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6次産業的漁師の店。川田商店(滋賀県近江八幡市)琵琶湖八珍,焼き本もろこ,氷魚,イサザ,大鮎の子持ち,はすご,小エビ(うろりまじり),うろり,赤こんにゃく

 今回で10回目となる長命寺参拝。

寺の坂を下りて県道に出るといつも目に入る看板が気になっていた。

漁師の店 川田商店

 農業生産者や漁業従事者(1次産業)が加工(2次産業)や販売(3次産業)まで手がけることを6次産業という。

当初の考え方は第一次産業の1と第二次産業の2、そして第三次産業の3を足して6(1+2+3=6)ということだったが、現在は足し算ではなく掛け算で1×2×3=6というようになっているようです。
足し算の方が実態にあっていると思うが、さらなる深耕・進化が必要ということでしょうか。

 国内1次産業が衰退する中で、1次産業従事者が2次・3次産業的付加価値による利益を自らが獲得することを目的に提唱。

合わせて地域活性化や継承者確保にも期待されている6次産業。

そういった経済学者的理論の提唱前から川田商店は6次産業を実践していました。

当初の漁業はどうかわかりませんが、琵琶湖の湖魚を自ら調理してそれを自転車、やがてはバイクで行商するという、昔ながらの商売。

地道な努力の継続が現在の6次産業的川田商店を成立させています。

 「自ら魚をとり、自ら加工して、その日に発送」とホームページで紹介されている通り、店には新鮮な湖魚の加工品が並ぶ。

琵琶湖八珍といえば、ビワマス、ニゴロブナ、ホンモロコ、イサザ、ビワヨシノボリ(ゴリ/ウロリ)、コアユ、スジエビ、ハス。

内、ビワマス、ニゴロブナ、ホンモロコ、イサザ、ビワヨシノボリは琵琶湖固有種

この店でもざっと見ただけで、
焼き本もろこ
氷魚
イサザ
大鮎の子持ち
はすご
小エビ(うろりまじり)
うろり(ゴリ、ヨシノボリ)
赤こんにゃく
 等々が品揃えされていました。

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 まずは魚種について。

本もろこは琵琶湖固有種で、日本産コイ科では特に美味と評判の高級食材。

もともとは琵琶湖で大量に獲れていたが、1990年代に激減。理由はいろいろあるが、琵琶湖環境の変化(外来種、護岸工事、水質悪化等々)によるもの。

絶滅危惧IA類(環境省レッドリスト)。

琵琶湖のモロコの漁獲量は31トンで、内、ホンモロコは15トン。貴重品です。
実は養殖もあり、埼玉県が最多出荷。山梨や岐阜県でも養殖されている。
一番人気は冬に漁獲される「子持ちモロコ」。
高級食材になってしまったホンモロコでもさらにハイクラスの人気。

子持ちが人気なのは鮒寿司や鮎も同様ですね。

↓ 川田商店購入品

 

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 続いて「氷魚(ひうお)

↓ 川田商店購入品

鮎の稚魚で琵琶湖淡水シラス

氷のように透き通っているため命名。

もともと琵琶湖の鮎は、海と川を行き来するオオアユに対して「コアユ」として区別されています。
陸封型というか湖封型であるため少々小振り。

通常は琵琶湖の鮎を「アユ」と称し、それよりも少し小さめで氷魚よりも大きいアユを「子鮎」と表示して販売。
琵琶湖以外で「氷魚」と呼ばれる鮎は琵琶湖の「コアユ」サイズの海で獲れたものだったりします。

・丹後半島で「氷魚」を食す

↑ 2010年お食事処たつや(京都峰山)

↓ マルマン淡水購入商品

 

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イサザ(魦)

体長3~8cm。琵琶湖固有種のハゼ。スズキ目ハゼ科。絶滅危惧IA類)(環境省レッドリスト)。
ブルーギルやブラックバスによる捕食も原因だが、1957年~1959年は漁獲ゼロとなり、その後、1982年に500トンまで回復したり、1994年~1995年には漁獲ゼロになったりと安定していません。
2016年は57トン。結構な価格の高級魚になっています。
料理はイサザ豆、いさざの唐揚げ、じゅんじゅん(すき焼き風)。
(漁獲数値は2016年滋賀県 琵琶湖漁業魚種別漁獲量データより)

↓ イサザ(タニムメ)

↓ イサザ(あぢかまの里)


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大鮎の子持ち
 子持ちが人気なのは同じキュウリウオ目のししゃも同様。
琵琶湖の鮎の漁獲は461トンで、内子鮎が417トン。琵琶湖の鮎は一部を除き子鮎のままで大鮎にならないが、養殖鮎でも子鮎のまま子持ちになることがあるらしい。一度食べてみたい。
(漁獲数値は2016年滋賀県 琵琶湖漁業魚種別漁獲量データより)

↓ 尾鷲おとと

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はすご
 ハス(体長10cm~30cm)のうち、体長10cm程度の大きさのものを「ハスゴ」という。
ハスはコイ科ハス属で、顔付きはいかついが体表はオイカワのように美しい。地方名もオイカワと混同していることがあったりするので要注意。
ハスの漁獲量は16トンで本もろことほぼ同量。ハスゴ自体の漁獲は未調査。

↓ ハス子(あぢかまの里)

 ハス煮(タニムメ)

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小エビ(うろりまじり)

スジエビの小さいもの。滋賀県ではポピュラーな料理である「えび豆」に使う。
商品名の(うろりまじり)は小さなゴリ(ウロリ)が混じっていることがあるため。

↓ 小えび(タニムメ)

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うろり(ゴリ・ビワヨシノボリ)

 体長1~3cm。我が家の水槽には成魚のヨシノボリがいます。仕草がカワイイので癒される。

ビワヨシノボリの稚魚を「うろり」と呼ぶらしい。
購入品は佃煮だが、収穫直後に釜揚げしたものは絶品とか。一度はいただきたい。
↓ 川田商店購入品

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ウグイ子(あぢかまの里)

やなぎば(あぢかまの里)

手長えび(あぢかまの里)

鮒寿司(近江 母の郷)

タニムメ(大津市)

あじかまの里(長浜市)

◇マルマン淡水(長浜市)

◇ビワマス(マルマン淡水)


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漁師の店 川田商店
滋賀県近江八幡市長命寺48-20
℡.0748-32-3140

★購入商品一覧

◇地図

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