栗。
樹に実をつけるのは受精した雌花で、イガにくるまれている。
↓ 2001/09/01建替前の旧宅のイガ栗
このイガの中には通常、3個の栗が入っているが、中には「飯沼栗」のように、1つのイガの中に1個の栗が入っている品種もある。
↓ 2014/09/25JA尾張中央
面白いのは可食部分である白い実の部分は果肉ではなく「種」であること。
種をつつむ鬼皮が栗にとっての果肉部分ということのようです。
それでは渋皮はどうかというと、種の方に含まれる。
すなわち、イガ=皮、鬼皮=果肉、実と渋皮=種。
良栗の見分け方は、
・鬼皮(外側の硬い皮)に張りがある。
・鬼皮の茶色が濃い。
・指で押してもブカブカしていない。
・白いブツブツがついていない。
・座(底の部分)に黒っぽい箇所がない。
・座がベトベトしていない。
2017年農水省データを見ると、栽培面積は
1. 熊本 20.6%
2. 愛媛 16.0%
3. 茨城 17.0%
上位3県で53.7%を占める。
それでは品種別ではとうかというと、2017年農水省データには50種類の品種のデータが紹介されています。
1. 筑波 30.1%
2. 銀寄 15.4%
3. 丹沢 15.2%
4. 利平栗 7.5%
5. 石鎚 6.1%
上記メイン品種の特徴としては下記の通り。
□筑波
・主産地は熊本県,茨城県
・大き目の栗で皮に光沢がある。
・食べ方としては茹でる、渋皮煮など
□銀寄(丹波栗)
・主産地は愛媛県,熊本県,兵庫県
・平ら形で光沢はやや少なめ
・品種「銀寄」よりも産地名称である「丹波栗」として流通する。銀寄の名称は、江戸時代に丹波栗の出荷によって銀札(江戸時代の紙幣)が集まったことによる。
・虫がつきやすい
□丹沢
・主産地は熊本県,茨城県
・三角形
・皮に光沢がない
・菓子の原料に使われる
□利平栗
・主産地は埼玉県,熊本県
・名称は作出者である岐阜県山県市高富町の土田家の屋号「利平治」より命名。
・大粒の和栗と天津甘栗を掛け合わせた品種
↓ 2015/09/26利平栗。川湊の里(岐阜県)
□石鎚
・主産地は愛媛県,茨城県,
・岸根(粒が大きい)と笠原早生(見た目重視)の掛け合わせ。
・名称は愛媛県の石鎚山にちなむ。
・晩生品種で貯蔵性も良い。
丹波栗同様に産地名称がついた「小布施栗」も有名ですね。
↓ 2020/10/07小布施栗
小布施堂の「朱雀」は人気商品てす。
↓ 小布施堂 朱雀
生鮮の栗はイガグリから出した鬼皮付の状態で流通することが多い。
よって、鬼皮と渋皮を剥くことが調理において最大の手間。
□鬼皮のむき方
・生栗を熱湯に10分。
・包丁で切り込みを入れる。
・鬼皮をむく。
□渋皮のむき方
・沸騰した湯に鬼皮をむいた栗を入れる。
・1分から2分ゆでる。
・冷めたら渋皮をむく。
より簡単に鬼皮を剥くのは圧力釜を使って皮と実の間に空間をつくり、皮をむきやすくする方法ですが、注意すべき点は加圧時間。
皮をむきやすいようにしたいだけならば加圧時間は30秒程度にして、栗ご飯にする場合は皮をむいた後に米と一緒に炊く。
加圧時間を10分にした場合は炊きあがりに栗を混ぜるといった方法がベターのようです。
今回、購入した豊川市産の栗の品種は不明ながら、4Lサイズはあろうかという大きな栗でした。
できれば品種を記載していただくと大変うれしいのですが。
ホクホクの栗であったことを付け加えておきます。
↓ 購入 1000円の栗と100円の栗の比較
◆愛知県の和栗生産品種(2017年農水省)
1. 筑波 47.9%
2. 銀寄 16.7%
3. 丹沢 14.6%
4. ぼろたん 10.4%
4. 岸根 10.4%
□ぼろたん(通称:奇跡の栗)
・全国構成比は2%と少ない
・加熱により、鬼皮と渋皮がつるっと綺麗に剥ける。“ぽろっとむける”からぽろたんと命名。
・氷温で1~2ヶ月貯蔵することで糖度が2倍以上になる。
・中津川の栗きんとんに使われる品種。
※中津川ではその他の品種(胞衣・えな、丹沢、出雲、伊吹、金華、大峰、国見)等も使われています。
も使われています
□岸根(がんね)
・全国構成比は3.2%
・平家落武者により山口県坂上村の「岩根」で接木されたという伝承がある。品種名は当初の採取地にちなむ。
・肉質は粉質が強く、加熱すると崩れやすい
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◇栗に関する記事(一部)