これは2022年5月に行った北海道旅行の話。諸事情があり、記事にするまで1年半ほど経過。
いろいろあった件は過去記事で記したのでここでは割愛。
当ホテルはこのところ評価が上がっている“ラビスパ”ブランドのホテル。ドーミーイングループ。

ちなみに訪れた時とホテル名称が現在は変更になっている。
◇ホテル名称
変更前:天然温泉幣舞の湯 ラビスタ釧路川
変更後:天然温泉幣舞の湯 ドーミーインPREMIUM釧路

◇レストラン名称
変更前:de corazon(デ・コラソン)
変更後:CAFE OASIS(カフェ オアシス)
当日の夕食は厚岸でいただいているので今回は朝食バイキングの話
当ホテルの名物の一つである「無料夜鳴きそば」のサービスは妻のみ食している。

何故なら自分だけ夜食で近隣のラーメン店を訪れているから。
・ラーメン河むら(北海道釧路市)実食記
まずは温泉の話から。
ホテルブランド名称が“ラビスタ”ということで、ホテルの施設は期待していたものの、客室はビジネスホテル的な印象で少々、ガッカリ。

↓ 現在のドーミーインプレミアム釧路(HPより)

温泉についても、運用が「加水」「加温」「循環」ということで、さほど温泉には期待しておりませんでした。温泉の達人諸兄の評価も芳しくない。
ところが、入浴時に温泉分析書を見て愕然。

溶存物質が20,000mg/kg((正確には蒸発残留物20.91g/kgで成分総計19.86g/kg))という表示。源泉1kg中、20gの成分を含む濃い温泉であることを知る。
Σ(゚Д゚)エエッ!!。
高張性の温泉ではないですか。しかも20gという濃い温泉。
温泉は泉質によっていくつかに分類されているが、別途、浸透圧・緊張度によっても分類されている。
人体の細胞液と等しい浸透圧である“等張性(溶存物質総量8g/kg以上~10g/kg未満)”、それよりも低い“低張性”、逆に高い“高張性”に区分。
高張性は、お湯から体内に温泉成分が侵入するため、湯あたりに注意。よって長湯は禁物。
逆に低張性は水分が体内から流失されるため水分補給をすることにより留意が必要。
温泉水に1kg中10g(10g/kg)以上の温泉成分が含まれる当館の場合「高張性温泉」に分類されていて数少ない貴重な源泉です。
もちろん、成分1,000mg/kg(1g/kg)以上の療養泉基準に該当する(約20倍)ので、温泉には泉質名がつきます。
温泉の成分についての記事はTMGP記事(田中流通総合企画)を参照されたし↓
・温泉の“本物”と“偽物”を区別する意見について考察
今まで入浴した高張性温泉をデータが残っている源泉から多い順番に記すと以下の通り。
・有馬温泉 天神泉源 44.79g/kg
・有馬温泉 太閤の湯有馬1号2号混合泉 26.93g/kg
・有馬温泉 古泉閣22.62g/kg
・黄金崎 不老不死温泉28.99g/kg
・南紀白浜牟呂温泉 礦湯2号20.24 g/kg
・南紀白浜牟呂温泉 行幸源泉10.88 g/kg
ちなみに“天下の三名泉”として有馬温泉と共に挙げられることの多い草津温泉の湯畑源泉では溶存物質1.65g/kg、下呂温泉集中管理の湯之島・森地区源泉は0.387g/kg。
基準値として10g以上の高張性の源泉の濃さが尋常ではないことが数値から理解できると思います。
当館の源泉は約20g/kgです。
そうですか。20g/kg(正確には成分総計19.86g/kg)ですか。しかも源泉はホテルの敷地地下から湧出されいる模様。
足元湧出(湯船の底から湧いている温泉のこと。空気に触れていないので成分劣化が少ない)とまではいかないが、源泉から浴槽までの距離は短い。
ただ、源泉温度が28.6℃ということで、入浴に適した40℃程度までの加温が必要になることと、湧出量に対する入浴客数の割合から、衛生的な入浴環境を担保するための“加水・循環”運用はいたしかたない。
それでも貴重な高張性源泉なので一部の浴槽でも良いので源泉入浴槽があると嬉しいのに。
なんにしても貴重な高張性源泉に入浴できたことには感謝。
もっとも加水・循環なので源泉の成分がどの程度入浴槽内で維持されているのかは不明といったところがマイナス点か。
例えば、私も会員となっている温泉科学会の会長の前田眞治博士の著作「玉川温泉湯治の手引き」には加水による成分変化について以下のようなデータtが紹介されている。(玉川温泉は日本一の酸性泉で、当館のようなアルカリ性の温泉とは単純に比較できないことはご承知おき願います)
◇玉川温泉(大噴源泉)
↓2023年4月撮影 北投石岩盤浴と大噴源泉


☆源泉分析書成分データ
(大噴源泉成分総計)
8,461mg(8.46g)※ガス成分含
泉質名:酸性・含二酸化炭素・鉄(Ⅱ)-塩化物泉
↓ 湯桶500m通過で26%消失
(溶存成分)6,265mg(6.265g)
※以上2011年玉川温泉データ
↓ 源泉から入浴施設まで湯桶を通過させて湯温を下げる


↓ 2016/11/28分析データ
(溶存物質)5,568mg(5.57g/kg)
※源泉データは分析時期により変動するが、大噴源泉から500mの距離の玉川温泉まで湯桶で流れる間に98℃から入浴に適温まで自然冷却(加水無し) 。
成分のうち二酸化炭素と硫化水素は気体なので大噴源泉で地表に現れた時点でほぼ空中に溶け、残りも玉川温泉まで届く間にほぼ消失。
大噴源泉成分から34%消失した源泉が玉川温泉に届いています。
ちなみに玉川温泉を有名にした放射性物質はほとんど温泉に含まれていません。北投石の恩恵は玉川温泉の野外の岩盤浴でしか体験できません。(屋内岩盤浴は御影石でした)
そして、多くの観光客が宿泊する新玉川温泉はさらに約2km離れている」
☆浴槽内成分(玉川温泉湯治の手引きより)
※2016/11/28分析データ
①源泉100%浴槽(p.H1.2)
★大噴源泉から届いた時点の蒸発残留物3,952mg(3.95g)で浴槽投入後は3,800mg(3.8g)。
「∴」大噴源泉8,461mg
→玉川温泉到着時6,265mg(2011年分析書)
→玉川温泉浴槽投入時5,568mg(2014年分析書)
→玉川温泉大噴源泉蒸発残物3,952mg(2016年手引書)
★玉川温泉浴槽蒸発残物3,952mg(2016年手引書)
(源泉成分から53%消失)
浴槽温泉成分の泉質は源泉とは異なる
「酸性・鉄(Ⅱ・Ⅲ)・(アルミニウム)・塩化物温泉」
②源泉加水率50%浴槽(p.H1.4)
★蒸発残留物2,640mg(2.64g)
・大噴源泉8,461mg(8.46g)※ガス成分含から69%減衰。
・源泉100%浴槽と比較すると31%減衰。
「∴」加水率50%でも成分は31%しか減らない。加水率は温泉施設により「冷却のため(加水率少ない)」から「内緒だけど水増しするため70%~90%加水していた(他地区某施設元従業員より聴き取りなのでデータ的確証無し)」まで幅広い。
さあ、当館の加水率が気になるし、浴槽の成分が源泉の20,000mg/kgからどの程度まで減衰しているかは不明です。
でも結論として「あ~気持ちよかった」。
入浴適温に調整されていて、お湯も循環時に消毒滅菌(小さな浴槽にドバドバ投入されている源泉かけ流し温泉であっても浴槽内の汚れ(汚れ成分500mg/入浴客)がきちんと排出されているかは不安が残る)されているし入浴客も少ないし。
温泉分析書の源泉データと入浴槽の成分データが異なるように、温泉の成分数値と入浴時の気持ちの良さは別物ですね。
尚、当方、温泉系の2学会に所属し、且つ温泉ソムリエ分析書マスター、温泉協会温泉名人検定,日本温泉地域学会温泉観光士の資格を持つが、まだまだ勉強途上なので思い違いやデータ転記ミスもあるかと思われます。ご指摘不要&転記禁止でお願いいたします。
さあ、楽しみの朝食バイキング。

北海道の朝食バイキングといえば、海鮮丼。
太っ腹バイキングであるかどうかの見極めは“イクラフリー”。すなわちイクラが食べ放題であるかどうか。
当ホテルは御多分に漏れずイクラ盛り放題です。
もっとも、私はイクラはさほど好物でもないので少量いただくことに。
もちろん、礼文島産エゾバフンウニ(ミョウバン不使用)とか、オホーツク海明け毛ガニ、鵡川の本シシャモだったら盛り放題チャレンジをすると思うが、バフンウニどころかキタムラサキウニも見当たらない。
とは言いつつ、小食なのでバイキングは苦手だけど、これだけ地物料理を用意してくれるとついつい無理して実食してしまう。
ソフトカツゲンもあるし。
ご馳走様でした。

↓ ご参考 函館国際ホテルの朝食バイキング
2023年11月実食撮影と施設HP画像


**********************
いつもの地元購入ビールはセイコーマートで購入。
・セイコーマート 末広4丁目店
北海道釧路市末広町4丁目 9番3
℡0154-25-3222

サッポロビールはファイターズバージョン。
これは我が在住地ではみかけることがない。味は変わらないけどパッケージは北海道まで来たを実感できる。

*******************
◆2日目に購入した商品
・マグネット

・ラーメンと自分用のお菓子

◇釧路川風景
・幣舞橋と周辺の風景

・釧路フィッシャーマンズワーフMOO

20年前に訪れた懐かしい風景もほとんど記憶に残っていないのは残念。そういうこともあって最近は一眼レフ2台にそれぞれ望遠ズームと広角ズームを装着して一日1,000枚を目標にメモ書き的撮影を楽しんでいます。
翌日、釧路は霧に包まれていました。さあ、野生の鶴を見に行くぞっと出発。

===============
・ラビスタ釧路川
(現名称:ドーミーインPREMIUM釧路)
北海道釧路市北大通2-1
℡0154-31-5489
チェックイン/チェックアウト15:00/11:00
お部屋客室数225室
・ダブル95室 ・ツイン108室 ・クイーン21室 ・スイート1室
最上階(13F)男女別天然温泉大浴場完備。サウナ・露天風呂付。
駐車場有り 700円/泊※先着順
駐車場 82台
◇味めぐり小鉢横丁
レストラン CAFE OASIS(カフェ オアシス)
営業時間 6:30 〜 9:30(最終入店 9:00)
※混雑状況により営業時間の変動あり
料金 大人:2,800円
3歳以上〜小学生以下: 1,400円 2歳以下:無料 (※税込)
※朝食はご宿泊者様のみ。
◇天然温泉「幣舞の湯」
営業時間15:00~翌10:00(サウナのみ深夜1:00~早朝5:00は利用休止)
浴槽種類内風呂(天然温泉)、露天風呂(天然温泉)、水風呂、高温サウナ(TV付)
泉質ナトリウム・カルシウム塩化物泉
↓ 2022年5月撮影 ラビスタ釧路川

↓ 現在のホテルパンフ

=================
◇道の駅厚岸味覚ターミナル,コンキリエ
北海道厚岸郡厚岸町住の江2丁目2
℡0153-52-4139

==========================
◇2022年道東観光記事
・2024/01/20幣舞の湯ドーミーインPREMIUM釧路(ラビスタ釧路川
・2023/10/29道の駅,厚岸グルメパーク,コンキリエ,炭焼 炙屋
==========
◆北海道実食記事
・2024/06/16Japanese Ramen Noodle Lab Q
・2024/01/20幣舞の湯ドーミーインPREMIUM釧路(ラビスタ釧路川)
・2023/10/29道の駅,厚岸グルメパーク,コンキリエ,炭焼 炙屋
・2021/01/29大雪山白金観光ホテル(美瑛町)夕,朝食
・2016/07/17日本料理雲海ANAクラウンプラザホテル稚内
・2016/06/30海鮮処かふかでキタムラサキウニ丼海鮮丼
・2016/06/17礼文島プチホテルコリンシアンの夕食と朝食
・2016/06/13アルメリア(稚内市)宗谷黒牛ハンバーグ
========☆☆★=========
◆温泉に関する食彩品館.jp及びTMGP記事
・2023/08/17温泉分析書マスターが語る。“p.H.”
・2023/08/10SPA&HOTEL和(なごみ),海洋性黒湯
・2023/02/22東北秘湯4日間復路欠航顛末記
(不老ふ死,谷地,酸ヶ湯,新玉川,乳頭温泉鶴の湯)
・2022/11/06標津川温泉ぷるけの館ホテル川畑(北海道)
・2019/01/30三保園ホテル(静岡)冷鉱泉掛流
・2019/01/27湯ノ口温泉(熊野)源泉掛流
・2018/09/28濁河温泉湯元館(岐阜県)
・2018/09/06新湯ノ口温泉(熊野)入浴記
・2017/12/06青森ワイナリーホテル宿泊記(南大鰐)
・2017/04/26紀州南部ロイヤルホテル温泉
・2017/04/21白浜温泉外湯巡(和歌山)
・2016/10/11アクアイグニスの温泉源泉掛流
・2016/09/08八方温泉源泉掛流グローリアス
・2016/06/17礼文島温泉うすゆきの湯
・2016/07/18北国グランドホテル(利尻島)
・2016/03/31玉造長生閣(島根松江市)
・2016/03/24三朝温泉(鳥取県)
・2014/01/05 猿投温泉金泉閣(愛知)
・2013/08/19秋保温泉(宮城県)
・2013/06/15きよもん湯(和歌山湯川温泉)
・2013/06/08紀伊勝浦港(和歌山県)で周辺の風景と温泉宿泊施設。勝浦漁業協同組合 魚市場、勝浦漁港にぎわい市場(朝市)、足湯 海の湯、南紀勝浦温泉 越之湯、南紀勝浦温泉ホテル中の島、ホテル浦島、他
★・2013/05/04 湯の峯温泉 世界遺産登録の温泉「つぼ湯」入浴。川湯温泉、渡瀬温泉(和歌山県田辺市) 本宮温泉郷。その他周辺の入浴済み温泉施設(龍神温泉、十津川温泉、湯ノ口温泉、入鹿温泉、上北山温泉、小処温泉、南紀勝浦温泉ホテル中の島)
・2013/01/03下呂温泉露天風呂(岐阜県)
・2010/04/24 城崎温泉(兵庫県)
・2009/05/06白浜温泉と南方熊楠(和歌山県)
・2008/08/17越後湯沢 雪の宿 高半(新潟県)
・2008/07/17温泉(過去からの第一回まとめ的記事)
◇温泉行
▼北海道
・ウトロ温泉 ・釧路川温泉幣舞の湯
・旭岳温泉 ・白金温泉 ・湯川温泉
・うずら温泉 ・芦別温泉 ・ニセコ昆布温泉
・我虫温泉 ・礼文島温泉うすゆきの湯
・利尻島利尻富士温泉









▼東北
・黄金崎不老ふ死(青森)2023/01/29~01/30

・酸ヶ湯温泉 2023/01/30~01/31

・谷地温泉2023/01/30

・新玉川温泉2023/01/31-02/01

・乳頭温泉郷鶴の湯 2023/02/01

・大鰐 島田温泉 ・岩手 八幡平温泉
・仙台秋保温泉 ・十和田湖蔦温泉




▼関東
・鬼怒川温泉 ・塩原大網温泉
・伊香保温泉 ・行田温泉
・草津温泉地蔵の湯、煮川の湯
・草津温泉西の河原露天風呂
・四万温泉積善館 ・四万温泉湯元長静館
・箱根温泉 ・天然黒湯温泉(東京都)








▼北陸・越後
・赤倉温泉 ・越後湯沢温泉
・黒部峡谷名剣温泉 ・立山みくりが池温泉



▼信州・山梨
・上高地温泉 2022/07/29-07/30

・白州塩沢温泉
・上高地中の湯温泉(旧)
・北志賀よませ温泉 ・小谷温泉
・野沢温泉 ・馬曲温泉
・奥蓼科渋御殿湯 ・奥蓼科渋川温泉
・奥蓼科明治温泉 ・奥蓼科明治温泉
・渋川温泉 ・海ノ口温泉
・稲子湯温泉 ・諏訪湖温泉
・乗鞍高原温泉 ・小谷温泉
・白馬八方温泉 ・白馬姫川温泉
・奥白馬温泉(グリーンプラザ白馬)

・白骨温泉 ・新穂高温泉
・志賀ほたる温泉(熊の湯)
・地獄谷温泉 ・渋温泉外湯巡り
・湯田中・渋温泉・海ノ口温泉



















▼岐阜・愛知・三重(紀州除く)・静岡
・三保はごろも温泉 ・土肥温泉
・濁河温泉 ・下呂温泉・奥飛騨温泉
・尾張温泉
・三重片岡温泉





▼紀州(三重・和歌山・奈良各県南部)
・熊野入鹿温泉・熊野湯の口温泉(新・旧)
・田辺本宮わたらせ温泉・田辺本宮川湯温泉
・田辺本宮湯の峯温泉・湯の峯温泉つぼ湯
・十津川温泉
・南紀 勝浦温泉 ・田辺 龍神温泉
・みなべ温泉
・上北山温泉薬師の湯・上北山 小処温泉
・下北山温泉















▼関西(紀州除く)
・京都市竹の原温泉 ・丹後奥伊根温泉
・天の橋立岩滝温泉 ・赤穂温泉
・丹後温泉2023/01/01問人蟹

・有馬温泉 古泉閣2022/11/07-11/08





▼中国
・三朝温泉 ・玉造温泉


▼四国
・道後温泉本館2023/02/12朝6時入浴

・道後温泉椿の湯2023/02/11

・道後温泉別館飛鳥乃湯泉2023/02/11


・奥道後温泉(ルナパーク)

▼九州
・由布院温泉2022/12/11-12/12
・黒川温泉2022/12/12-12/13
湯峡の響き優彩