東太郎を実食した」という体験をさせていただいたことに感謝です。
御馳走様でした。
◇資料

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・うなぎ会席藍の家亭
東京都大田区西蒲田7-27-5
  city7ビル1F
℡03-3735-3603
昼の部11:30~14:30(L.O.14:00)
夜の部17:10~21:15(L.O.20:30)
売り切れ次第閉店
定休日
 月曜日(祝日の場合は営業、翌火曜が休み)、
 第一・第三火曜日
席数32席(テーブル席、座敷席、掘りごたつ席)
駐車場 無し

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